全盛期
ここは四季家。魅鬼がいなくなったことで鬼の異常発生はなくなり、徐々に平凡な日常に戻りつつあった。しかしながら、鬼そのものがなくなった訳では無く、それなりの日常を送っていた。
今日は七月二十四日。学生は夏休みに入る日だ。千春、夏樹を除き、残りの皆は夏休みに入った。
美冬利と楓が終業式を終え、家に戻ってくると、そこには既に家に帰って来た秋穂と、何故か秀春の姿があった。
「おう! 美冬利と楓も帰って来たか」
「秀春さん、こんにちは。今日はどうしたんですか? 千春さんの話だと海外に行ったと聞いていたんですが」
「もうその仕事は終わったさ。今回の相手は吸血鬼ってやつでさ。なかなか手強かったぜ」
「へぇ! 凄いですね! そう言えば、秀春さんってどれぐらい強いんですか?」
楓はふと疑問に思ったことを口に出した。
「なんだ楓。俺の強さを疑ってんのか?」
「い、いえ、そういうわけじゃ。修行の時、秀春さんの強さを身を持って体験したんですが、あれはもちろん手加減があったわけですし、手加減がない秀春さんはどれぐらい強いのかなって」
「まぁ、そうだな。…説明するのも難しいから見せてやるよ」
秀春はそう言うと立ち上がった。
「え? 今から鬼退治に行くんですか?」
楓がそう言うと秀春は首を横に振った。
「いや、そんな簡単に鬼が出たら困るよ。鬼退治の教材みたいなのがあるんだよ。そのDVDに俺が実戦している映像があるから、それを見せようかと思ってな。もちろん見るだろ?」
有無を言わさない視線が楓に突き刺さる。楓は仕方なく首を縦に振った。
「よろしい。じゃあ、今から映すぞー」
秀春はそう言うとDVDをデッキに入れ再生ボタンを押した。




