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kimi  作者: LEIN
15/19

15

美樹 どうした?


馨 いや…。


馨は顔が真っ赤になった。


美樹 意識しはじめたんだろ?


カァァと顔が火照ってくる。


美樹 歳はいくつなのさ


馨 42だって。


美樹 27ぐらいかと思ったよ。それじゃ本当に親子みたいな歳の差だぞ


馨 …。


美樹 馨


馨 うん?


美樹 マザーコンプレックスと性欲を刺激されているんだろう。


馨 何言ってんだよ!


美樹 図星だなw


馨 それに、kimiには付き合っている人がいるんだ。


美樹 そうなのか??


馨 それっぽい事を言ってたよ。


馨 だからママでいいんだ。家族でいいんだって。


美樹 嘘吐け。心の奥に無理矢理しまっているだけだ。


馨 嘘じゃないよ!


美樹 私を舐めるなwww


美樹 ついでに馨の頭の中も覗いてやろう。


馨 ヤメte~~~~~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!1!!!!!!!!





馨は頭の前で手をクロスして遮ろうとした。だけど、ゾワゾワと寒気がしたかと思うと、


頭の中が青と白の渦巻きでいっぱいになった。



ハタとうつ伏せで気を失っていた事に気がついて、ふらふらと揺れる頭を叩いた。


馨 何分ぐらいたった


美樹 3分


馨 また気を失ってたよ…。


美樹 知ってるwww


美樹 まぁ、手元のココアでも飲んで落ち着け。


ハッと机を見ると、確かに自分が作ったココアが置いてある。


美樹 もう忘れたのか?砂糖3杯は入れすぎだぞ。


馨 よけいなおせわだってば。


馨はココアを飲みながら膨れっ面をした。


美樹 落ち着いたか?


馨 落ち着くどころの騒ぎじゃねーよ。まったく。。。


美樹 お前の頭の中を教えてやろう。


馨 いいって!!


美樹 お前はそのkimiとやらの裸体を想像したな…。


馨 もういいから、や…


美樹 胸を触っている


馨 そんな事ないって!!


美樹 ママを愛し始めたな。


馨 違うよ!!


美樹 顔が想像できないから、カオナシを抱いておるな。


馨 いいじゃないか!想像がつかないんだから!


馨はキーボードに顔をつけてへたり込んでしまった。


馨 はー。。


美樹 見事なもんじゃろ?え?


馨 …まったく、とんでもない知り合いを持ったもんだよ。。


馨 顔と中身のギャップが違いすぎるよ!!


美樹 美少女霊媒師で売り出そうかなー♪


馨 悪徳霊媒師とかで捕まるよ。


馨 お前といたら、人の脳みそのプライバシーもへったくれもないじゃん。。。。


美樹 妄想ばかりして、その癖、口説かないつもりだろ?


馨 人のモノを取ったら可愛そうだろうが!


美樹 わかってないな、恋愛は奪い取るもんじゃ。


美樹 男も女も激しいバトルを繰り広げているのじゃぞ。いっけんニコニコ穏やかそうな


顔をしながら…。


馨 僕の趣味じゃないよ。


馨 ただでさえチャンスの少ない世界で人のモノを奪えないよ。。


美樹 嘘つけ。私の身体も奪ったくせに!!


馨 あれは合意だろう。。。


馨 でも、美樹は僕の事好きになってくれなかったよ。


美樹 オマイさんは私の好みではないからナーwww


馨 …。


美樹 タイプがちょっと違うだけさ。


馨 美樹のタイプってどんなの?


美樹 もっと逞しくて、生活能力があって、自立してるヤツだ。


馨 そりゃ僕には程遠いよね(笑)。


美樹 その通りwwwへなちょこ馨には100年早い!!


勝ち誇ったように美樹は高笑いした。


美樹 それと追いかけられるのはつまらん。


馨 ふむふむ。


美樹 追いかけてたと思ったら、逆に追いかけられたからつまらなくなったのじゃ。


馨 じゃあ、なんで時々僕と変な事してたの?


美樹 友達だから。


馨 んんん…。


馨の頭の中はハテナマークでいっぱいになった。


馨 友達って、エッチもするものなの?


美樹 そうそう。


美樹 仲のいい友達はエッチするのじゃ。


馨 うーん。


美樹 オマイは「ママ、ママ」って煩いのが面白い


美樹 人の胸吸いながら、「まま〜〜」はないだろうが…。


馨 だって…


馨 自分でもわかんないんだけど安心するんだ。


美樹 このマザコンが!


美樹 すぐびーびー泣くのも面白いw


馨 人の少年心を弄びやがって…。


美樹 友達と恋人を毎度勘違いするからな。学習しない面倒くさいヤツじゃ。


馨 はぁ〜…(ためいき)。


美樹 で、もうひとつ。おまいは大きな勘違いしておる。


馨 何が??


美樹 わたしは18と言ったが、本当は14じゃ。


馨 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ?


????

馨 …まったく。。。


馨 はぁ。。


美樹 イジメ甲斐のある奴っちゃのう。


美樹 ふぉっふぉっふぉ。


馨 ふぉっふぉっじゃねーよ!!


