四季家にて
墓参りから戻った皆は組手や木刀を使った実戦訓練に励んでいた。
それらが一段落着いた時、千春が口を開いた。
「あ、大事な話があるんだけどさ」
千春の改まった話に皆の視線は千春に集まった。
「どうした? 急に?」
「私って今さ、四季家の代表として会議にいったりしているじゃん」
「そうだけど、それがどうかしたの?」
夏樹は汗を拭きながら話の続きを催促した。
「いやー、武鬼もだせなくなっちゃったからさ、代表降りるわ。今日から夏樹が四季家代表な」
「あぁ、そういうことね。了解、了解。…って、えぇ!? 代表!? 私が!?」
驚いた夏樹はお手本のような二度見で千春を見た。
「当たり前だろ。お前以外に誰がいるんだよ。父さんは相変わらずどこにいるのか分からないし、秋穂と美冬利はまだ学生だ」
「いやいやいや、私も学生なんですが」
千春は夏樹に近付き、嫌がる夏樹の肩をガシリと掴んだ。
「大学は人生の夏休みだ。学校ではない」
「それは流石に全国の真面目に大学に通って勉学に励んでいる皆さんに謝ってくれ」
「まぁ、とにかく頼れるのはお前しかいない。二日後の会議には私も同伴するから。
よし、決まりだな。引継ぎとか書類の書き方教えるから私の部屋に行くぞ」
千春はそう言うと文句を言っている夏樹を有無を言わさず引き摺っていった。
「千春姉さんは一度言い出したら自分の主張が通るまで自己を曲げないですからね」
そう言う美冬利の目はどこか遠い目をしていた。
「夏樹姉さん、可哀想だね~ こりゃ、会議まで徹夜だね。それじゃ私達は終わってゆっくりしよっか」
秋穂がそう言ったので皆は部屋を後にしようとした。すると、千春がひょっこりと戻ってきた。
「あー、言い忘れていたけど、明後日の会議は楓も行くから制服用意しとけよ」
千春はそう言うと楓の話を聞かずに自分の部屋へと戻っていった。
「え、えぇ…
あ、あの、会議って何をするんでしょうか?」
楓は困った表情を浮かべて秋穂と美冬利を見た。二人は首を傾げて「さぁ」と声を揃えた。
「まぁ、そんなに身構えることではないと思うよ。姉さん達も付いているんだし、置物感覚でいっちゃえばいいんじゃないかな。
さっ、今度こそゆっくりしよ」
秋穂はそう言うと部屋を後にした。美冬利と楓も後に続いて部屋を出た。




