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どうやら異世界から来たようです  作者: るろうず
第一章 プロローグ
17/28

計異 The story of sister


今朝、ねすごしてしまいました。


ご飯作るのも、してなくて、ドタバタして行きました。

………学校には来れました。けど、理由を聞かれるたびにはずかしかったです。はぁ。

今後の朝食ははフェリおじさんが作ってくれます。してくれますが、不安なのでわたしも早起きします。






昨日は、あれからずっとお話ししてました。


前に、どうやって、あらむでゅあってとこに行くのか聞きました。

にぃにの話では、ここでは5年たっていて、あっちでは1年しかたってないみたいです。

「1年間って、何ヶ月あったの?」

「…………10ヶ月だが?」

やっぱり、ちがう。


「その1ヶ月間は、何日だった?」

「20日だろう」


フェリおじさんには、それが当たり前みたいです。

アレ。30日たって1ヶ月って、前のお話しで言ってたよね?……あ、にぃにが言ってたからそうかと思ってたらしいです。

カレンダーはわたしの部屋にはってたから、気がつかなかったのかなぁ。

フェリおじさん、どん感さんだ。異世界なんだから、日数だってちがうでしょ?


年間日数が、ここ地球は、365日です。あらむでゅあでは、200日だけみたいです。

わたしたちは、5年間。つまり、1825日ママたちの帰りを待ちました。

フェリおじさんは、ママと会って1年。200日です。

9あまり25倍、地球は時間が速いってことになります。…………あらむでゅあ、おそいです。


つまり1ヶ月たった今でも、あらむでゅあではそこまで時間が進んでないってことです。ソレって、ヤバいじゃないですか!


「フェリおじさん!どうにかして、あっちに連絡できないの?!」


「いや………私には不可能なんだ」


「なんで!?」


なんか、かくしてます!

フェリおじさんをジッと見つめます。答えるまで、プンプンして待ってます。


「…………魔力が……」


「魔力が?」


「____……魔力が、段々と減っているのだ。気付いたのもつい最近で……体内での生成も出来ていない。元々私は魔法に疎い方だし、使える量が限られてる。恐らく、今では戦闘もままならない。いつ、無くなるのか分からない状態なのだ。あの通路を通しての伝達なんて、雲をつかむような話なんだ」


「___………」


そんな。

にぃにを、むかえに行けない?

また、なん日も待たなくちゃいけないの?


「お母さんは、研究してた?」


「……ああ、そうだ」


「計画って作ってた?」


「____………作ってたな、いつも。どんな事でも、必ず作っていた」


「その研究で、通路をつくり上げるのは、いつの予定だったの?」


「6ヶ月だ」


「予定より早かった?おそかった?」


「早かった。とても」


「どのくらい?」


「2ヶ月だ」


3分の1。


にぃにに、教えてもらった分数で、計算します。分からなくてこまったとき、にぃには教えてくれました。中学校のころの教科書ももらって、にぃに、いそがしいのに教えてくれました。


………___にぃにのおかげで、わたし、できることがふえたんだよ。



あらむでゅあが1ヶ月たつのに、ここでは約274日かかる。すでに1ヶ月ちょっと過ぎてるので、あとだいたい240日。

半年以上も。


フェリおじさんの話で、1番早く通路をつくってくれるかもしれない時間は?

もしも、お母さんの『1ヶ月』が、地球と同じ時間のことを言っていたのなら。

早くてだいたい140日ほど。これでも、4ヶ月以上。

あらむでゅあでの時間のことを言ってたなら。

約65日。2ヶ月以上。


今のこの時点で。

予定では240日、早くて26日ほど。なにかの予定でおそくなれば、1年以上待たなくちゃいけない。


予定通りに、通路ができるなら?

お金が、足りない。

1番通路ができるかもしれない所は、フェリおじさんが出てきた、ここアパート。

ちゃんと、守らなきゃ。


にぃに。

にぃにも、こんなふうにあせってた? いつも、こんな不安をもってたの?









フェリおじさんとお家に帰って、料理をしながらオッチャンさんをまってます。


あ、ウワサをすればです。


「……こんばんわ」


「こんばんは。嬢ちゃん、ほれジュースと菓子だ」


「ありがとうございます……!」


やった、ジュースだぁ!いつも水か麦茶か牛乳なのに!


シワのある、名前通りのオッチャンって感じの人です。


おかしの入ったふくろをもらって、テーブルのほうに連れていきます。


「しっつれいしまー…………あ?」


やさしそうだったオッチャンさんの声が、こわくなりました。

台所にいた、フェリおじさんを見たからです。


「……おい、なぁんでテメェいんだ? あ?」


フェリおじさん、だまってます。


「おい、聞いてんのか? なんで!アイツを行かせた原因であるお前が!ここにいんだって訊いてんだよ!」


「待って!オッチャンさん、声大きいよっ」


「あぁ………ワリぃワリい。いけねぇな、急に怒鳴ってスマンな嬢ちゃん」


服をつかんでストップさせます。


「フェリおじさんは、にぃにを助けようとがんばったんだよ。おこっちゃダメだよ」


それから、なんかカンちがいしてたので、ちゃんと言いました。


「……だがなぁ………」


厶っ!


「わぁったよ……」


わかってくれました。よかったです!


「……やっぱ兄妹だなぁ…………」


?…………なんか、言いました?


「まぁ向こうに詳しい奴が居るんだし、上々か……」





テーブルについて、お話し、しました。



まず昨日の話をフェリおじさんから聞いて、それから、時間のちがいについてなども話しました。


「へぇ~、感心カンシン。嬢ちゃん頭良いなぁ。数学はサッパリじゃわ」


生え始めの、アゴのヒゲをさわりながら、オッチャンさんは言ってくれました。

…………合ってるかどうか、分かんないよ?


「なァ、えー……ティエィル? お前、その魔力ってどうやって感知してんだ?」


「………気配、だろうか?」


「うぉう、なんか異世界っポイ。アァ〜、ここでは魔力が生成できないってゆー設定さえなきゃなぁ!一度は拝みてぇよ!……魔法ってさ、やっぱ呪文とか唱えるの?」


「そうだな…………アットァルみたいなファリミアに助力して魔法を起こす時には、よく使用されているな」


??

知らない言葉です。

絵を描いてもらいましたが、…………ダメです。人なのかどうかが分かりません。なんですかこのモジャモジャは?



ハッ!話がなんかズレてる気がします!!


「そんなコトより!オッチャンさん!」


「………? オッチャンさん?」


「はい!オッチャンさん、どうかはたらかせてください!」


そう言って、わたしは頭を下げます。

そうです!お金!この問題をなんとかしなくちゃ!


「…………こっちは商売でやってんだ、嬢ちゃんみたいな子供は__、」

「おねがいします!」


「…………貸しても良いんだぜ? アイツが戻ってくりゃ後からでも、ゆっくり返済できるだろ」

「それは、ダメです」


「だがな………」

「にぃに、帰ってきたくなくなっちゃう!………ぜったい、にぃにが払わなきゃってなる!………いっぱいいっぱい、はたらいてるのに……またにぃにを追いつめて………____だから、今のうちにがんばらなくちゃ…………ちゃんと、にぃにを苦ろうさせないように、わたし、一生けん命します!こんなこと言って、ゴメンなさいだけど、はたらかせてください!……おねがい、します……!」


「____………あのなぁ。そんなコトで、アイツが帰って来たくなくなるわけねぇだろ?」


涙が、……ガマンしたのに。でちゃいました。


たしかに、にぃには、そんな人じゃないです。

この人は、にぃにをちゃんと知ってます。…………でも、不安なんです。見放されたくないんです。こわい、のです。



「…………嬢ちゃん、確かにアイツは頑張ってるよ。あんな苦労してる高校生なんて、最近じゃなかなか見れねぇ。そりゃァ誰の為かは嬢ちゃんが一番わかってるだろ? けど。……けどさ、そんなビクビクしたってぇ、お前、いつまでたってもアイツ頼りだぜ?」


じゃあ、どうすればいいの?!


「………いいか、嬢ちゃん。気遣いは大事だ、嬢ちゃんのその心意気はすげぇよ。だから、ウチで働かせようって思えたよ。だがな、アイツが帰る帰らないの問題じゃなくて、嬢ちゃんがどうしたいか。俺は、それが知りてぇなあ」


「_____……」


わたしは、なにがしたいんだろう?


にぃに。


いつも、にぃにの言うとおりにした。だって、あんな苦しそうにして。

わたしのために。


にぃに、夢あったのに捨てちゃって。

わたしのために。


だから、勉強がんばった。がんばれば、授業料が軽くなるって聞いた。

エライって言われて、うれしかった。


___……ああ。




「にぃにを、おどろかせたい。わたしが、はたらけるようになったって。ちゃんと、お家守れたって。こういうこと できたんだよって、じまんして、エライって言われたい」


家事を手伝おうとしたら、『いいよ』って言われてきた。

『友達と遊びにいっておいで』って。『宿題あるでしょ』って。

フェリおじさんが来てからは、付きそう感じでできた。ひさしぶりだった。

必要になったときしか、わたしになにも言ってくれない。聞こうと思っても、いそがしそうで___…………。

わたしだけ、友だちとあそべるワケないよ。レシピとか、勉強とか本読んで、ずっと図書館で勉強してるよ。宿題も早く終わらせて、やること早く終わらせて。夜に待ってる間、そうじとか、おふろにお湯ためたりとか。できること、さがして。


ねぇ、にぃに。


「 …………にぃにに、わたしのことばっかり、考えなくていいよって……にぃにも、したい、こと………いっぱい"あるだろぉから………ッ……___わたしに、もう少し、相だんしてほしい…………助け合って、いきたい。それができるよって。わたし、できるようになったよって……ちゃんと、伝えたい」


今は、もうそばにはいないけれど。




「……イイんじゃねぇの。言っとくけど、俺ぁキビシイかんな?」


ふふ、やさしいのまちがいでしょ?

こんな、世話かけてもらって。…………ありがとう、オッチャンさん。


「おいティエィル!お前も働かせるからな!覚悟しとけよ!」


「!!…………分かった…!」




にぃに、待ってて。



わたし、もっと、がんばるからね。





ご精読 ありがとうございます。

感謝で胸がいっぱいです。


サブタイトル 変更しました。

誤字脱字等で変更をよくしておりますが、ご了承ください。

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