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 いつまでもおっさん共の死体に囲まれてつっ立っている訳にはいかない。うっかり情報提供者を皆殺しにしてしまったがまぁ別にいいだろう。大事なのは俺が今生きていることだ。生きていればうまい物も食えるし、女も抱けるし、やりたいことは何でもできる。死んだら出来ない。


 それが大事。

 

 情報は時に何物にも勝る武器となるが今は優先度で言えばそんなに高くない。


 例えば人生で全てがどうでも良くなって身一つで知らない土地にやって来た時に思い出してほしい。その時まず何をすればいいかというと衣食住の確保だ。特に俺のお勧めのやり方が現地の自分に背丈が似ている奴を見つけて殺してそいつの全部を貰うという方法だ。


その方法を今回も実践しようと思います。


 今は俺のせいでほんのちょーっとだけ頭と体が離れてしまっている山賊さん達。

 

 こいつらも生きていた頃はどこかで生きて飯を食って寝てたまにセックスしたりもしくはしょっちゅうオナニーしていたはずだ。きっと毎日シコっていたはずだ。

 

しかしこんな汚い輩が堂々と町に住んでいるとは考えにくい。生きてても死んでても臭いという最悪物体だ山賊さん。


そう考えるとここからそう遠くない所にアジトがあるはずだ。そこには食い物や寝床が間違いなくある。



 山賊なんて人にはあまり自慢できないことをやっていたくらいだからアジトは人に簡単に見つからない所にあるだろう。だがそれはアジトがあると知らない場合でアジトが何処かにあると分かっている場合は探すのは簡単だ。


 そうして俺は山賊のアジトを目指して歩き出した。







 山賊は9人いた。こんな山の中で9人で行動すれば必ず足跡や痕跡で道が出来る。それを辿るだけだから小学生でも出来るぜマジで、今度やってみるといいよ。


 山賊たちのアジトは洞窟だった。ぱっと見ただけじゃそこで誰かが生活しているようには見えないが入り口に沢山の出入りした足跡があり、あの洞窟がアジトというのは間違いがない。

 いつもの俺のパターンならあんな洞窟は入り口で派手にキャンプファイアーをして煙攻めからの勢い余って全部燃やし尽くしていた。留守番の山賊もいるかもしれないし襲撃に行く時は罠を残しているかも知れないがこのやり方なら安全だ。


 空気が流れ込みにくい洞窟の中を燃やすのはそれなりにテクニックがいるが成功すれば中にいる奴も罠も全部始末できるし洞窟に住んでいるような手合いは全員大切な物を厳重に保管しているから金目の物は大体燃え残る。しかも、食い物が良い感じのホクホク状態で残ることも多いから気に入っているやり方だ。

 まぁおかげで乾燥した日は特に理由もなく火を点けて回ることにはまっていた時期がある。

火を点けながら消防車って何台まで集まって来るんだろう? と気になってどんどんやって来る消防車と競うように火を点けて回ったものだ。

 上手くやるコツは警察や消防のキャパシティを超えた火を起こす事と火を点けた場所には絶対に戻らないことだ。素人は自分がおこした火事を見たがるからねそこは注意。


 昔を思い出してうずうずと火を点けたい衝動が沸き上がったが残念ながら今は火種も燃料もない。少し考えた結果俺は普通に洞窟に入ることにした。まぁさっき皆殺しにした9人よりも多い人数は残っていないだろうし殺す時に使った剣もまだ持っているし何とかなる……はず。






「え? あの……あなた誰ですか?」


うわ、びっくりした。もう少しで殺してしまう所だった。



 洞窟の中は思ったよりも広かった。少し奥に入ると一気に山賊たちの生活感が溢れていた。というか臭かった。

 椅子ばかりが適当におかれ食い残しかは知らないが形容しがたい謎の物体がそこら中に散らばっていた。


 この時点で俺はここを自分の拠点にすることをすっぱり諦めた。流石にこの汚さは掃除をしてどうにかなる次元ではないだろう。ここを拠点にまずはあいつらみたいに山賊して生活の充実を図ろうと思っていたが別の道を探るしかないようだ。


結構得意なんだけどな~山賊


 拠点として使うのは断念したが山賊たちが貯め込んだ金目の物が何処かにあるはずだ。それを見つけて最初の道をさらに進もう。山賊がここにいたという事はここは人里から離れた場所だろうが山賊の獲物が来るという意味ではあの道は何処か大きい街に繋がっているはずだ。

 

 そんなことを考えながら歩いていると人の気配を感じた。雰囲気からするとこちらには気付いていないらしい。しかも奥の部屋に一人だけでいるようだ。

 

 よし、ちょっと挨拶しよう。と踏み込んだ先に女がいた。


そう! 女だ!


「え? もしかして助けに来てくれたんですか!」


「はい、安心して下さい。もう大丈夫ですよ。山賊たちは全員死にました。僕は山賊が誰かを捕まえているのを聞いて助けに来ました」


もちろん一言一句全て嘘だ。


 山賊からは何か聞き出そうと思う前に殺してしまったし、あれで全員だったかはわからない。そして俺の周り半径1Kmに安心や大丈夫なんて言葉は存在しない。もしこれが山賊の留守番だったら5秒前に殺しているし、ここがいつもの現代とかだったら3秒前にはもう女を組み伏せて襲っている。


 それなのに何故俺が紳士的な態度に出たのかというと、なんとなくだがこのアジトに来てここは俺がいた日本ではないし、そして山賊のいるような治安が悪く、しかもあまり文化が発展していないだろう場所だとわかったからだ。


 そのような場所で俺が一番恐れるのが病気だ(特に性病)。


 女は俺でも見た事ないくらい美人で半端が無い顔の整い方をしていた。しかし、身なりはとても清潔とは言い難かった。本来は美しいだろう金髪の長い髪もぼさぼさで艶は全くなく、身にまとっている服も服というより布の残骸だ。


 それが何を意味するかというと女は間違いなく山賊たちの肉便器としてここに捕らえられているということだ。

 別に山賊達と穴兄妹になるのが嫌という訳ではないがここで女を襲って病気でも移されたら非常に困る。

 いつの時代でも性病というのは罹ると厄介なものが多いのだ。命の危険性も少なからずある。満足な治療どころかちゃんとした医療が存在するかさえ怪しい状況で冒険は出来なかった。

 だから俺は嘘を吐いて肉便器ちゃんを安心させ真に不本意ながらレイプしたりせずに先程は出来なかった情報収集を行うことにした。


「ありがとうございます。ありがとうございます! ああ、本当に良かった」


 お礼を言い続ける便器ちゃんは足に枷をはめられ長い鎖で繋がれていた。


 俺は持っていた剣で鎖を断ち切り便器ちゃんを助けた。


「さぁこれで大丈夫だ。ところで聞いてもいいかな?」


「ああ本当にありがとうございます。私の名前はネメアと言います。シガンの里のエルフ、ネメアです。どうかあなたの名前を教えて下さい」


「僕の名前は……ブレイだ。すまない聞きたいのは名前じゃないんだ」


 驚いた。なんか耳長いなーと思っていたら便器ちゃん……じゃなくてネメアはエルフらしい。


 え? そっち系? ゲームとかファンタジーの奴系? 


 俺はそこで本来聞きたかった質問をした。


「ここは一体どこかな?」


「え?」


 意外だったのか俺の質問を聞いてネメアは首をかしげて固まってしまい。


 俺はその可愛いしぐさをみて、ブチ犯したいな~と思った。


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