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桑道家抄:理屈っぽい私と、エントロピーな日常の謎  作者: コワモテ
思い出の味

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面影:亡き祖父と父①

卵かけご飯にかけた、冷えた醤油のことを思い返していた。あのとき少し残念な気持ちになったが、よく考えれば卵だって冷蔵庫から出したばかりで冷たいのだ。なぜ卵はスーパーでは常温で売られているのに、家では冷蔵庫で保管するのが当たり前になっているのだろうか。買ってきてすぐの卵を使ってみたい衝動にかられるが、温かいごはんと冷たくない醤油を同時に揃えることは、我が家では現実的ではないと思い直す。


これほど細かい条件を感じ取れるほど、私の舌は鋭くないだろう。念のため母に、送ってくれた醤油のことを聞いてみよう。


翌日、母とのビデオ通話を繋ぐとすぐ、末っ子で年中のアキラと、小1のレンがカメラ前のポジション争奪戦を始めた。アキラとレンは年齢が近いこともあって、最近は何かにつけて張り合ってしまう。


アキラは、地域の消防団が主催した合宿で友達と一泊したのがよほど楽しかったらしく、祖母に向かって興奮気味に話している。

「あのね、それでね、カレーをね、みんなで食べたんだよ!」

あの合宿の日は、行方不明だったレンのGPSが見つかった日でもあった。偶然が重なると、妙に記憶が鮮明になる気がする。


ようやく本題を切り出すと、母は「色々な種類が売られていたけど、懐かしいのがいいと思って」と、パッケージに『創業以来変わらぬ味』と書かれた商品を選んでくれていた。やはり味覚に問題があるのだろうか。


そのとき、猫が画面の中の母の前を横切った。

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