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2.D・D・T

 ■氏名しめい夢野ゆめの 旧作きゅうさく

 ■性別:男   ■年齢:35歳

 ■身長:175cm ■体重:85.5kg

 □LV:1

 □HP:15 □MP:0

 □力 :6

 □知恵:5

 □魔力:0

 □体力:7

 □速さ:3

 □運 :5



 …。

 …いやいや、マジでゲームかっての…。


 つーか力とか体力ってのは理解できるけど、知恵とか運とか、トレーニング関係無ぇじゃん。

 …仕舞いには魔力って…。

 ゲーム的な表現を徹底してんだなぁ…。


 このアプリ…『DDT』って言ったっけ?

 …大丈夫なのかコレ…。



『こんにちわ、夢野さん。トレーニングメニューを選んでください。』


≪トレーニングメニュー LV.1≫

 ■クソ雑魚スライム野郎コース

 初心者の方におすすめするコースです。

 ・腹筋10回×3セット

 ・腕立て伏せ10回×3セット

 ・スクワット20回×2セット

 (効果:体重-・力+・体力+)



 …コース名自重しろコラっ!!


 …これ本当に大丈夫なのか…?

 なんか不安だなぁ…。


 …まぁ、インストールしたからには、ちょっと位は試してみるけどよ…。




『「クソ雑魚スライム野郎コース」が選択されました。所定の位置に端末を配置してください。』


 所定の位置って…。

 あ、ドット絵の俺の腹部が点滅してる。

 …腹の上にスマホを置けってコトか?

 …寝転がらねぇと置けねえじゃん…。



『配置を確認しました…On your mark(位置について)…』


(ドンガッチッカ♪ドンガッチッカ♪)


 …なんかノリノリな音楽がっ!

 ふっ…腹筋がくすぐってぇっ!!



『…Get set!(用意!)Go!!』



 …。

(ドンガッチッカ♪ドンガッチッカ♪)



 ……。

(ドンガッチッカ♪ドンガッチッカ♪)



 ………。

(ドンガッチッカ♪ドンガッチッカ♪)



 …あ、これ腹筋しろってコトなのか?

(ドンガッチッカ♪ドンガッチッカ♪)


 よっ…っと。

『Fantastic!(素晴らしい!)』


「アホかっ!!恥ずかしいわっ!!」


 …流石に馬鹿にしすぎだろコレ。

 家に一人とはいえ俺にも羞恥心ってモンがあるんだっつーの。


 まったく…。


 …。


 …。


 …さっきのって、俺が腹筋したのに反応してたんだよな…。


 …考えると、ちょっと面白いな。

 何?スマホのジャイロセンサーか何かと連動してんのか?


 …。



 ほっ!

『Good(良いね)』


 なっ…!「Fantastic!」じゃ無いっ!?

 生意気にも評価機能付きだと…!?



『前の方が上手かったね。』


 …。


 …上等だ…。

 お前の挑発、ノってやるよ…!




 へ_\○ へ_\○ へ_\○ へ_\○ へ_\○ へ_\○




「…ふんっ!!」

『Amazing!!(凄い!!)』


「ふんっ!!」

『Wonderful!!(素敵っ!!)』


「ふんふんっ!!」

『Marvelous!!(信じられないっ!!)…さあ最後はいつもの!!』


「『Muscles do not betray(筋肉は裏切らない)…!!』」(ビシッ!!)



 フォーッ!!

 やってやったぜイヤーッ!!


 USA!!USA!!



 …。



 …まんまとフルセットやっちまったぜ…。

 …何だよ最後の「筋肉は裏切らない…!!」っての…。

 調子に乗って決めポーズまでキメちまったじゃねーか…。


 …。


 …結構、楽しかったな。


 …うん、そうな。


 最初は馬鹿にしてたけど、一人でトレーニングしようってんだから

 これぐらいのノリの方が良いのかもな。



『Mission complete!(任務完了!)「クソ雑魚スライム野郎コース」を達成しました。』



 ■氏名:夢野 旧作

 ■性別:男   ■年齢:35歳

 ■身長:175cm ■体重:85.0kg(-500g!!)

 □LV:1

 □HP:15 □MP:0

 □力 :7(+1!!)

 □知恵:5

 □魔力:0

 □体力:8(+1!!)

 □速さ:3

 □運 :5



 おっ、何か出た。

 …マイナス500gぅ?本当かよぉ?

 …いや、本当なら嬉しいけどさ。


 …なんか色々ステータスが上がってるのな。

 …レベルは上がらないのか?

 いや、まあ良いんだけど…。


 …ああ、なるほど。

 トレーニングを重ねていくと、このアプリ内のステータスがどんどん強化されていくのな。

 …。



 …地味に面白いな、コレ。


 俺がリアルでトレーニングした分だけ、アプリ内の俺が強くなるって事だもんな。

 トレーニングアプリに育成ゲームの要素を足したってコトか。



 …ステータスの上限は、どのくらいなんだろうな?


 …フッ、なんだか冷めきっていたゲーマーの血に、火がついてきたぜ…!!



 コレ、ステータス強化していったら何かあるのかな?

 対戦バトルの要素とか、ダンジョン探索RPGとかと連携させたらスゲー面白そうなんだけどなぁ。


 …久々に運動なんかしたから、ちょっと疲れたな。

 …汗もかいたし、今日はもうシャワー浴びて寝るか。


 タオルと下着っ…と。











『…お疲れ様です、夢野さん。来るべき日に備えて、明日もトレーニング頑張りましょう。』

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