運命なんかに家族をくれてやらない
私はありったけの全魔力を放出して、聖木属性魔法にぶつける。
最初は木の根や枝も、私の魔力を吸い上げて持ちこたえようとしたが、全魔力に耐えきる事が出来ず、内側から崩壊して最終的には私以外の木の物全てが暴発して吹き飛んだ。
「……これが聖木魔法か?口程にもない」
砕け散った破片を踏み締めて私は立ち上がる。
「まさか力業で出てくるとはな?」
そこへ、真上から声が聞こえ思わず見上げると、エリクシードが木の根の残骸に腰を降ろしていた。
見た所、エリクシードは両手に剣を持っており、木の根や枝は斬られたのか、バラバラに刻まれている。
「ふん、お前も私の事が言えないだろうが」
溜め息を着くと、私はある方向を見詰めた。
エリオットが居た部屋は勿論、王宮全てが木の根や枝によって破壊されている。
その中で、木のゆりかごが繭のように包まれて出現する。
良く見れば、繭の周りに3つの光る玉が浮いていた。
「あの中に恐らくエリオットが居る。聖霊12柱が関わって居るのは厄介だが、孫のエリオットを返して貰いに行く。それまでアルカナディアとの闘いは一時休戦して貰うよ」
「それは分かった。俺としてもエリオットは大事な孫だからな」
私がエリクシードに目を合わせないまま言うと、奴も珍しく同意した。
そのまま、私とエリクシードは言葉を交わさずに、真っ直ぐエリオットの元へ向かうのだった。
ミニアニマル劇場
ルーベンス様の部下のメイビストだぜ。え?あんた誰?居たっけ?そんな人?
おいおい、忘れられちゃ困るぜ……全く。まぁ、それは置いといて、ルーベンス様の説明してくれた通り、ハーランド一族は王宮で働いても居るが、ハーランド一族の領地はロズワイヤー川を間に挟むクロイック渓谷なんだ。
クロイック渓谷は対岸の山に一族の城を築いていて、そこを通る隣国や自国の船から通行税を貰ったり、又はクロイック渓谷で採れた果物や農産物、工芸品を使って貿易している。
敵の密偵が偽装してないかも確認しているんだぜ。
王都では、クロイック渓谷産の果物や農産物、工芸品を専門に取り扱う商会を分家がいくつも運営していてさ。
王都の主要な専門街の一つ、商人街を治めているんだ。
だけど、ハーランド一族は平民になっちまっても、これまで通り役目は変わらないからな。
……うーん、これから変わって行くのかね?
まっ、めんどくさい事は親父とメイゼストが考えるからいっか!!
そんじゃ、またな!!俺の活躍楽しみにしててくれよ!!
ん?小人みっーけっ!!
逃げんなよ!!うわ!?滅茶苦茶素早いな!?




