表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四季さん家の鬼退治  作者: ぞのすけ
62/91

DVD

 DVDの読み込みが終わり、テレビ画面には青い背景に白文字で鬼の倒し方についてと書かれた画面が映し出された。如何にも一昔前の教材でありそうな映像だ。その画面が終わると四十代後半ぐらいの男が映し出された。

『朽網會、会長の朽網です。今回は皆さんに鬼の倒し方について説明していきたいと思っております』

 画面に映し出された人物はそう言って鬼の説明を始めた。楓は一度、美冬利に説明を受けた話だったので画面に映っている人物について尋ねた。

「あの、この人は一体?」

「この人は朽網さんって言って、数多くある鬼退治の業者を取りまとめる会の会長さんだよ。恐ろしく強い人でね、一度キレたらそれはもう手が付けられない人さ」

「そうなんですね」

「ほら、余所見していると俺の活躍を見逃すぞ」

 秀春にそう言われたので楓はテレビに視線を戻した。

『―説明するより実践を見てもらった方が早いと思うので、ここからは四季家の四季秀春君に任そうと思う。

 秀春君、準備はいいかい?』

『えぇ、何時でも行けます』

『では、ここに三体の鬼がいる。下位、中位、上位の鬼だ。鬼の拘束は見鬼原組に協力してもらっている。見鬼原は大丈夫か?』

『正直言って、限界です。中位までなら、なんとかなっても上位となる、と…』

『そうか。それなら、上位から倒すとするか。本当なら、下位から初めていきたいのだが』

『そこら辺は編集で何とかしてくださいよ。じゃあ、まずは上位クラスからですね。

 まぁ、鬼と言っても、弱点は同じではない。それに上位クラスとなると生命を絶つのは容易ではない。まず大事なのは―』

『おい! 秀春! 説明は後にしてくれ! 本当に限界なんだ!』

 秀春が説明をしていると、後ろで鬼を拘束していた見鬼原が叫んだ。すると、それと同時に上位の鬼の拘束は解け、カメラに向かって説明していた無防備な秀春に飛びかかった。しかし、秀春はカメラから視線を外すことなく鬼を受け止めた。

『とまぁ、このように頭を潰すことによって動きが鈍くなる』

 秀春はそう言うと微塵も表情を変えることなく受け止めた手で鬼の頭を潰した。

『下位クラスならば、大抵これで絶命するのだが、中位以上となるとそうもいかない。特に上位となれば回復力も高い。次に有効となるのは足を潰す事。これで機動力は無くなり倒しやすくなる』

 秀春はそう言うと頭を失い、狼狽えている鬼の足を折った。頭が無いのでどういう表情をしているのか分からないが、鬼が苦しんでいるのは映像から伝わってくる。

『こうやって、続けざまに絶え間なく攻撃を与えることで鬼の回復を遅らせることが出来る。そして、本題の倒し方だが、やはり鬼と言っても元は人間。こんな異形な姿になったとしても心臓を潰せば死ぬ。

 では、何故、上位の鬼を倒すのは容易ではないと言ったのかと言うと、鬼の心臓の位置は人間と同じ場所にあるとは限らない。戦いの最中でも、鬼は自分の心臓の位置を操ることが出来る。頭を潰されようが腕や足が捥がれるようが、心臓を止めなければ鬼は死ぬことがない。上位になればなるほど、頭を吹き飛ばされ、意識がなくとも心臓を自在に動かせるのでトドメを刺すのに手こずっているといつの間にか回復され、反撃にあう。だから、迅速かつ正確に鬼の心臓を止める必要がある。まぁ、一気に体をミンチに出来れば、回復される心配はないのだが、そのやり方はスマートじゃないよな。あっ、これは美学の問題だから、ミンチにできる方法がある人はそっちをおススメするよ。

 朽網さん、説明はこれぐらいにして、そろそろトドメ刺していいか?』

 秀春は長い説明を終えると朽網の方を向いた。朽網は呆れ顔をしながら鬼を指差した。

『あちゃー、説明が長すぎて、回復してしまったか。そりゃ、上位の鬼だ。そうでなくちゃ困るよな。

 まぁ、完全に回復したとしても、お前を倒すのに一分とかかんねぇから』

 秀春はそう言って笑みを浮かべた。鬼は興奮気味に息を荒くして襲うタイミングを見計らっている。しかし、ふと何かに気付いたようで視線を自分の胸元に落とした。そこから血が滴り落ちている。

『ほら、お前がちんたらしてるから、もう取ってしまったぞ』

 そういう秀春の手には心臓が握られていた。そして、それを握りつぶした。それと同時に鬼は膝から崩れ落ちて動かなくなった。

 残りの鬼を同じようにして倒し、朽網の話が終わるとDVDは終了した。

「どうだった? 俺、強いっしょ?」

「す、凄いです。あれはどうやったんですか?」

 楓は目を輝かせながら秀春に尋ねた。

「あれはな。武鬼を纏わせる時に、鋭利な刃物の状態にしてあるんだ。後は分かるだろ?

 まぁ、お前もあれまでとは言わないが、頑張って特訓すれば似たようなことが出来るようになるさ」

 秀春はそう言うと楓の肩をポンと叩いた。そして、そのまま部屋を出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