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アニマル天国~転生した最強王子は我が道を突き進む~  作者: 玉白美琴
第一章僕の選ぶ道。
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それでも私は……私はエリクレア様の力になります

私はパトラ。エリクレア王妃様に仕える筆頭侍女です。地下から部屋に戻ってからも、何やらエリクレア様の様子がおかしいですね。


……それに上に居る気配は……もしやハーランドのメイビストでは?


つまり、ルーベンス様に私達は監視されていると?


エリクレア様の様子がおかしくなったのと何か関係が!?


「……エリクレア様、何か有りましたか?」


気になって私はエリクレア様に思い切って聞いてみる。


「っ……!!」


ソファーに座っていたエリクレア様はビクッと身体を震わせた。


やはり……何かエリクレア様は隠してますね……。


「エリクレア様、何を抱え込まれて居るのですか?私は貴女に仕える侍女です。主の苦しみを私も理解し、共に苦しみたいのです。……ですから……もし良ければ私に話してくださいませんか?」


私はエリクレア様の前で膝を付くと、エリクレア様を見詰め懇願する。


昔から……エリクレア様は私がこう言って押すと、押しに弱くて話してくれた。


「……私は……兄に騙されて大きな罪を犯してしまったの」


……エリクレア様の兄君?確か……アロウ第一王子殿下ですね?


エリクレア様の言葉に、私は考えて思い付いた。


エリクレア様は三人兄弟の真ん中。


兄にアロウ第一王子殿下と、弟にイクス第二王子殿下が居る。


アロウ様は人の良さそうな顔をして、腹の底で何を考えているのか分からないけど、イクス様は優しいけど気弱な所が心配だった。


「……信じてくれないと思うけれど、私は此処とは違う世界の転生者なのよ」


「……えっ?違う世界の転生者ですか!?」


エリクレア様の思いがけない言葉に、つい私も声を出してしまった。


「ちょっと待って下さい!?アロウ王子に騙されたことと何か関係があるのですか!?」


そのまま私は立ち上がってエリクレア様に問い掛ける。


「私が居る今の世界は乙女ゲーム【アニマル天国】なの。乙女ゲームってのは、女子が大好きなゲームで数人の攻略対象者の中から推しキャラを選んで攻略するシミュレーションゲームの事よ。転生して大きくなった私は、推しのハウザーと結ばれたくて……仲が良かったアロウ兄様に相談したの」


疲れた顔をして、エリクレア様は目を細めた。


……良く分からないけど、そのゲームの世界が此処で、ハウザー様をエリクレア様が狙って居た推しキャラって事かしら?


取り敢えず、私は冷えてしまった紅茶を煎れ直す。


「ゲームのハウザーは、優れた4人の兄達に冷たくされて孤独だったわ。だからアロウ兄様は私にハウザーを助けて結ばれて欲しいと言ってくれたの。あの日、アロウ兄様からも遠距離サポートを受けて、私はハウザーの為に玉座で禁忌の術を使ってしまった。そしたら……こんな大変なことになってしまって……ゲームではモブで雑魚キャラだったハーランド一族が全く違っていて……もう……どうした良いのか分からないの」


エリクレア様から聞いて、私の頭の中は真っ白になった。


……あぁ、なんて事を!?……ゲームの設定云々は知らないけれど、ハウザー様は兄君達と仲が良いのは母国や他国でも有名だったわ!!きっとアロウ王子はそれらの情報を遮断し、エリクレア様を都合良く動かすために吹き込んだのね!?実父である国王様や神獣王国までも巻き込んで!!


アロウ王子に私は殺意が沸き起こる。


今すぐにでもバラバラにしてやりたいくらいに!!


……だけど今やるべき事は……そうじゃない!!


冷静になると、私はエリクレア様の右肩を掴む。


「今はそれを悔いている場合ではありませんわ!!エリクレア様!!しっかりなさって下さい!!自分の責任は自分で持つのが当然です!!禁術と言えど絶対に解呪魔法もある筈です!!私達で解呪魔法を探しましょう!!」


「パトラ……」


私が気合いを込めて言うと、エリクレア様は目を丸くする。


「夫のシャルラも、国王陛下に仕えて来た王宮医術師です。魔法にも詳しいので必ずや力に慣れるかと思います。エリクレア様こそが我が主、例え主の罪を知ってしまっても……それでも私は……エリクレア様の力になります」


私は膝を付くと、エリクレア様に頭を下げて忠誠を示す。


あの日、スラム街で私を拾ってくださって御恩は忘れていない。


……エリクレア様にどこまでも従う。


「……ありがとう……パトラ……」


エリクレア様は涙を流して微笑む。


「!?」


私も顔を上げて安心するが、上に現れたもう一つの気配に神経を尖らせた。


……そう……エリクレア様とアロウ王子の企みに国王様が気付かない訳がない。


だって私の夫は……国王様の医術師にして元暗部長……シャルラ・グランベルムなのだから……


私は冷や汗が止まらず動けなくなる。


メイビストと彼が何をしているのか……この先、どうなるのか分からないから……


エリクレア様は私が守る!!


私はメイド服の胸元に忍ばせていた短刀を掴むと警戒を続けた。





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