会議の盗み聞き
いつの間にか、僕が廊下を飛んでいると城の者?達が沢山集まっていた。
皆子動物だから可愛いけど、僕を捕まえようとして子犬4匹がジャンプしたり、大きな子猫が他の子猫と共にチェスターが着いた僕のベビーベッドをカラカラと押してくる。
ワンにゃん、たまにコケコッコーと騒がしい中、僕はとある部屋から父と母、他の動物の声がしたので立ち止まり聞き耳を立てる事にした。
「ハーランド伯爵の妻子は他の一族とともに連座だ。我が可愛い孫の命を狙っての狼藉、罪は勿論、同じ大国を束ねる隣国として強く要望する!!」
子黒豹が鼻息荒くして叫ぶ。
……あれ?動物が人語を喋ってる?
ドアの隙間が開いていて良かったな。あれが僕のおじいちゃん?
……僕の命を狙ったのはハーランド伯爵だったみたい。中世ヨーロッパとかでも王族の命を狙った貴族は一族の処刑が妥当とされている。
……でも、あのナイフではどのみち僕を殺せないよ。
ふむ?じゃあ……さっき僕が聞いたのはその妻子の声かもしれない。
「……だが、義父上、ハーランド伯爵婦人はまだ20代、子も双子の兄弟で5歳くらいだ。ハーランド一族と言えば表向きは外務系の貴族。一族連座となれば我々と敵対する新興高位貴族に付け入る隙を与えてしまう」
父は真っ向から反対していた。
中々政治は大変そうだね……。
「けれど貴方、見せしめとする事で王族の権威を示すのも大事よ」
母は冷静に父に向かって意見した。
「うむ、エリクシアの言う通りだ。10年前の主犯が見付からぬ今、……王家が弱腰になれば新たな隙を生む」
白い子犬が目を細めて父に意見した。
「父上……ですが……」
それでも父は反対しようとするけど、難しそう。
子黒豹が母方のお爺ちゃんで、白い子犬が父方のお爺ちゃんかな?
10年前、皆に何があったのだろう?