表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうやら異世界から来たようです  作者: るろうず
第一章 プロローグ
16/28

悲異 The story of sister

さっき、にぃにから電話がありました。

フェリおじさんに代わったら、バルコニーのすみにおかれていた戦とう服を着て、剣を持ってそのまま下に飛びおりちゃいました。


さっきのにぃにの声。なにか急いでる感じでした。


…………なんでフェリおじさん、剣持って行ったの?

にぃに、もしかして。また、変な人に絡まれたの?







コンコンと、玄関の扉がノックされました。


「…………すまない…………」


開けてみると、全身ずぶぬれで、フェリおじさんが帰ってきました。

とりあえず、中に入れます。

玄関につっ立ったままのフェリおじさんに、タオルをわたしました。


「……ねぇ、にぃには?」


気になって聞いてみると、フェリおじさんが、土下座をしました。


「すまない!……すまない……ッ!!」


手を合わせて、フェリおじさんはあやまります。


にぃにが、連れ去られたみたいです。


「え?」







にぃにが、居なくなりました。


悲しいです。ものすごく。


泣きたかったけど、ガマンします。

フェリおじさんを、ふろに入れました。川に落ちたそうです。



にぃにに電話してみました。…………出ません。もう一度電話してみました。…………やっぱりダメです。


にぃにはちゃんと、こういう事があると予想していました。

こういうときは、どうするんだって、ちゃんと教えてくれました。

あわてないって、次のこと考えるんだって、言ってました。

「…ぅえぐ…っ………」


…………だから、考えなきゃ。泣いちゃダメ。絶対に泣かないって、わたし決めてるんだもん………。








[腹がへったら飯を食うべし。ちゃんと量も考えること]




「フェリおじさん、お腹へった?」


「………ぁ、いや…」


まだフェリおじさんは暗い顔してます。


「わたしお腹へった。いっしょにご飯、作って食べよ!」


フェリおじさんはうなずいてくれました。


ご飯はあります。ふりかけかけて、いただきしました。

豆ふが期限そろそろです!冷やっこにしました。

キャベツがあります!サラダにしました。

たまごがあったので、スクランブルエッグを作りました!マヨネーズがかくし味です!


二人で、食べました。

ちょっと豆ふ多すぎたかな………。サラダ、ちょっとしおれてて食感がヘンです。スクランブルエッグは、コゲてたけど、おいしかったです。……けど、なんか味がいつもよりうすく感じました。

もっと、うまくならなきゃ。



[情報を集めるべし。わすれないようにメモすること。まずは自分のことから]


わたしは会沢理乃です。今年で10才になります。

わたしはお家にいます。

目の前には、フェリおじさんがいます。

くわしく話を聞いてみました。

魔物があらわれたみたいです。

ギィシャといいます。…………えっと、あらむでゅあと異世界を行き来するらしいです。

いつもは、おとなしいみたいですが、今日は違ったみたいです。そのギィシャちゃんが、にぃにを連れ去っちゃったって。ひどいです。

毒を、ギィシャちゃんにもったらしいです。だから、にげて生きてるはずだと、フェリおじさんは言ってました。

通路を行き来するのがめずらしいだけで、それ以外の魔法とかは、今までの戦いを思い出して見たところ使えないと、フェリおじさんは言ってました。


………にぃに、しぶといので、フェリおじさんを信じます。

メモメモ…………。


「なんだ?その本は」


「“もしものしおり”だよ」


フェリおじさん、首をななめにしました。

…………ホントは、フェリおじさんを怪しんで作ったしおりらしいです。これは、言わないほうがいいかも。


[もしも、お兄ちゃんの方が居なくなったら。まず、信じれる人に相談しましょう]


にぃに、フェリおじさんでもいいよね?


[お金の問題があります。お兄ちゃんの机の引き出しに、通帳があります。足りなくなったらゆう便局の機械を使っておろしましょう。見たことあるからだいじょうぶだよね?]


うん。

ちゃんと、見せてもらいました。


通帳の入ったポーチをテーブルにおきます。判子とメモ帳もありました。

わたしのお小づかいと、合わあせて70万8千4百6円。大っきいんだろうけど、どのぐらいすごいのか想像がつきません。

あ、しおりの最後らへんのページに、必要な支払いの方法と連絡先があります。事細かに書いてくれてます。


メモ帳には、なんでお金をおろしたのかが書いてます。

今月分の家ちんは払ったらしいです。電気と水道にガスは…………自動らしいですねっ。しおりに書いてます。よかった、見たことないので不安でした。


あ、1ヶ月前のに[柵の修理代]って書いてます。フェリおじさんがこわしたのですね。字が他のとくらべて、あらあらしてます。…………にぃに、すごくまいってたんですね。ふふ、そのときの顔が分かる気がします。


_____。

…………にぃに、会いたい。

ちゃんと、生きてるよね? フェリおじさんが言ってたもん。

お父さんみたいに、かってにいっちゃヤダよ?








[衣・食・住を確保できたら。次は自分ができることを、考えましょう。家事、勉強、なんでもいいです。参考は次ページへ]



わたしが、できること。

料理をもっとうまくなること。明日、学校に行って勉強すること。フェリおじさんを元気にさせること。


あ、連絡。

にぃに休むって学校に言わなきゃ。アルバイトの方にも。あ、ちゃんと理由とかどうするんだって書いてる。え、異世界に行ったって言っちゃいけないの?きん急事たいだよ?

…………ダメ、だって。



澄川兄ちゃんに電話して、明日のアルバイトを代わってもらいました。早朝にあるみたいです。ごめんなさい、おねがいします。


[オッチャン]?ってとこにも電話しました。しおりの通りに、しばらく休みますって、言いました。

《…………分かった……。嬢ちゃん、俺のこと覚えてっか?》

そう言われました。

えーと。…………あ![倒れた時に助けた人ダヨー]ってちっちゃく書いてる!それ先に書いてよ!というか言ってよっ。

《…………もももちろん!》


《………アイツいってねぇな…?》


おこってる?おこってる!?

《ごめんなさぃ…………》

《……? あぁ、今のはひとりごとよ!大した意味ねぇ!》


こわいひとりごとだったよ?


《あー……、それより、嬢ちゃん。アイツからは話聞いてるよ。アイツが電話しねぇって事は、その……行っちまったんだな?》


ぇ、にぃに、言うなって書いてるのに言っちゃったの?


《もしもの時は頼むって言われてる。……だから何だ、気軽に相談してくれ。出来ることは何でもするつもりだ。えーと……、嬢ちゃん、直接会って話しできるか?あ、家は知ってるぜ》


フェリおじさんも居るし…………だいじょうぶだよね?

「うん」


《よし。んじゃ明日の夕方にそっち行くから、よろしくな》


「うん、よろしくおねがいします」


電話を切って、ふーってしました。


…………なんか、つかれました。こわい人じゃなければいいけどなぁ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