木の根が……うわぁ!?
「……ん?何?……この音は?」
異質な魔力と、変な音に気付いて思わず僕は足を止めた。
赤銀色の髪を少しだけ伸ばし、今は動きやすいように冒険者のような緑色のシャツに右肩と胴廻りにだけ防具を付け、愛用しているナイフを僕は両手に構える。
「モリン、何か強大な魔力が此方に向かってます!!……この魔力は……人間でも竜族でも……神獣でもありません!!」
焦ったようにシャルラが僕に叫ぶ。
「……この魔力は……でも今は有り得ないぞ!?聖属性でも……聖木属性だなんて!!」
黒に近い銀髪で後ろ髪が長く、黒い胴着を着たスオウが叫んだ。
探知に優れたシャルラとスオウが言うなら間違いない。
それと同時に、巨大な木の根が窓やドアを破壊して僕達の目の前に現れる。
「……そんな……馬鹿な……!?聖属性が今残ってるのは光属性に分類されるのみのはず!!他の聖属性は……大昔に邪神を倒した時、聖霊王や聖霊12柱と共に死んで滅んだと……歴史書にも書かれているんだよ!?」
緑色の長い髪を一つに結わえ、灰色の着流しを着たカロスがパニックになりながら叫ぶ。
……そう、平民や貴族関係無く、この世界に住んでる奴等なら誰でも知る歴史書に書かれていた。
その伝説の聖木属性魔法が具現化して目の前に迫って居る。
「……あ……やべ、防げない」
ナイフで左右に幾ら木を木の根を斬っても、木の根の再生が早くて僕は青ざめる。
トドメと言うように、天井を壊して木の根が頭上から伸びてきた。
「木の根が……うわぁ!?」
僕の視界が木の根に覆われ、其処で僕の意識も失ったのは言うまでもない。




