無
死ね、消えろ、バカ、カス。いつもように机に書いてある。筆箱がなくなることにも慣れてしまった。
これが普通、なんて思い始めた。普通じゃないのに。私の運命なのかな。
最初はただのいたずらだと思ってた。そんな甘い考えを持つのが間違いだった。
5日ぐらい経ってから、靴がなくなったり、傘がなくなったり、筆箱が消えたり。
そこから1週間ぐらい...かな、そんぐらいから殴られたり、蹴られたり、階段から突き落とされたり。
先生たちにも相談した。親にも相談した。先生も親も「あの子がするわけない」これしか言わない。
みんな私の言うことを嘘だと思ってる。
何度も「死ねたらいいのに」って思った。
首を吊った。ダメだった。
自分を殴り続けた。ダメだった。
机に頭をぶつけ続けた。ダメだった。
リスカした。ダメだった。
包丁を持った。勇気がなかった。
自分を殺せなかった。勇気がないから。
もしかしたら、私の名前の無味って名前は、無意味って意味なのかもね。
自分に失望し続けた。
誰も私をかばってくれない。
誰一人。
クラスのみんなも見るだけ。
笑ってる子もいた。
空を飛んで、そのままあの世までいけたらいいのに。