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ビターチョコとストロベリー  作者: 須谷
琴音久瑠実からのお話
3/40

映子ちゃんが学校に来ない日

久瑠実ちゃん今日も語ります。

 今回は映子ちゃんがいない時の、私の話でもしましょうか。

ずっと映子ちゃんの話をしていたいのですが、話し手の情報をほぼ一切与えないというのもおかしな話ですからね。

本当は映子ちゃんに頼みたいぐらいですけど、そんなことはできません。

あのお方は多忙なので。


 私の容姿について。

私の容姿は、かなり良好だそうです。

自分で言うのもなんですが、ロリ的に上等だと思います。

まぁよくロリコンに絡まれて困っているのですが。

 映子ちゃんみたいに背が高いスレンダー美人じゃないですけど、評判はいいです。

背が低くて、童顔で、目は二重。

好きな人は好きな容姿なんでしょうね。ロリコンめ。

 そして性格。私、心の底は本気で映子ちゃんのことしかありませんけど、表面では一応いいこと言うものを演じております。

映子ちゃんの悪口を言われた時には、それも一瞬で崩れますけど。

まあネコかぶってるって感じです。あざとく可愛く頑張っているわけです。

…性格悪いんだと思います。映子ちゃん以外のことに対しては。

映子ちゃんに対しては一途です。

 

 私個人の紹介はこれぐらいにしておいて。話は映子ちゃんがいない時の私のことに戻ります。

 私は映子ちゃんがいない時、本当は誰とも話したくないのですが(映子ちゃん以外虫けら同然ですから!)一人でいるとそれはそれで変に目立ってしまいますから、人とは話します。

 友達と呼ぶにはふさわしくない関わり方をしていますが、一応お友達がいますので。

 女子と男子数人ずつ。まあ勝手に向こうから話しかけてくるだけなんですけどね。(だからふさわしくないのです。)

 ある日の会話をご紹介しましょう。映子ちゃんの話題ですね。

「お前さ、なんで森崎にかまってんの?お前なら別にあいつと絡む必要ないだろ。」

 クラスの男の子の一言です。私の顔があったら誰とでも話せると言いたいのでしょう。

映子ちゃんの顔をよく見ろと言いたいですが、独り占めしたいので見てほしくないです。

あんな美人、こんなけがらわしい男に見せるわけにはいきませんから。

 しかし、その発言。映子ちゃんの悪口まがいですよね。その時私はとっさに言ってしまいました。

「てめぇには関係ねぇだろ。」

 この時は本当に無意識だったんです。この瞬間私の周囲で私の印象が、若干崩れてしまいました。不覚でした。

「…ごめん。」

 そんなふうに謝らないでくださいよ。なんかすごい嫌じゃないですか。

「…こちらこそ、取り乱してしまい申し訳ありませんでした。」

 これがある日の会話です。セレクトを間違えたかもしれません。

 これじゃ、私の映子ちゃん愛は大して伝わらないでしょう。もう一日、紹介いたしましょうか。

「琴音~。お前さ、森崎の好きなところ、100個いえる?」

 これまたクラスの男子の一言です。多分冗談めかして言ったのでしょう。

でも私に言わせれば、言わないわけにはいきません。語れるチャンスですもん。

 …それでは失礼いたしますね。

「100個じゃ足りませんけど、言いますね。簡単なところから、可愛いところ、かっこいいところ、笑顔が誰よりもかわいいところ、学校に来ていなくても人間的にめちゃくちゃ頭がいいところ、口悪いのにとってもやさしいところ、ああ見えて可愛いものが好きなところ、髪の毛さらさらなところ、目がきりっとしてて素敵なところ、新設欠かさないところ、たまに頭撫でてくれるところ、足長いところ、スタイル抜群なところ、体調管理欠かさないところ…。」

「もういいもういいよ!!!」

「なんです?自分で言い出したのにひどいです…。」

 せっかく映子ちゃんの魅力を知ってほしくないけれど、まぁちょっとだけ教えてやろうと思ったのに。ひどい。

 やはり、友人と認めるわけにはいきませんね。


 あと、映子ちゃんが来ていない日は毎日。連絡カードなるものを書いています。その日あったことを全部丁寧にプリントに書いて、映子ちゃんの家まで届けているんです。

これとノートに結構な時間を費やすので、人とお話している時間はあんまりないんですけどね。

(それを映子ちゃんがどう思っているかはわからないけれど、なるべく学校のことを教えてあげたいから、絶対にやめるつもりはありません。)

 そのせいか、映子ちゃんの親とは仲良しになりました。

お家にいらっしゃらない時はポストにいれるのですが、いらっしゃるときは少しでもお話したいので手渡しで渡すようにしているのです。

だから、映子ちゃんのお母様、たまにお父様とお話をさせていただきます。

 映子ちゃんのお母様は、映子ちゃんに似てとても美人さんでやさしいのです。よく紅茶とクッキーをごちそうになってしまいます…。

それがものすごくおいしいんですよね。

 そして映子ちゃんのお父様は、容姿は映子ちゃんに全然似ていないけれど、仕事場以外では人見知りというところがそっくりです。

とってもおちゃめな人です。映子ちゃんの方が可愛いけれど。

 ご両親と仲良くなったおかげで、映子ちゃんの情報をいち早く手に入れられるのもうれしいですね。


 映子ちゃんがいない時は、私に言い寄る人も現れます。

映子ちゃんは不良に見えるので、怖がられているわけで、一緒にいるとあんまり人が寄ってこないのですが、私が一人でいるとロリコンまがいの人が私のもとにやってきます。

「森崎がいるときはお前に話しかけらんねぇんだよ。なんでか今まで告白しようと思った日に、必ずあいつがいてよ…。」

 彼は私に告白しようとしていらっしゃいました。

私は全然うれしくありません。

私はいつだって映子ちゃんに告白されたいのですから!!!!

「それでは、私に告白をしに来られたということでよろしいのですか?」

「ああ、そうだ。俺は…俺は…!久瑠実が好きだ!!」

 ちなみに私は彼を存じ上げません。

知らない人に下の名前、しかも映子ちゃんと同じ呼び方で私の名前を呼ばれてしまいました。そのうえだんだん近づいてきます。

なんてけがらわしい。鳥肌が立ってしまいました。

 私、実は空手とか合気道を小さいころ個人的にやっておりまして、身に危険を感じたりすると体が勝手に動いてしまうんですよね。習っていたわけではなく完全に独学ですが。

 彼の手が、私に触れようとした瞬間、背負い投げたるものをしてしまいました。

「何しようとしていらしたんですか?映子ちゃん以外のごみの分際で、私に触れようなんて1万年早いですよ。」

 彼は地面に横たわり、うずくまってらっしゃいましたが私の知ったことではありません。

どうせ、私にこんなことをされたと言っても誰も真に受けやしないだろうし、まず言おうともしないでしょうから放っておきました。

 ああ、こんな話どうでもいいですね…。


 こんな感じで、映子ちゃんがいない時はすごしています。

例が悪すぎましたかね?でもまぁ、映子ちゃんの話をしていない時だって、映子ちゃんのことしか考えていないんで、何があったかなんてことは大して重要なことではないのです。

 次は映子ちゃんのお家にお邪魔した時のお話でも致しましょう。


まだまだ続きます。

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