つくづく、君は邪魔をしてくれますね?
モリンが真っ先に動き魔方陣ごと壊すと、厄介なアクトの足留めをし、交戦に入ったのを視界の角で確認しつつ私達三人も同時に動きました。
他の王子達は副官と共に、木の根を足場にしながらこの部屋から出ようとする最中。
第一王子レミオ、第二王子クレイ、第三王子シリウス、第四王子ルーベンス。
この四人は能力や魔法を含めて一番厄介や存在です。
一人でも逃せば、エリクレア様の身が危ない。
両手に持つ糸巻きの糸に、同時に強化魔法と斬撃効果魔法を重ね掛けした。
そして、私の魔力も流して一気に床を蹴り上げ飛ぶ。
真下にいる七人に向かって私は糸巻きを交差させるように放つ。
「糸神流蜘蛛の絡め乱斬舞!!」
全力全速力で私は大技を放ちました。
前世でも、今世でも鍛え抜いた技で、この糸から逃さぬように。
「ハーランド流暗剣術……十五の型……乱れ暴風!!」
けれど、私の大技はメイビストの放った関節剣の技で相殺されてしまう。
私とメイビストが着地した途端、残る六人が通り過ぎて行きました。
「ちいっ!!」
邪魔をしたメイビストの姿が、私の前世で何度も私に立ちはだかり邪魔をした神道明と重なって見え、思わず私は舌打ちします。
「つくづく、君は邪魔をしてくれますね?」
……あの忌まわしいお人好しな男を思い出して不愉快だと言いたい言葉を飲み込み、珍しく私は感情を剥き出しにするのでした。
アニマルミニ劇場。
玉白です。商人達と楽しく雑談したり商品を見て堪能した後、夕食はマゼルキス公爵と共にしました。
「この世界には、転生者や転移者はズバリ居ますか?」
「そんなに数は多くないが居る。例えば敵対していたシャルラは転生者で、スオウと同じくウルフソード公爵の妻は兄妹で転移者だったらしい。
10年前の謁見は、その妻とスオウが仲介の役目を果たして実現した物だった。
……だが、その謁見で皮肉にも全てが変わってしまったがな」
ワイングラスを傾け、マゼルキスは一気に煽りワインをイッキ飲みしました。
「成る程成る程」
玉白はしっかりとメモ取ります。
「詳しくは機会があれば、本人から直接聞けば良い」
そう言ってマゼルキスは、酔うことなくまたワインをワイングラスに注いではイッキ飲みするのでした。
マゼルキス→酒豪→コウモリ→その正体は……何と無くハーランド一族自体あれかな?
と、予想しつつ玉白はオレンジジュースをストローで飲むのでした。




