僕の選ぶ道
「エリオット起きるのじゃ」
「エリオット様」
「主様ぁー!!」
……ん?僕の名前を誰か呼んでる?
目を醒ますと、僕は何もない白い空間に浮いていた。
「やっとお会い出来たのじゃ」
「……あぁ、エリオット様……」
「主様……」
緑、白、水色の玉が浮いていて、その玉から声が聞こえる。
「君達は誰?」
目を丸くして僕は問い掛けた。
不思議と悪い気配を3つの玉からは感じない。
「我々らエリオット様にお仕えする12聖霊が3柱です。他の者等はまだ目覚めておりませんが、何れは目覚めましょう」
白い玉が僕に答えると、少しだけ光の強さが和らいだ。
「エリオットには伝えねばならぬ事態が発生したので、我々が貴方を聖霊界に呼び寄せたのじゃ」
緑の玉は少し、古風なしゃべり方で僕に言う。
「定められた運命の書には、主様の家族と、神獣王国が滅んでしまうと書かれています。……このままだと主様も……」
そわそわしながら水色の玉が信じられない事を言った。
……僕が……家族が……国が滅ぶ?
駅での光景が僕の中でフラッシュバックになって蘇り、悲しみと怒りで全身が息苦しくなる。
「ですが、貴方の選ぶ道によって結果が変わり、皆の運命も変えることが出来ます」
白い玉は優しく僕に伝えた。
……僕の選ぶ道で……結果が……変わるの?
「はい、貴方の力は全ての可能性を可能にする力です」
……聖霊王様……貴方に出来ない事は有りません……。
白の玉は、光を強く発光させて僕に答える。
「僕は……皆を助けたい。もう目の前で命を奪われるのは嫌だから!!」
「「「……我等が聖霊王よ、その言葉、しかと聞き届けた……」」」
緑、白、水色の玉が僕の叫びに答えた瞬間、空間全体が光に包まれ僕の意識も消えた。
聖霊界の最奥。封じられし聖霊の間。
黒い玉座に座る黒い玉は、空席となった水色、緑、白の玉座を見て明滅する。
12の玉座の更に上には、凍り付けとなった柩の中で眠る美しい青年の遺体が安置されていた。
「……我等が聖霊王が目覚めたか?……また地上に手を貸すと?」
黒い玉は、怒りを滲ませながら毒づく。
……生きている時も、人間共は厄災を前にして、聖霊王国を生け贄にした。
……2度目は、邪神を倒した我々討伐隊を騙し討ちにした。
……なのに……まだ……手を貸すのか?
……それが王の望みなら……仕方有るまい。
黒い玉は怒りを我慢し、柩で眠る聖霊王の顔を見詰め溜め息を付くのだった。




