共鳴:バカ話の本質②
イムラが心配してくれる。アキヤマは父にちなんだエピソードをひねり出してくれた。
「そういえば、トオルが親父さんのオールドパーをこっそり拝借してきて、みんなで回し飲みしたことあったよな」
「懐かしいなあ、『あの味が忘れられない』とか言ってたら、カシワギが普通にコンビニで見つけてきて」
「そうそう、またみんなで飲んでみたら『なんか味が違う、偽物だ!』って」
「たしか『アルコール度数が40以上なら燃えるはずだ』とかドンちゃんが言い出したんだよ」
「うん、あのあとカズが速攻で、逆さにした空き缶のくぼみに垂らして供養してた」
「シワギさん、『6,000円もしたのにい』って泣いてたぞ」
「点火したのは俺じゃねぇよ。オダだったろ」
「あのとき部屋を暗くしてかけてた荘厳な曲なんだっけ?」
「QueenのLove of My Lifeだったよな、たしか」
「いや、あれはWho Wants To Live Foreverだったと思うぞ」
3人で話しているうちに、当時の光景が次々と浮かんできた。その場に居ないのに名前が挙がるような、愛されキャラが多いのが誇らしい。
「ふう、トオルはなんでか変なネタが多いよな」
「発想が変わってるからな」
「いや、お前らも同じようなもんだろ」
アキヤマといえば「電気ポット点けっぱなし事件」だろう。深夜からの山越えのドライブは今でも語り草だ。
イムラは「手榴弾の投擲訓練」が印象深い。海岸で適当な石を拾って、口でピンを引き抜く真似をしてから、頭越しに投擲する遊びだが、瓶が細いオロナミンCは強敵だった。
私の「カラオケボックス毒ガス事件」と「人体の不思議騒動」も、やり玉に挙げられたことは言うまでもない。
「バカ話は尽きませんなぁ」
「知的な話も募集中でーす」
3人とも話し疲れて、店内のテレビに目をやっていた。量子もつれがテーマの曲を作った縁で、宇多田ヒカルが科学特番のナレーターを務めることになったらしい。




