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ビターチョコとストロベリー  作者: 須谷
琴音久瑠実からのお話
8/40

映子ちゃんと文化祭に参加した日

 前回は体育祭のお話をしたので今回は文化祭のお話をしようと思います。


 うちの高校は体育祭が9月、文化祭は11月に行われるので結構その時期余裕がありません。

 文化祭はクラス合唱とクラスごとの売店。準備に時間がかかります。

 今回は映子ちゃんも数回なら準備に参加できるようで、本番も合唱がある初日だけは参加できるようです。

だから今回も目立たない程度に準備を頑張りたいと思います。


 文化祭の1か月前から準備は始まります。個人で絵も描かなきゃならないし、売店で何をやるか、合唱で何を歌うかなどを決め練習していかなければなりません。

 結果として、とりあえず売店ではクレープ屋。合唱は“翼をください”を歌う羽目になりました。あんまり好きではない…というのは置いておいて。

 売店の方はクラスの半分が行うということで、私と映子ちゃんはやらない方になりました。

ですから、合唱に尽力することにします。

 

 個人で絵を描かなければならないというのはすぐ終わるのでどうでもいいのですが、問題は合唱です。

映子ちゃんが曲を知らなかったら、一緒に練習しなければいけません。しなければならないってわけではないのかもしれませんが、使命感が騒ぎます。

 映子ちゃんに曲を知っているかと聞いたら、案の定知らないとのこと。

いつ練習しようかと聞いたら、夜に家に来てくれと。

 そういうことで、私と映子ちゃんの合唱曲猛特訓が始まりました。


 練習日は映子ちゃんのお仕事が早めに終わった日。午後7時からということになりました。

 それを決めた次の日。さっそく映子ちゃんからお誘いのメールが。

 

 “今日、来てくれ。”


 たった6文字ですがきっといろいろ考えた結果なのでしょう。

私は映子ちゃんのメールを無視することはできないので、短めに返しておくことにします。


“了解です。お時間丁度に参ります。”


 7時00分00秒。映子ちゃんの、家のインターホンを押します。すぐに映子ちゃんが飛び出してきました。

「久瑠実、わざわざこさせて申し訳ないな。入ってくれ。」

 映子ちゃんのためならどこまでもまいります。

「いえ、大丈夫です。お邪魔しますね!」

 もう何度も来た映子ちゃんのお家に足を踏み入れます。そして映子ちゃんの部屋へ。

映子ちゃんの部屋は生活感がないです。ほぼ寝るだけのお部屋ですから。

でも最近、物が増えました。私が差し上げたものに合わせて、物を集めているようです。

嬉しい限りです。

「さて、映子ちゃん。練習を始めますか。」

 私は持参したCDとCDプレイヤーを取出し、セットしました。

「あたし全然知らないけど大丈夫かな…?」

 結構心配なようです。中学校では行事ごとに一切参加していないようですし。

「心配ありません。大丈夫です。お手本のCDがないので私がお手本になりましょう。楽譜もありますしね。」

「そうだな…。えっとお願いします!」

 映子ちゃんが冗談めかして私に敬語を使いだしたので、少し面白いです。

「任せなさい!!」


 これで私が音痴だったら面白いですけど、残念ながら私は音程性確立100%に限りなく近い人間です。

音をはずす気なんてありません。

「…といった感じです。どうですか?覚えられそうですか?」

 映子ちゃんはふんふんとうなずきました。どうやら覚えられそうと思ったみたいです。

「一度歌ってみますか?」

「やってみる。」

 映子ちゃんと一緒に歌ってみると、なんと美しい声でしょう。音も外れない美しい声。

まだ少し覚えていないところもあるようですが、呑み込みは早いです。

「久瑠実…どうかな?」

「このペースならすぐに覚えられますよ。あと数回歌えばもう慣れてしまいます。」

 そういうと映子ちゃんはにっこり笑いました。

「でも自信ないからいっぱい練習に付き合ってくれ。」

 照れたようにそう言った映子ちゃん。自分から言うのはやっぱり気恥ずかしいようで。

「もちろんです。お任せください!!」

 

  その後も週に数回ちまちまと一緒に練習をしました。何度も何度も繰り返して。

多分クラスで一番上手になっているでしょう。二人でやらない時でも、毎日歌は歌っているわけですから声もだんだん大きな声が出るようになってきていますし。

 こういうのもいいですね。…たまには大きな声を出すのも。

 

 日々練習を重ね、やっと本番の日になりました。

初日しか映子ちゃんと一緒にいられないのは残念ですが、仕方がありません。初日だけでも一緒にいられるのはとてもうれしいことです。

「おはよう久瑠実!」

 心なしかいつもよりテンションが高い映子ちゃん。練習の成果が発揮できるのがうれしいのでしょう。それは私もうれしいです。

「おはようございます映子ちゃん。ついにこの日がやってまいりましたね!!」

「ああ。ついにな。」

「毎日ばっちり練習しましたし、私は今朝声出しもいたしましたから、きっと大丈夫です!!」

「あたしも少し声出してきた。驚かしてやろう!」

 この行事も、本領発揮させていただきたいと思います。


 合唱は1年生が一番最初です。私たちのクラスはくじ引きで決められた3番目。お手並み拝見と行きますか。

 他のクラスも負けてはいません。そもそもメンバー的大差はあまりないのです。

しかし今回、私のクラスは全力で練習しましたし、映子ちゃんと私は特に全力で練習しているわけですから負ける気がしません。

 驚かせてやります。


 私たちの番がやってまいりました。ついにといった感じです。

歌う時の配置はもちろん、私と映子ちゃんは隣同士です。

頑張りますよ!!最優秀賞は頂きました!!!


 声を裏返すこともなく無事に歌い終えることができました。

映子ちゃんも大変満足そうな顔をしてらっしゃいます。そんな顔もとてもかわいい。

「なぁ久瑠実!最優秀とれるかな??」

 そんなかわいらしい顔で聞かないでください。うかつにとれるとかいって、もし取れなかったらプライドがあったもんじゃありません。

「どうでしょうかね。とれたらいいですね!」

 当たり障りのないように、適当に濁してみましたがどうでしょうか。


 結局最優秀賞はとることができました。そのときの映子ちゃんの喜びっぷりと言えば、不良の肩書がはがれるほどでしたね。

…言いはしないもの絶対みんなエコさんって気づいてますから。

 まぁ映子ちゃんが喜んでくれて私もうれしかったですし今回は上等でしょう。


 文化祭二日目はと言えば私は自由行動。映子ちゃんはお仕事です。

私は、映子ちゃんのいない文化祭2日目を(友人と呼ぶにはふさわしくない関わり方をしているけど一応)友人と一緒に過ごしました。

 楽しくなかったです。以上です。


 文化祭三日目という名の文化祭最終日はと言えば、私は自由行動。映子ちゃんはお仕事です。

私は前日と同じように友人と一緒に過ごしました。

少しおいしいもの食べました。楽しくはなかったです。以上です。


 文化祭はこんな感じで過ごしました。二日目と三日目は大して意味はないので、話す価値もなかったのですが、まあおまけということで。

  

 次回は球技大会についてお話しましょう。ちなみに球技大会には参加していません。


まだまだつづきます。頑張ります。

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