第1章終章そして僕は目覚めた
4人の公爵が玉座の間の扉を開けると、1人の青年が中に入って行く。
紫色の肩の上まである長さの髪を左右に少しだけ取り後ろの真ん中に結わえ、東洋に伝わる着物のような正装を着て、背に赤いマントを靡かせながら青年は進む。
エリクシード・アルカナディア。
アルカナディア王国の国王であり、エリオットの母方の祖父。
「エリクシード、本当は君の口から真実を聞きたかった。この10年間、僅かな情報を集めてエリクレアが事件と関わっていると分かっていたからね」
玉座の肘掛けに肘を付き、頬杖を尽く青年はエリクシードを見下ろしながら淡々と話す。
金色の長い髪を1つに結わえ、白を基調とした正装のローブを着た美しく青年は笑みを僅かに浮かべる。
ヴィクセル・ロウ・ゴールドロア。
神獣王国先代国王にして、ハウザー達5人の父でありエリオットの父方の祖父。
「何を今更言った所でとうに遅い。だが、俺も娘を守りたいからな……害すると言うのなら全力で行かせて貰う」
「ふふ……それは面白い。ならば私も本気になるとしよう」
エリクシードとヴィクセルの魔力が大きく膨れ上がり、玉座の間が余波を受けて吹き飛んだ。
「!?」
僕が目を覚ますと、そこはベビーベッドの中だった。
……誰かと誰かが闘っている?
いや、それだけじゃない。
……複数の殺気と気があちこちに感じる。
直ぐに起き上がり、状況を確認して僕は冷や汗を流す。
軽くパニックになりそうな動悸を、僕は深呼吸して落ち着かせる。
ふと、周りを見てみたら夢の中であった緑、光、水色の3つの玉が僕の周りに浮かんでいた。
『此処は妾に巻かせるのじゃ!!』
緑の玉が得意気に言った瞬間、目映く緑色に光ったかと思うと、玉を中心に巨大な木の根が出現してあちこちに広がる。
僕はベビーベッドごと木の根に守られ、様変わりした現況に思わず白目になる。
部屋の壁や窓を木の根が突き抜け、まるで生き物のようにあちこちに伸びていく。
……なんじゃこりゃ!?




