あの女、尻尾出すと良いけど
ハウザーがメイゼストやハーランド一族に処遇を言い渡した途端、エリクレアの顔色が目に見えて悪くなったね。
もちろん、ハウザーも気付いたけど僕や他の兄さん達も気付いた。
僕は直ぐにマゼルキスとメイビストに目配せをする。
2人は僕の意を直ぐに理解し、誰が向かうかマゼルキスとメイビストの間で目線だけの会話を僅かに交わす。
動いたのはメイビストだった。前当主であるマゼルキスがメイゼストと共にこの場に残ると決めたみたい。
音も気配もなく、メイビストは姿を消した。
メイゼストもそれに気付いたけど、言葉を発する事はしない。
「……それがハウザー国王陛下の命令でしたら、このハーランド一族……身命をとしてルーベンス様とエリオット様にお仕え致します」
メイゼストが頭を下げて礼を言うと、マゼルキス達ハーランド一族も全員頭を下げて忠誠を誓った。
……やれやれ、ハウザーも10年経つと中々立派な王になったね?
少し寂しい気もするけど、月日を感じるのは仕方ないね。
……んんっ!?
僕はしみじみ思って兄さん達に振ってみたら、レミオ兄さん、クレイ兄さん、シリウス兄さんが涙目になってて思わずギョッとした。
……弟バカは仕方無いけどさ~もうちょっとしっかりしてよね?
苦笑した僕は、直ぐに思考を切り替えた。
……あの女、尻尾を出すと良いけど……。
エリクレアの事を思い、僕は無表情になる。




