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命は軽くないんだ!!
いつの間にか、4匹の子犬が追い付いて僕の下に伏せる。
「……くっ、事が事だけに仕方無いな。ならば一族連座で……」
父の言葉を聞いて僕の頭は真っ白になった。
……連座は……処刑だよな?
……駄目だ……人の命は軽くない!!
僕の頭の中で思い出したのは、駅のホームで起きた惨状。
一瞬にして日常を奪われ、命を奪われ死んでいく人々の姿を思い出した僕は我慢できなくなる。
「あうあーい!!」
気付けば、何かを叫んでいた。
この場で僕が黙っている事なんか出来ない。
「……エリオット!?」
「……浮いてる!?」
父と母が僕に気付いて席から立ち上がった。
「なっ!?」
「……ふむ……?」
子黒豹はポカンと口を開け、白い子犬は目を丸くする。
他に会議に参加していた動物達は椅子からずっこけた。
……これ以上人を殺させたり、命を失わせたりしたくない!!
「だーっ!!」
僕はもう一度叫ぶと、背を向けて再び動き出す。
「ワオ!?」
「ギャオ!?」
「くうん!?」
「きゅ!?」
4匹の子犬は慌て僕を追って来る。
「……二……」
大きな子猫は、僕と目があった後、何かを考えるように立ち止まった気がした。