愛した代償は何ですか
あぁ。久しぶりにこの傘で戦うな。傘の先についた風鈴がチリン、と音を立てる。
「レイ、お手柔らかにお願いしますね。」
笑顔をなんとか作り、私は言った。でも多分聞こえてないだろう。しょうがない。恋とはこれほど人を狂わせるのだ。
「アナタとはこれまでですわ!セツ、倒しますわよ!」
「OKレイ。やっぱレイと一緒の方が戦いやすいね」
「と、とにかく行きますわよ!」
そう言うとレイは薄い水色の結晶が纏った傘を開いた。冷たい冷気が周りに揺蕩っている。そしてセツは、よくある和傘のような傘を開いた。そして喋り出した。
「これはねー、誰だったかに貰ったんだ!よくさ、昔に傘回しってあったじゃん?それみたいな技使えるの!かっこいいでしょ!」
子供みたいな無邪気な笑顔だった。それを見ていたレイも言った。
「私も紹介致しますわ。この子は生まれた時から一緒でしたの。主に氷の技を使いますわ。協力した仲ですので少しヒントをあげましたわ!」
レイは照れ隠しのように顔を背けた。やっぱなんだかんだで優しいな。
「そうですか、、、では私のも紹介しますね。私のこの傘は、白杖代わりでもあり、武器でもある。正真正銘の相棒です。技は、、、見てからのお楽しみ、です。」
傘の紹介が終わった。戦いに入るだろう。テオはまだ混乱しているはず。私が守り切らないと、、、その時私の前髪が凍った。
「油断は禁物ですわよ?まぁ、手遅れですが、、、『白昼夢の氷層』!」
その瞬間私の身体は凍りついた。
「シオン。アナタは白昼夢の氷層から脱出出来るのかしら?じゃあ私はテオ様を連れて行くわね。」
私にしては珍しく油断したな。テオが後ろにいたからだろうか。ああ、傘(相棒)はまだ無事だ。少しでも動ければ、、、 その時、私の目の前で閃光が散った。いや、正確には見えていないから違うかも知れないが、感覚としてはそう感じた。私は初めて人をかっこいいと思った知れない。目は見えないが多分見えていたら見惚れていただろう。いままで1番近くにいてくれた人に。下手したら失目していたかも知れない。直接見なくて正解だったな。と、一瞬にして色々な感情が流れたが、最終的に残ったのは一つだけ。
「シオン!大丈夫か!」
テオが大声で言った。その後私の方に駆け寄って来た。
「心配してくれてありがとう。」
そう私はテオに告げてレイ達の方へ行った。その途中にテオの方を振り向いて私は笑顔で言った。
「私がどんな風になっても愛してくれる?」
そう言い残し戦場に出た。テオの方はもう振り向かない。覚悟が緩むから。
「『感謝』。この言葉を胸に貴方達と戦う。覚悟して下さい。」
私はもう後戻りはしない。例え大勢を敵に回しても。




