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ビターチョコとストロベリー  作者: 須谷
琴音久瑠実からのお話
14/40

映子ちゃんの仕事名の由来を聞いた日

 今回は映子ちゃんの芸名の話です。この前理由を聞いたので、お話しいたします。

それはそれは素敵な理由でございます。


 2年生になってから、映子ちゃんの仕事がない土日は、たいてい映子ちゃんと遊んでいる気がします。

私が映子ちゃんの仕事場を見に行ってから、前よりちょっと精神的距離が近づいたようです。映子ちゃんのことが好きな身としてはうれしい限りです…。

 この前もそうやって、日曜日に映子ちゃんのお家にお邪魔してお話をすることにしました。その時にたまたま芸名の話になったんです。

 芸名というのは、印象を決めるにあたって大事なものだと思います。本名で芸能界に出る方も多々おられますが、芸名を使う方も少なくはありません。

 その中で映子ちゃんは芸名を使ってらっしゃる身ですから、そこに理由はあるはずなのです。

「映子ちゃん、この前の撮影見学楽しかったです。本当にありがとうございました。」

 この日は撮影見学に行ったあと、初めて映子ちゃんに会った日だったと思います。

「いいんだ。あたしも、なんか新鮮で楽しかった。」

 そういって笑う映子ちゃんは撮影の時とは違う、自然な顔です。私はこの変わりっぷりに感動せざるを得ません。

「それは、よかったです。ところで映子ちゃん、映子ちゃんはなぜ芸名を使ってらっしゃるのですか?」

 とたんに気になりだしたので聞いてしまいます。

「芸名…ああ、なんで使うかか。いや、活動し始めたのが小学生の時だったからあんまり本名出すのは気が引けるのって思ったんだよ。子供心に。」

 そうですよね。余計に生活しにくくなってしまいますからね。

「映子ちゃんは随分子供のころから大人びと考え方をしてらっしゃいますね。」

「そうなのかもしれねぇな。状況が状況だから。で、なんでエコっていう名前かっていう話もついでにしようかな。」

 ついででいい話が聞けそうです。

 エコというのはえいこの最初と最後の文字なわけですが、エコはエコロジーのエコかもしれませんし、いろいろ推測が可能です。

 しかし話をするぐらいですから適当な理由ではないのでしょう。楽しみです。

「芸名はあたしが小3の時に考えたんだけど、エコは名前ももじってるけど、エコロジーのエコだ。」

 やっぱりそうでしたか。しかしなぜエコ?

「自然に親しむみたいなかんじで、親しみやすいモデルになれたらなって思ったんだ。お高いイメージがあるわけでもなく、なんか日常に一部みたいなそんな感じでさ。」

「いい意味ですね…。」

「ありがと。でも、まあ今そんなふうになれてるとは思えないんだけどな。ブランドの服で固められてるし。」

 確かに最近の映子ちゃんの使われ方と言えばブランド雑誌の専属だとかそういうのですよね。若いながら。

 しかしそれは仕方がないと思います。身長は170もあって足は長いですし、中高生向けの雑誌には向かないでしょう。最近は特に。顔だちもかなり大人っぽいですし。

「そうですね…確かに映子ちゃんはお高いイメージが強いかもしれません。でも、確実に私たちの生活にはなじんでますよ。いろんな雑誌に出ているわけですから目にしたことがある方も多いでしょう。」

 私が話し始めた時は顔が固かった映子ちゃんですが、最後の方ではほっとした顔をしてくれました。

 私にとって映子ちゃんは人生そのものですから親しみなんてレベルはとうに超えているのですけどね。

「そうか…。でもまあ、もっと頑張ってみる。いろいろ。」

「はい、そうしてください。無理だけはだめですけどね。…私にとって映子ちゃん…エコさんはいつでも親しめる存在ですから。」

「ありがと。」

 必殺映子ちゃんの照れ笑いの発動です。


 映子ちゃんのお仕事がもっと映子ちゃんが望む良い方向に向かえばいいなと思います。映子ちゃんもたまにはわがままを言ってみてもいいのではないでしょうか、そう思うのは私だけでしょうか。


 今回はここまでです。短くなってしまいました。仕方がありません。会話の一部抜粋ですから。

 次も映子ちゃんがお話してくれたことをご紹介したいと思います。


あと少しあと少し。

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