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四季さん家の鬼退治  作者: ぞのすけ
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閑話

 ここは千春と夏樹が通っている大学。その構内で千春は外にある椅子に座りながら缶コーヒーを

飲み、考え事をしていた。

 「あら、珍しい。あなたが大学に来ているなんて」

 千春は声を掛けられ、声のする方へと目を向けた。するとそこには鬼比良が立っていた。

 「なんだ詩織か。

 別に珍しいことでもないだろ。学生なんだから大学にくるでしょ」

 「…何かあったの?」

 「何が?」

 「あなたが私の事を詩織って呼ぶときは大抵、何かある時なのよ」

 「…気持ち悪。

 まぁ、何もないって言ったら嘘になるけど、お前に話せる内容じゃないよ」

 千春はそう言うと立ち上がった。

 「ところで、お前、私に話しかけて大丈夫か?」

 「何が?」

 「ほら、色々お家騒動的なもんがあるじゃん」

 「それは、私が鬼兵隊にいる時の話でしょ。

 今の私はただの鬼比良詩織。あなたの中学、高校、大学の同級生の鬼比良詩織よ」

 「…ムカつく」

 「せっかく励ましてあげているのに、その態度の方がムカつくわよ」

 「別に頼んでねぇだろ。

 …なんか腹減ったな。どっか飯でも食いに行くか?」

 「もちろん奢りだよね?」

 「しょーがねぇな。

 そこの喫茶店でいいか?」

 「喫茶店って。カフェでしょ」

 「呼び方なんてどうだっていいよ。

 ほら、行こうぜ」

 二人はそう言うと大学を出てすぐのところにあるカフェへと向かった。

 「いらっしゃいませ。

 何名様ですか?」

 「二人です」

 「かしこまりました。お好きな席へどうぞ」

 ウェイトレスにそう言われ二人は入り口から一番遠い窓側の席に着いた。

 「あー、私はアイスコーヒーで。

 詩織は?」

 「私もアイスコーヒーでいいわ」

 「かしこまりました。

 アイスコーヒーを二つですね。少々お待ちください」

 ウェイトレスはそう言うと頭を下げてカウンターへと向かった。

 「ところで、魅鬼の正体は掴めたのか?」

 「いえ、全然よ。ここら辺での鬼の発生数が爆増していることから、この辺にいるんじゃないかって思っているけど、情報が少なすぎるからどう探していいのかも分からない」

 「まぁ、そうだよなー」

 「そっちの鬼人はどうなの?

 使い物になってる?」

 「うーん、まぁ、そこそこかな。

 一応戦力にはなっているんだけど、まだ優しさを捨て切れていなくて、どうしてもトドメを刺せないんだよね」

 「そりゃ、そうでしょ。中身は違うけど、外見は人と何ら変わりはないのよ。この前まで一般人だった人に人殺しをさせているのと一緒よ」

 「やっぱそうだよなぁ。でも、乗り越えてもらわないとこっちも困るんだよ」

 「そんな困ることある? 貴方達、姉妹で充分すぎる戦力がある上に秀春さんもいるのよ? こっちに一人でもいいから分けて欲しいぐらいだわ」

 「いや、父さんは昨日引退したよ」

 「え!!?」

 鬼比良は驚きのあまり大きな声を出して驚いた。店内にいた客の視線が一斉に鬼比良に集まる。

 「ば、馬鹿! 大きな声を出すなよ!」

 「ご、ごめんなさい。

 ちょ、ちょっと、あなたそれ本当なの?」

 「本当だよ」

 「一体何があったのよ。

 怪我とかじゃないんでしょ?」

 「違うよ。

 まぁ、父さんが言うには四季の長でいると何かと不自由なんだとさ。ほら、うちの父さん海外に行っていたりするだろ? そういうのもあるから、責任を私たちに押し付けたいらしい」

 「へぇ、じゃあ、会議の時は代表代理じゃなくて本当に代表になるわけだ」

 「そうなんだよ。面倒くさいったらありゃしないさ。私も自由に動きたいから夏樹に押し付けようかなー」

 「可哀想だからやめなさい」

 鬼比良がそう言うと頼んだアイスコーヒーが運ばれて来た。

 「話は変わるけど、剛鬼はどうなった?」

 「進展無しよ。被害者の数は止まることを知らないけどね。

 もしかしたら、そのうち四鬼のように特級になるのも時間の問題かも」

 「特級になったら、お前らの手に負えるのか?」

 「あら、馬鹿にしないでもらえる? こう見ても私自身も強いのよ?」

 「分かってるよ。

 ていうか、こんなに話すのはいつ以来だっけ?」

 「そうね、あの人が死んだとき以来かしら」

 「あぁ、野球部の。

 お前、あいつのこと好きだったもんな」

 「ば、馬鹿言わないで! 違うから。

 好きなのはあんただったでしょ」

 「さぁ、どうだったかな」

 それから二人は二時間ほど話し、カフェを後にした。

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