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四季さん家の鬼退治  作者: ぞのすけ
30/91

会議 前

 四鬼との戦いから一週間が経過し、四季家には元の日常が戻りつつあった。

 いつも通りの朝食を終えて、各々学校へ行く準備を進めている。

 「おーい、私はもう出るから、戸締りはちゃんとしてから出ろよ」

 いつもなら最後に家を出る千春が珍しく一番先に家を出ようとしている。それに、どこか余所行きのような格好だ。

 「あれ、千春姉さんが会議に出るなんて珍しいね」

 秋穂そう言ってスマホを取り出し千春の写真を撮ろうとしている。

 「お、おい! 写真を撮るな! あんまりこの格好は好きじゃないんだ!」

 「知ってる。弱みを握ろうかと思って」

 「そんなことしたら二度とスマホに触れたいと思えなくしてやるからな。

 っと、こんなことしている場合じゃない。それじゃ、行ってくる」

 千春はそう言うと慌てた様子で家を飛び出していった。

 「秋穂さん、会議って何ですか?」

 楓が秋穂に尋ねると少し考えるような素振りを見せた。

 「うーん、鬼退治の各代表者たちが集まって近況報告とかする場所かな?

 まぁ、私も行ったことないからイマイチ分からないんだけどね。

 それじゃ、私も行くから楓君も気を付けてね~」

 秋穂はそう言って手をひらひらと振りながら家を出た。

 「四郎園さん、準備終わりましたか? 私たちもそろそろ出ますよ」

 「えっ、あ、うん。準備は終わってるよ」

 「そうですか。それでは出発しましょう。

 夏樹姉さん、私たちは出ますから戸締りお願いしますね」

 美冬利がそう言うと夏樹はテレビから視線を逸らすことなく手をあげて応えた。それを見た美冬利は楓の元へ向かった。


―――

――


 千春は家を出てから電車やタクシーを乗り継ぎして、家から一時間程の場所にある建物に着いた。建物に入り、ガードマンに入館証を見せてから先にあるエレベーターに乗り込んだ。最上階へと向かうボタンを押し、扉が閉まるとエレベーターは上へと動き出した。

 最上階に到着し、エレベーターを降りた千春は迷うことなく通路を進みだした。少し歩いた千春は、ある扉の前で足を止めた。その扉を開き中に入った。中はそれなりに広く、長机がコの字に置かれており、片方ずつに十個ほど椅子が並べられている。既に何人か着席しており空席の方が少なかった。

 千春は席に着く前に一番奥に座っている威厳のある老人のところへ向かった。

 「会長、お久しぶりです」

 千春がそう言うと会長と呼ばれたお爺さんは優しい笑顔を見せて千春に話しかけた。

 「おぉ、千春君か。久しぶりじゃないか。

 元気にしていたかい?」

 「えぇ、お陰様で」

 「そうかい、そうかい。それは良かった。

 ところで、君のところにいる鬼人は大丈夫かい?」

 「大丈夫、というのはどういうことでしょうか?

 鬼人については随時、報告書を上げていると思いますが」

 千春がそう言うと会長は声を上げて笑った。

 「はっはっはっは、そうか、そうか。いやー、報告書は若い者に任せてあるから大した情報は私の耳にあまり入っていなくてね」

 「そうですか、それならこの会議でお話出来ると思いますよ。

 それでは私は席に戻りますね」

 千春がそう言うと会長は頷いた。千春は会長の元を後にして、自分の名前が書いてあるプレートがある席に着いた。会長から二席ほど離れた場所だった。

 千春は席に着いて一息つくと前方から視線を感じる。その視線の先に目をやると、体格のいい男二人を取り巻きに付けた女がこちらをじっと見ていた。

 「何? 私の顔に何か付いてる?」

 千春がそう問いかけると女は何か含みのあるような笑みを見せて「いいえ、何もついてませんよ」と答えた。

 千春はその女のことを気に留めることはなく、壁にかけてある時計に目をやった。時刻は午前八時四十分に差し掛かるといったところだった。

 部屋は既に満席に近い状態になっている。皆、会議の時間になるまで席が近くの者と談笑したいりしているが、千春は誰からも話しかけられることは無かった。

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