美樹 嘘じゃ、18じゃ。


美樹 本当に弄り甲斐のある奴じゃ


馨 …びっくりしたじゃん。


馨 心臓止まるかと思った。


美樹 かわいいのう。


美樹 そんなお前を好きになってしまいそう(はぁと)。


馨 ほ、ほんちょに??


美樹 ウ・ソ。


馨 げぇえええええー。




美樹 …明日休みだろ


馨 うん


美樹 待ちぼうけで泣きたい気分なんだろ


馨 うん…。


美樹 話聞いてやるから来い。いつものマクドナルドでいいな。


馨 ありがとう。


馨 変なやつだけど優しいな。。。


美樹 またびーびー泣く!!


美樹 いいから朝10時に来いよ。遅いから早く寝ろ!!







「いよう!」


美樹はハンバーガーを食べながら片手を上げた。


「いようって。…呑気だね」馨はげっそりしている。


「遅いぞ。遅刻魔かおる。」


「5時に寝たから起きれなくてさ。」


馨は椅子を引いてテーブルに座る。


「ビッグマックセットかよ。朝からよく食べる奴だなぁ〜。」

「腹が減ると居ても立ってもいられなくなるじゃん。」

「しかもポテトもジュースもLかよ!」


いちいちうるさいな、と馨は遮った。


「5時に寝たって、あれからまたチャットしてたのか?」

「いや…。」

「眠れなかったのか」

「考えすぎなんだろうな。」

馨は頭を掻いた。


美樹はストローでジュースを飲みながら、その大きな瞳で馨をじっと見つめた。

「何かついてる?」

「いや」

美樹は薄茶色のくるくると柔らかそうな天然のウェーブがかかっている。

どうしてこいつがビアンなんだろう?

男が寄り付きすぎてうざったくなったのだろうか。

馨はどぎまぎして黙り込んでしまった。



「なに恥ずかしがってるんだ?」

「恥ずかしがってなんかないって。」馨は手を顔の前で大きく振った。


「相変わらずアンドロイドみたいな奴だな、と思ってさ。作り物みたいな顔してるよな。」

美樹はテーブルに乗り出しきた。

「私の顔は天然物だ。お前こそプチ整形してるんじゃないのか?」

「してるわけねーだろ!」

瞼に触れようとした美樹の手を身体を捻って避ける。

「長い睫毛だな。このストローのせてみていいか?」

美樹はストローを紙カップから取り出した。

「やめろちゅーの!」

ふふんと不敵な笑みを浮かべて美樹は椅子に座りなおした。

「私は醤油顔が好みだ。お前は濃すぎて…」

「おまえの好みは聞いてないから!」

なんなんだよ、変な奴、と馨はぶつくさビッグマックにかぶりつく。

美樹は鏡を取り出して、メイクを直している。




「いいよな、ネコは。」

「は?」

「まんまの外見でいいからさ」

美樹はぷっと笑った。

「馨も女装してるつもりだろうけどさ」

「けどさ?」

「ぜんぜん女装になってないからさぁ」

「これでも気を使っているつもりだよ?」

「まぁ、ボーイッシュな女の子ぐらいには見えないこともない」

「女に見えりゃ、それでいい」

「なんでよ」

「いろいろ面倒だからさ。あれこれ噂話しを立てられる。」

「そんなの気にしちゃ自分らしくいられないよ」

「わかったような事いわないでよ」



馨が真剣な顔をしたので、美樹は目を大きく見開いた。

「普通にこの社会の一員として、目立たないように生きていかなきゃいけないんだって。」

「小心者だな。お前は。」

馨はムッとした。

「ネコに何が解る?」

美樹は鏡を見たまま、

「まぁ、むきにならなくていいから」

とそっけなく答えたので、馨も意を削がれてしまった。




「なんか今日はいらいらしてるなぁ。」

「ごめん。」

馨は片手をテーブルについて頭を抱えた。

「僕、美樹に嘘ついてる事が一つある」

「何?」

思いつめたようにうつむいたまま馨がつぶやいた。



「彼女は普通の人だと思う」

えっ?と美樹が驚いたのがわかった。



「…ノンケってこと?」

「うん」

「なんでわかる?」

「最初はわからなかったんだけどね。昨日いろいろ考えたら、話が合うんだ。」

「それが何か問題なの?」

「たまたま、退屈しのぎに入ってきたんだよ。だから僕らの人種じゃない。」

「口説いちゃえよ」

「そんな事できないよ。」



馨はコーラを一口飲んで、テーブルの上に置いた。


「僕の事は、弟みたいに思っているだけだよ。」

「そうかな?」

「うん。それはありがたいけれど、普通に生活している人を、これ以上、こっちの世界に巻き込んじゃいけないのかもしれないな…。」

「人生いろいろ、ハプニングがあってもいいじゃん」

「そんなに軽く言える事じゃない。自分がしてきた苦労を考えたらね。」

「だから諦めるのか?」



馨はうなだれて、ただじっとテーブルを見つめていた。



美樹はコンパクト見るふりをしながら、馨の様子を窺っていた。

「さっ、行くぞ!」

「何処へ??」

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