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飜譯匣

作者: ウィリアム・ブレイク(原著) 着地した鶏(翻訳)

とらよ、とらよ。

夜の木叢こむらに燃えがる。

なんじを造りたまいしは

不滅のうでか、不死のか。

脅威おそろしき均整美シンメトリ


なれひとみ燈火ともしび

燃えて照らすは地の底か

果てなく高い天空おほそらか。

望んで止まぬ翼さえ

燃やし尽くてしまうのか。

たれぞ、るそのほのほ


如何に膂力ちからがあろうとも

如何に武技えものを得ようとも

なれこころかすがい

じ切る者ぞ、あるものか。

なんじの脈は打ち始め

におそろしきあしあし


如何なるつちがあったのか

如何なる鎖があったのか。

なれ脳髄こころが生まれしは

如何なる鉱炉ころか、鉄床かなとこか。

死なる恐怖おそれが掴み取る

におそろしき威圧感。


星夜ほしよは槍を投げ落とし

涙で濡らすあまくに

おのが造りし物を見て

あるじは笑っておられるか?

なんじを造りたまいしは

子羊ひつじを創りしぬしなのか?


とらよ、とらよ。

闇夜の森にあかく燃ゆ。

なんじを造り遊びしは、

不滅のうでか、不死のか。

畏怖おそろしき均整美シンメトリ


原著:「Songs of Experience」(1794) 所収「The Tyger」

原著者:William Blake (1757-1827)

(William Blakeの著作権保護期間が満了していることをここに書き添えておきます。)

翻訳者:着地した鶏

底本:「Songs of Innocence and of Experience」(Project Gutenberg) 所収「The Tyger」

初訳公開:2022年6月25日


【訳註もといメモ】

1. 「とら」という文字は虎のシンメトリックな縞模様を彷彿とさせるので良きですね。


2. 詩は詩人が訳すべきである(戒め)。誤訳誤謬誤爆の塊かもしれない。


3. 「thy fearful symmetry」を「人知を超えたシンメトリー」と訳出した某SFアニメの脚本家(円城塔?)は怪物だと思った。

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