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kimi  作者: LEIN
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9

馨 あぁ、今日会ってみたよ。


kimi お茶でもしたの?


馨 僕がお茶だけするわけないでしょう。。。


kimi エッチしたの!?


馨 した。


なんともなさげに、いとも正直に答える馨に驚く。


動揺を抑えながら、努めて軽く返信する。




kimi 簡単に言うわね(笑)。


kimi 私っていうこんなイイおんながいるのに馨って人は。


馨 だってkimiは僕のものにはならないじゃん。


kimi まぁね?(笑)


kimi 私に期待してたの?


馨 バカか!(笑)。


kimi で、いきなり?


馨 いや、無理矢理っていうのは好きじゃないな。


kimi いっつも無理矢理襲ってるくせに。


馨 まったく人聞きが悪いな〜(笑)。


馨 僕は見込みがない事には入れ込まない性質なの。だってエネルギーの無駄でしょ?


kimi 私は馨の「使い捨てカイロ」にはなりたくないわね。


馨 あのねぇ。。。


馨 僕はいつだって真剣なんだよ?


kimi わかっているわよ


kimi で、今日のデートの首尾を教えなさいよ。


馨 あぁ、今日はね、朝の10時から待ち合わせたんだ。JRの駅でね。


kimi リポビタンDは?


馨 リポビタンDね。はいはい。


馨 飲みたかった。でもkimiがうるさいからジュース飲んで待ってた。で、さとみさんが現れた、と。


kimi 「さとみさん」…ね(笑)


kimi それで?


馨 「では…参りましょうか」ってな感じで、そのまま歩いてホテルに直行。


kimi 朝っぱらからセックスね。


馨 「セックス」って言うなぁ〜。


kimi どうして?「セックス」は「セックス」じゃない。他に言い方があって?


馨 いや、そうなんだけれど…。


馨 そういう事を堂々と言えるようになったらオバサンだぞ〜。


kimi そういえば若い頃は言わなかったわね。まぁいいじゃないの。


kimi さぁ、話しを本筋に戻してね。


馨 平日の真昼間だから、可愛い所に入れたの。ところがびっくり、フロントにお兄さんがいるわけ。


kimi あら。


馨 古びた所だったら、「恨めしや〜」みたいなオババが出てきて「いらっしゃ〜い。いっひっひ」ってな事もあるけれど、若いお兄ちゃんだから恥ずかしくてさ。


kimi 私はホテルでは女の子同士の経験はないの。


kimi ねぇ、断られたりはしないの?


馨 地方の子ならあるみたいだけれど、僕は一度も断られた事はないよ。


馨 都市部は寛大なのかなぁ。


kimi 馨クンが男の子にしか見えなかったとか。


馨 そうでもないよ。勘違いされても、近くによれば女とわかる程度だから。それに格好も昔ほど男っぽい格好にはしていない事多いしね。


kimi でも恥ずかしいのね。


馨 うん、めちゃくちゃ恥ずかしい…。


馨 さとみさんは堂々としたもので、僕の方がコソコソしてた(爆)!


kimi なんだか目に浮かぶわ。それにしても…なぜ午前中から?


馨 フリータイムがあるんだよ。


kimi フリータイム?


馨 カラオケみたいなもの。その間、ずーっと時間を気にせずにいられるんだ。僕はさっさと事を致して、ハイやったから出ましょうっていうのが嫌いで。


馨 始めに、そのひとがどんな女なのかを知りたいんだ。


kimi インタビューするの?


馨 そうだね。しばらくお話しを聞いていたいんだ。それからだよ、事を始めるのは。


kimi 馨が服を脱がせるの?


馨 うん。してもいいのか、とりあえず確認してから。


kimi 意外と慎重なのね。


馨 そうかな?


kimi 彼女は綺麗な人だったの?


馨 特別美人っていう訳じゃないよ。でも魅力がある人で。


馨 部屋に入って話をしたら、「遠距離恋愛の彼女がいる」って言うんだよ。


kimi あらら。


馨 僕はそんな事聞いてなかったよ!!彼女はいないって聞いていたから、誘ったのに。。




貴子は「女なら、それぐらいするわよ」と当然に感じつつも、馨の純情を可愛く思った。




kimi ショックだったでしょう?


馨 ひどくへこんだよ。


馨 しかも、彼女の事を愛おしそうに延々と話すんだ。僕はうんうんと聞いていたんだけれど、頭の中は絶望的な気分に襲われていたさ。


kimi ところで…その、彼女はどこに住んでいるの?


馨 北海道だって。


kimi 遠すぎるわね。


貴子は、だから一晩の相手として、最初から欺くつもりで、すんなりと夜の誘いを受けたのだと納得する。




馨 すごい美人らしいんだ、彼女。なんでバリタチもどきの僕と会う約束してくれたのかとハ

テナマークが浮かんだけれど。


kimi そんな話しをこれからセックスする時に言わなくてもいいのにね。


馨 僕がインタビューしたから仕方ないよ。聞かなければよかった、来るんじゃなかった、って頭を抱えたよ。


kimi 「僕は帰る!」って言ってやればよかったじゃないの。


馨 そうなんだけどさ。


馨 もしかしたら、もしかして僕が抱いたら、僕の彼女になってくれるかもしれないって、淡い希望がもたげたんだ。




甘いわね。相手は最初から、貴方を手玉に取っているのに。





kimi で…したの?


馨 もう一回確かめてみた。そんな話しの後だから。


馨 「いいわよ」って言ってくれたから、僕の彼女になってくれるかもと思ったんだ。


kimi 素敵なセックスだった。


馨 あぁ。その時は素敵だった。でも今は素敵だったと思えない。


kimi あら、美味しい思いをできたのに。


kimi どうして素敵じゃないの?


馨 「昨日はありがとう」ってメールしたら


馨 「ひさびさに何回もイケてスッキリした。お陰で大好きな彼女と会えるまで耐えられるわ。私のペットにならない?」だって。

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