今ですっ!!行ってくださいっ!!
二重魔法をゆっくりと解きながら、私は次の魔法を展開させる。
一瞬でも良い、僅かでも隙を突ければ……!!
「……暗き闇の鳥は千の雨となりて降り注ぎ、その身を千の毒に変えて災いをもたらさん……ダークバードサウザンドレイン」
出来るだけ、呪文を短くした私は一気に魔法を発動する。
幾千の鳥が王の秘剣四人衆に向かって降り注ぐ。
流石と言うべきか、我がトゥワイライト一族が誇る古代魔法を持ってしても、仕留めきれて無い所か、全て避けられて行くのが分かる。
だが、それでも隙は作れたので問題ない。
「今ですっ!!行ってくださいっ!!」
私が叫ぶと、王子達と副官の皆が効果範囲外から走り出す。
「烈空斬絶っ!!」
巨大な二対の紅い斬撃が放たれ、私の放った毒の鳥達を斬り刻み、その上空の魔法陣ごと斬り崩した。
「くっ!!」
直ぐに私は、別な魔法を展開しようとするが……
一瞬でモリンが私との間合いを詰め、二対の剣を振り上げ私に斬り掛かる。
咄嗟に私は杖でモリンの双剣を受け止め、足で踏ん張り耐えた。
即座にモリンは私から後ろに飛んで離れると、更に宙返りして着地した。
「クソガキだと思ったけど……中々やってくれるね?」
「貴様に言われたくはない。私の魔法で遅れを取るとは……【絶桜紅】と呼ばれた二刀流の剣士も落ちた物だな?」
モリンの売り言葉に対し、私はわざと挑発して買うことで楽しむのだった。
アニマルミニ劇場。
麗らかな午後。
キリッとハードボイルドな顔をした玉白の前に、商人達が集まっていたきゅ。
10年前のあの日。
隣国の国王とその王女を迎えるため、王宮には四大公爵家の一族が本家と分家を合わせ、全ての当主夫妻や次期当主夫妻等一同に会していた。
あの事件のせいで、商人達も城下に居る家族に連絡が取れなくなったようだきゅ。
「皆さんは、今でも残された家族に連絡は取られないきゅか?」
「そうですね、こうなってしまうのは不本意ですが……ハーランド一族の分家として名を連ねる以上、いついかなる時でも覚悟はさせていました。城下街の商人街を取り仕切る次男夫婦は私の商会の後を継いで上手くやっているようで満足しています」
嬉しそうに商人さんは答えたきゅな。
玉白も、こんな風に誰かを信じて託す事が出来たら良いなと思ったきゅが……よほど親子の絆、信頼関係が無いと出来ないので思わずハードボイルドな顔をしたきゅ。




