第十一話 紅魔館地下にて
どうも、つい最近現代入りものの動画消化で忙しい黒死鳥です。
途中に長文があります。ご注意ください。
それでは、どうぞ↓
「そういえばこの館、俺の記憶よりも広い様な・・・気のせいか?」
大図書館へ向かう階段の途中、そうなことに気づいた。だから記憶を頼りに進んだら迷ったのか。なるほどな。
「パチュリー元気にしてっかな・・・」
そうして大図書館のドアを開けた瞬間、白黒の何かが突進してきた。
「うぼぁ!?」
「うわっ!?」
反応しきれず頭にそれを食らってしまい、床に倒れる。それと同時に白黒の何かが悲鳴を上げる。声の高さからして女の子だろう。
「わ、悪い!先を急いでたんだ!すまん!」
そう言うと女の子が箒に跨り、飛んでいく。すると、状況を整理する暇もなく声が飛んでくる。
「ちょっと、さっきの白黒の泥棒捕まえて!」
「ど、泥棒!?」
「いいから、早く!」
「わ、分かった!」
俺は息を切らして追いかけてきた、紫色のドレスを着た女の子に、昨日助けたこあがいた。さっきの女の子を捕まえるため起き上がると、右手を構え、天道を発動した。
「万象天引!」
「うわっ!?な、なんだ!?」
すると女の子が一瞬遅れてこちらに引き寄せられてくる。万象天引は、チャクラを使って対象のものを引き寄せることが出来る術である。
「うぐっ」
「はい確保完了」
俺は箒ごと引き寄せられてきた女の子の箒を手で掴み、引き剥がして女の子を右手に万象天引で固定する。パチュリーは喘息持ちの為、余り運動していないせいかこあに支えられている。
「で、パチュリー。この娘が泥棒だって言ってたけど・・・?」
「こいつ、いっつもうちに来る度に、本を何冊か盗んでくのよ。お陰でもう、100冊以上も、被害にあってるわ」
「人聞きの悪い事言わないで欲しいぜ!死ぬまで借りてるだけだぜ!」
「それを世間じゃ窃盗って言うのよ。とりあえず、今日盗もうとした本は全部返してくれる?」
「・・・分かったよ」
「よろしい」
そう言うと帽子の中やらスカートの中やら色んな所から本が出てくる。どんな所にしまってんだよ・・・全部出たことを確認すると万象天引を解く。
「ふぅー・・・所で、お前は誰だぜ?」
「・・・文々。新聞見てるか?」
「え?あぁ、見てるぜ?・・・あぁ!あの写真に写ってた外来人か!?」
「そう。あ、名前は 如月 照だ。よろしく」
「私は普通の魔法使い、霧雨 魔梨沙、よろしくだぜ、照。そういえば照、パチュリーのこと知ってるみたいだったけど、どんな関係なんだぜ?」
「うーん、恋b」
とっさに危機を感じ、後ろに下がる。すると俺のいた場所に魔法弾が炸裂、俺の方に向かってきた。
「「!?」」
「やべっ・・・!」
避けきれず被弾する。だが、この時は特に害は無いように感じられた。
「・・・なにか言うことは?」
「すみませんでした」
「ジョークでも言っていいことと悪いことがあるわよ」
パチュリーの方に顔を向けると若干キレ気味で魔道書を開いて次の魔法を撃つ準備をしていた。流石にこれ以上こんな事をすればタダでは済まないだろう。
「悪い。さっきのはほんの冗談で、ただの男の子とお姉ちゃんみたいな関係かな?」
「よし」
そういって魔道書を下ろす。あー危なかった。
「今更だけど、元気にしてたか?パチュリーにこあ」
とりあえず話題を逸らすため、今の状態を聞く。
「ええ、この通り。喘息は相変わらずだけどね」
「大丈夫か?余り無理するなよ?」
「ありがとう、そうするわ。それより、さっきのあれは何?魔法かなにか?」
「あれは俺の能力で、ナ〇トって本前に見せたの覚えてるか?」
「なんかあったわね、そんなこと」
「それに出てくる奴の能力そのままで、『六道と外道を操る程度の能力』って言ってな。とりあえず色々できる」
「例えば、どんなのなんだぜ?」
魔理沙に聞かれ、とりあえずわかる範囲で応える。
「そうだな、
天道は引力と斥力みたいな事とか、腕から黒い金属の棒みたいなのだせたり出来る。
餓鬼道は相手の妖力、魔力、霊力を吸収出来る。
畜生道は専用の動物等を呼び出せる。
人間道は魂と同時に相手の情報を抜く事が出来る。
修羅道は体から武器を出せる。
地獄道は閻魔を呼び出して嘘をついた相手の魂を抜き出せる。
で、最後に外道は、黒い金属の棒を刺した相手を、生きているなら近くで操ることが出来る。死んでいる場合はある程度遠く間では操れる。他にもさっき言った能力で殺した相手を生き返られたりすることが出来る。」
