出会い
初めて見たのは灰色だった。どこを見ても誰を見ても雨、灰色、虚無 そんなものばかりだった。毎日同じことを教えられ、それに忠実に行動する。こんなつまらない人生は他にないと自分でも思う。「お前は今までにない逸材だ」「ハルトって天才だよね!」親や周りの人間は揃ってこう言う。これから綴る話はこのような人間の僕、雨宮ハルトが平凡な日常を脱却する物語だ。
「、、、また雨か。まぁ雨以外の方が珍しいけど。」
僕はそう呟き、毎日同じ風景の外へ出掛けた。手に持っているのは、実の父である「ゼロ」から誕生日に貰った傘だ。ゼロはこの世界「灰雨市」の管理者のトップであり、この世界を作り出した神のような存在だ。少なくともこの世界の人はそう思ってるだろう。僕は思っていないが。そんなことを考えている時、ふと声が聞こえたような気がした。あたりを見回してみると、派手な向日葵色の髪の毛の少女、、、いや、同い年くらいの女の子がいた。僕は、「あぁ、またやっちゃったのか」といつものように通り過ぎようとした。この市の雨に長時間触れていると心の無い「人形」になってしまうからだ。僕も父の仕事を見ている身の上、何回も人形になってしまった人を見たことがある。だから何も珍しいものでは無かった。でもその日は何故か気に留めてしまった。きっかけは些細なことかも知れない。「その日のラッキーカラーが黄色だった」とかそれこそ「平凡な生活を抜け出したい」からだったのかも知れない。
「、、、ねぇ 大丈夫?寒く無いの?」
声をかけてしまった。ゼロに怒られるかな、、、なんて考えてるうちに人形になりかけてる人とは思えないほどの大声が飛んできた。
「あんたには関係ない、、、ほっといて!」
せっかく親切にしてあげたのに、、、とかいつもの僕は考えただろう。でも今日は違った。
「ほら、僕の傘に入りなよ。君、名前は?」
僕らしく無い言葉だな。なんでこんな言葉が出たのか自分でもわからない。
「、、、ミナよ。晴沢ミナ。」
「、、、そっか。よろしくミナ。」




