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努力の方向性  作者: 鈴ノ本 正秋
第一章 中学サッカー部編
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【第一章】 第十六話

まだ肌寒い春の朝。俺たちサッカー部は校庭で整列していた。昨日行ったサッカー部内で行った一年生対二、三年生の紅白戦での総評を監督が発表し、これから一軍と二軍に振り分けていくのだ。


サッカー部は一年生から三年生まで合わせて、四十人。この人数全員で、練習をしていくにはあまりにも人数が多すぎる。だから一軍、二軍というように分け、練習をこれから行っていくのだ。そして、もちろん俺の狙いは一軍だ。


横三列ほどに並んでいた俺たちの元に、武井監督がバインダーを手に持ちながら現れた。そして、俺たちは声を揃え、武井監督に挨拶をし、武井監督も「おはよう」と答えた。


「それでは早速だが、昨日行ったサッカー部内の総評を話していこうか」


武井監督はバインダーを開き、挟んであった紙をちらりと見た。


「一年生の諸君。まだ一週間ほどしか、一緒に練習をしていないチームであったのに、よくやっていたと思う。一点目の隙を突いたカウンター攻撃、二点目の連携したうえでの追加点。かなり見事だった」


俺は思わず笑みを浮かべてしまっていた。俺はそのどちらの点数にも関与している。それにこの武井監督がここまで褒めるとは思っていなかったからだ。

しかし、ここで緊張が走った。


「だが、それだけだ」


武井監督の眉の角度が付いた。


「ハーフタイムの様子を見たが、渡辺と間中以外は顔が下を向いていた。目が死んでいた。まだ試合が終わっていないのに」


そして、武井監督は二、三年生の方へバインダーを向けた。


「二、三年生にはお前らに先取点は取らせるように言った。二点目はお前らの頑張りの上でのゴールかもしれないが、その後は反対に何度もゴールを決められていた。サッカー部に所属したばかりかもしれないが、厳しいことを言わせてもらおう」と武井監督は一息つくと、続けてこう言った。

「試合中に負けが少しでもチラついた奴はこのサッカー部にはいらない。試合終了のホイッスルが鳴るまで戦い続けられる奴だけ、このサッカー部に残れ」


俺の全身を緊張が撫で、痺れた。そして、俺たち一年生の横に並ぶ先輩たちの顔をちらりと見た。総毛立つ思いだった。

先輩たちの目は俺たちとは違う。目に覚悟が乗っていた。


俺にはこの覚悟があるのだろうか。


「だが前に言った、渡辺と間中は今日の放課後の練習から一軍の練習に混ざれ。他の一年生は全員、二軍だ」


昨日の紅白戦で結果を出せた、と満足していた自分に非常に腹が立った。


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