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四季さん家の鬼退治  作者: ぞのすけ
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探索

 二人はそれから屋敷を回った。その中で二人は会話を続けている。

「先程の話の続きですが、会長は四鬼との繋がりは?」

 その質問に朽網は自分の顎を摩りながらどういう返答をするか考えているようだった。

「まぁ、あると言えばあるな。でも、奴らがどこに潜伏しているのかなどの情報は全く以って分からん」

 朽網はそう言って近くにあった扉に鬼比良の許可を得てから入る。

 部屋の中を物色している朽網に鬼比良は話しかけた。

「会長はどういった経緯で鬼に? 魅鬼の力で?」

「私が鬼になったのは十五年前の話だ。魅鬼は最近現れた鬼だからな。私が鬼になろうとした時に魅鬼がいたらどれだけ楽だったことか。

 鬼になった経緯か…、話せば長くなるな。また別の機会に話すよ」

 朽網はそう言うと目当てのものが無かったようで部屋を出た。そして、そのまま足を進める。次から次へと部屋に入り中を物色した。そして、とうとう楓を幽閉した部屋へと辿り着いた。

 扉を開けた朽網はいきなり現れた階段に少し驚いたような声をあげた。

「なかなか珍しい造りだな。下には何が?」

「ここは懲罰房です。一つ牢屋があるだけで他には何も。今は誰も入っていませんが、気になるなら降りてみればいいかと」

「ほう。まぁ、一応確認しておくか」

 朽網はそう言って階段を降りる。鬼比良もそれに続く。

 朽網は階段の先にある扉を開けた。そして、鉄格子だけの懲罰房をまじまじと観察している。

「こんな鉄格子だけの牢屋に君たちの鬼兵隊がすんなりと収まるものなのか? 暴れだして、鉄格子を突破するのではないのか?」

 朽網はそう言って鉄格子に触れようとした。鬼比良はそれを慌てて止める。

「触らない方がいいです。強力な呪いをかけていますので。それにここに幽閉される者は鬼門を閉じるので人間と大差ないです。どうしても鬼門を閉じられない者も鉄格子に含まれている強力な呪いと共に鍵に呪文字をしますので、一見ただの鉄格子に見えますが対策は万全というわけです」

 鬼比良がそう言うと朽網は感心しているようだった。

「なるほど、それは余計なお節介だったな。では次へ行こうか」

 朽網は牢の中で未だに眠っている楓に触れることなく懲罰房を後にした。

「それで君はいつ鬼になるつもりだい?」

 懲罰房を出た廊下で不意に尋ねられた鬼比良は返答に困った。

「…まぁ、早い方がいいのでしょうけど、方法が分からない限りは何とも言えませんね」

 我ながら無難な返答をしたと鬼比良は心の中でそう思った。

「ふっ、今は魅鬼がいるだろう。私みたいに苦労せずとも鬼になれる。それも、一瞬だ。瞬きしている間に鬼になれる」

 朽網がそう言うと鬼比良は驚き歩みを止めた。

「魅鬼はまだ生きているのですか? 先日の雷鬼討伐の際の報告書では剛鬼共々一緒に討伐されたと報告書にあがっていましたが」

 鬼比良は先日確認した報告書にそう記してあったのを思い出し、朽網に尋ねた。

「表向きはそうなっている。魅鬼は予め自分の体格と似た死体を用意していたみたいだな。剛鬼が千春君に倒された後、千春君の目をすり抜け死体を置き、自身はそこから逃げ出したようだ」

「…魅鬼は今どこで何を?」

「今は大事な仕事の途中だ。もう少しで鬼の時代がくる」

 朽網がそう言うと携帯電話が鳴った。

「すまない、私だ」

 朽網はそう言うとポケットから携帯電話を取り出し、電話を取った。そして、二、三言話すと携帯をポケットに仕舞った。

「仕事が入った。これでお暇させてもらうよ。すまなかったな、匿っていると疑ってしまって。鬼の件は後日連絡する。このことは他言無用だ」

 朽網はそう言って一人門の方へと向かっていった。朽網の姿が見えなくなると鬼比良はその場に腰を抜かしたように座り込んだ。そして、一言呟く。

「全くあのクソジジイは」

 鬼比良はそう言うと立ち上がり、千春達がいる所へと向かっていった。


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