18/240
----8/29 19:32----
やってやった。
殺してやった。
手が…足が…体が震える…。
人間を殺した感覚が今もこの手に残る。
復讐してやった。
奴らが悪い、俺の人生をめちゃくちゃにしたからだ。
だが足りない。
娘が一緒ではなかった。
ちゃんと全て殺さなければならない。
あの餓鬼共とその親を殺さなければ…。
許さない…。
『やめてぇぇぇぇぇえええ!!』
…心地の良い声だった。
赤ん坊の産声を聞くよりもずっと良い。
『因縁業障お詫びします!お詫びします!』
馬鹿な奴らだ。
神なんてこの世に存在するはずない。
死ぬ間際まで祈る姿は滑稽ですらあった。
そう…神なんていない。
雨が降り始め、手や顔についた返り血を洗い流し始めた。
…あの家はちゃんと燃えてくれるだろうか。
まあ、もういい。
捕まる前に全員殺す。
岩木君は結局役に立たなかった。
俺が自分でやるしかない。
「怪我をしているのですか?」
声をかけてきたのは、仄暗い闇に浮かんで見えるほど白い少女だった。
22時ごろにもう1話投稿します。




