城内大パニック
すると僕の身体はふわりと浮いた。
慣れない感じだけど、何とか宙返りして僕はベビーベッドを離れてドアの前に行く。
……あれ?子犬達がびっくりして口を開けている……。何かまるで人間みたいだね……。
そんな事を思いながら、僕はドアノブを掴んで回すけど、赤ちゃんの力だからか、当然開かない。
あっ、子犬達が近付いてきたね。
「ワンワオン!!」
「ギャウウ!!」
「くおん!!くおん!!」
「きゅわ!!」
何だか4匹が吠えて僕に訴えている?犬語は分からないから無理だよ……。
困った僕は、右手に気と魔力を纏わせて見る。
うん、さっきのコツは掴んだから大丈夫。
「あうわ!!」
気合い一閃、右手の拳を正拳突きのようにドアに放つと、派手な音を立ててドアが壁まで吹き飛んだ。
「……ニャ!?」
「ガウ!?」
廊下に居た子猫と、白衣の子チーターがびっくりしている。
良く見たら、大きな子猫だからさっきミルクを飲ませてくれた子猫と、診察してくれた子チーターだ。
「……ワ……ン」
「ギャウン……」
「くうん……」
「……きゅ……」
何か知らないけど、4匹の子犬は腰を抜かしていた。
……さてと、地下を目指さないとな……
僕はとにかく先を急いで廊下へと飛び出した。