帰還
ここは四鬼が根城にしている廃屋。廃屋には風鬼と炎鬼がいた。
風鬼が窓の外の風景を眺めていると扉が開く音がした。風鬼と炎鬼がその音の方へと目をやるとそこには大きな荷物を抱えた氷鬼の姿があった。
「やぁ、久しぶりだね。その荷物どうしたの?」
風鬼はそう言って氷鬼が持ってきた荷物に目をやった。その荷物は縦横が二メートル程ある大きな氷の塊だ。そして、その中には男が入っている。
「これ? これはね、私の始まりよ。鬼になった原因よ。
…ところで、雷鬼は?」
氷鬼はそう言って辺りを見渡した。しかし、雷鬼の姿はどこにもない。
「さぁね。ここのところ姿が見えないよ。だから、とても退屈してたんだ。炎鬼は一言も喋らないし」
風鬼がそう言うと、炎鬼は腕を組んだまま風鬼の方を見た。
「まぁ、どうせ、あのバカのことだから良からぬことでも考えているのでしょ」
「そんなことはどうでもいいよ。氷鬼はその人間食べるの? 大事に保管していたみたいだけど」
「保管? 私は保管なんてしていないわ。警察が証拠として大事に取っていただけ。
そうね、まだ食べないわ。いずれその時が来れば食べようかしら」
「へぇ、とうとう本当の鬼になる日が来るんだね」
風鬼がそう言うと氷鬼は不敵な笑みを浮かべた。
「まぁ、そう言う事ね。楽しみにしておきましょ」
氷鬼はそう言うと氷の塊を別の部屋に移動させ、そのまま部屋から出てくることは無かった。




