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地獄からの助け船を求めて

私だって軽蔑されたいわけじゃない。出来ればみんなと仲良くしたいし、普通の人として過ごしたかった。でも民衆がそれを許さない。私は生まれつき髪は明るい黄色で、目は昼間の空の色だった。私の親は「神の子だ。」などと謎の宗教らしき考えを持ち、服装もそれらしい服しか着ては行けないと言われた。そのせいで微笑・軽蔑・陰口に悪口、悪質な嫌がらせもされた。いつしか周りの人と、仲良くしたいと思う欲は消え去り、残ったのは人間への諦めと失望。私が1番知ってるよ。見かけがおかしい。毛髪がおかしい。そんなの自分自身が知ってる。そんなことを私の唯一の友人、雨凪ヒナタに言った。いつも優しくて、寄り添ってくれる。

「自分と違うからって何が悪いのかな?私はミナちゃんがその見た目、その服装でいいと思うよ。だってみんな同じじゃつまらないじゃん!」

「ヒナタ、、、ありがとう。」

ヒナタはいつも私の味方をしてくれた。でも私は守れなかった。いつしかターゲットは私からヒナタに移り変わっていた。私が受けていた嫌がらせは全てヒナタが受けるようになっていた。そんな時、ヒナタは学校に来なくなった。巷では自殺だと言われていたが真相は分からない。ヒナタがいなくなった学校に行く意味などとうに無かった。私も学校に行くのを辞めた。家にいてもやることはなく、かと言ってどこに行くでもなく、ぼーっとして生きていた。でもそんな時、ある話を聞いた。

「雨上がりの水たまりに飛び込むと別世界に行ける。」

そんなことあるわけないと普通なら思ってただろう。けれどもやることのない今の生活に、希望を与えるには十分すぎる話だった。すぐに私は家を飛び出した。雨は土砂降りだった。服が濡れても、転んで足を怪我しても、私は止まらなかった。やっと見つけられそうな存在意義アイデンティティを見失いたく無かったからだ。私はついに見つけた。考える間もなく飛び込んでいた自分がいた。飛び込んだ先は雨、雨、雨。どこを見ても雨の世界だった。でも私は不思議とその景色を落ち着いて見ていた。何もない、灰色の世界を。しばらく歩くと傘を差した人が歩いていた。その人に聞くと、この世界では傘が必須らしい。でも私は持っていなかった。また、まただ。あの目線は。あの冷たい視線は。私はもう逃げたくなった。ここから消えてしまいたくなった。希望だと思っていたこの世界でもあんな目で見られるなんて。この雨には心を溶かす効果があるらしい。これに当たっていれば消えれる、、、そんな時だった。

「ねぇ。大丈夫?寒くないの?」

冷たさの中に優しさがある声だった。

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