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桑道家抄:日常の小さな謎からつながる共感ミステリー  作者: コワモテ
行方不明の荷物

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1/9

完璧

「荷物、届いてなかった?」

妻のミサキからの一言で、日曜の穏やかな空気は流れを止めた。彼女が見ているスマートフォンの画面には、先ほどの質問の根拠となる事実が表示されている。


『配達完了のお知らせ・15日前』


その荷物は、小学生になるレンのために注文していた見守りGPS端末だった。玄関、リビング、物置き部屋。みんなで協力して家中を探して回ったが、荷物は見つからなかった。


日中、在宅ワークをしている私がインターホンで応対し、玄関先への置き配を指示する。そして夕方、パートから帰宅したミサキがそれを家の中に取り込む。この完璧なる連携プレーで、これまでは一度のミスもなかったのだ。


「トオル、あの日本当にインターホン出たの?玄関先に放置されたまま盗まれたんじゃないでしょうね」

ミサキの視線が、被告人を見る検事のように鋭くなる。半月も前の記憶など曖昧だが、私はインターホンが鳴れば必ず対応している。だが、彼女の剣幕に押され、私は反論の言葉を飲み込んだ。


(自分だって、その日荷物を家に入れたかどうか、これっぽっちも覚えてないくせに。もし玄関先で盗まれたのだとしたら、それはむしろミサキの責任範囲じゃないか)


私は汗を拭きながら、宛先不在の皮肉を口にすることで、何かの帳尻を合わせようとした。


「登録しなきゃ場所は表示されないんだよな、GPSなのに」

兄のリクと同じGPS端末の、色違いを注文したので、登録が完了するまで見守りアプリに表示されないことは知っている。たとえ表示されたとしても、自宅にマーカーが重なるだけで、どこにあるかまで分かるわけではないのだが。


ミサキが取り込んだ郵便受けの中身に、自治体からの資源ごみ回収の曜日変更案内を見つけた。パートのシフトのことを考えると、来月からは資源ゴミも私が担当することになりそうだ。


ネコを飼っている我が家では、資源ゴミを前もって玄関などに集めておくことができない。爪とぎのターゲットにされるだけならまだしも、うっかり粗相をされてしまえば、回収日まで匂いという同居人を追い出す術はないのだ。


資源ゴミは自然と、ドア付きの部屋に分散されることになる。回収日の前日に家中から集めてまわる手間を想像すると、すでに重い気持ちになってしまう。負担が増える前に、GPSの問題だけでも解決してくれることを祈った。

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