「かなりチートじみ能力だな」
「そういえば、さっき動物等を呼び出せるって言ってましたけど、具体的にはどうなのを呼び出せるんですか?」
「えーっと、確かサイ、鳥、犬、牛かな。大きさも外見も結構違うけど」
「なるほど」
「いやー、それにしてもパチュリー達も元気そうで良かった。俺はそろそろこの辺で・・・」
「そう?次は妹様の所で最後?」
「ああ、この紅魔館の中じゃ2番目に仲がいいからな、多分長くなるだろうし」
「そう、頑張ってね」
そう言って俺は大図書館を後にし、奥の方にあるであろうフランの部屋に行った。
「フラン?居るか?入るぞ?」
ドアにノックをして確認をして、入る。するとそこには信じられないようなものを見たような顔をしたフランがベットに座っていた。
「もしかして、あ、照・・・?」
「うん、久しぶり、フラン」
「どうして、ここに・・・?」
「まぁ、色々あってな。それより、元気にしてたか?って、なんで泣いてんだよ!?」
「だって、ずっと、会えなくて、もうこのまま、会えないかと思ってて・・・」
「・・・そっか」
そのまま俺はフランが泣き止むまで俺は待った。
「落ち着いたか?」
「うん・・・」
「そういえば、こっちに来て何か変わったことはあったか?」
「そうだ!私、友達出来たよ!」
さっき美鈴姉さんがフランに友達が出来た、と言っていたのでそのことを聞くと、一気に表情が明るくなった。
「古明地こいしって言ってね、私を見ても怖がったりしなかったし、それに仲良くなれたの」
そのことを話しているフランは、かなり嬉しそうだった。
「そうか、良かったな」
「うん!あ、それとね--」
その後、フランは色々なことを話してくれた。部屋から出れるようになったこと、外に出た事、色々な事を話してくれた。そして、帰るときにはもう夕方だった。大体15時くらいだろうか?霧の湖を通り、妖怪の山に入ろうとしたその時、昨日の妖怪が出てきた。
「お、昨日の人間じゃねぇか」
「あー、昨日の・・・足立、だっけか?何か用か?食べに来たのか?」
「安心しろ、俺達妖怪は腹が減ってない限り人間は襲わない。それに会ったのはただの偶然だ」
「そうか。じゃあな」
「まぁ待て、俺も妖怪の山に住んでんだ。一緒に帰ろうじゃないか」
「はぁ・・・まぁいいや」
肩を掴まれ、そんな事を提案される。俺は別に嫌ではないが、人間と仲良くしようとする妖怪って結構少ないぞ。そして話しながら歩くこと数十分、すっかり日は落ちようとしていた。
「それじゃあ、この辺でお別れだな」
「そうか。じゃあな」
「おう、また今度な」
そう言って肩を叩き、俺とは反対方向に歩いていく。俺も歩き、椛の家に向かう。足立は、話してみると結構面白いやつで、いろいろなことを話した。そんなことを考えていたら、椛の家に着いた。日はすっかり暮れていた。
「ただいまー」
「お帰りなさい!ご飯もうすぐで出来ますよ!」
家に入ると椛がエプロン姿で出迎えてくれた。そしてその後はいつもの日常とそんなに変わらなかった。
~???~
「どう?調査結果は?」
俺は今、幻想郷唯一の妖怪の大規模組織のボスに今日の調査結果を報告していた。
「彼の能力に関すること、そして彼の味方勢力等、色々聞き出せました。これがその記録です」
そう言って俺は盗聴器という、河童に作ってもらった機械を渡す。
「そう。バレてはいないでしょうね?」
「大丈夫です。自然に行動し、付けておきました。」
「そう。これからも頼むわよ。あいつは近い将来、この組織に大打撃を与える。その前になるべく始末しておきたい。」
「分かりました。これからも調査を続けていきます。」
そうして俺は部屋をあとにする。これからも色々聞き出して行かなければならない。そんなとこを考えながら部屋に戻った。
どうでしたでしょうか?もし、あれ、ここおかしくね?という場所がありましたら教えてくれると有難いです。教えてもらえれば、パッとやってパパッとやってシャッと直します。
途中、何故こいしの名前が出てきたかというと、こいしは無意識で行動するのでもしかしたらちょくちょく地上に来てるんじゃないかなー、と思って出しました。そして最後の方なんですが、照ではありません。あの妖怪です。もしかしたら察しのいい方は気づいたかもしれませんが、正体は後ほど本文にて。
それでは、次回までゆっくりしていってね!




