死からの転生
暗闇の中から光を感じた僕が目を開けると、美しい女性が僕を見詰めていた。
桃色の長い髪は三つ編みにされていて、肌や額は若干汗ばんでいるけど、女性は僕を優しく抱き締めている。
「……私の可愛い坊や、産まれて来てくれてありがとう」
僕の額に女性は口付けをして微笑む。
……は?……産まれて来た?……僕が?
訳が分からない僕は目だけ動かして自分の身体を見た。
小さな手、小さな足、高級そうな毛布に包まれているのを確認して僕は絶望する。
……もしかして……僕は……生まれ変わった!?
僕は直ぐに理解できなかった。
死んで直ぐ生まれ変わるなんて有り得ないから……
「エリクレア!!」
部屋のドアを勢い良く開けて男性が入って来た。
金に近い白髪の髪、やたらと豪華そうな服と赤いマントを靡かせ、整った顔立ちの青年が僕と女性に駆け寄る。
「ハウザー、喜んで?男の子よ」
女性は笑って僕を青年に見せた。
「……でかしたぞ!!」
涙を浮かべて青年は僕を見詰める。
「貴方に似て優しそうだわ。名前は貴方が決めて頂戴」
「……そうだな、この子は……エリオット。エリオットと名付けよう」
女性と青年は幸せそうに微笑むと、僕を優しく抱き締めた。
これが父ハウザーと、母エリクレアとの出会いだった。