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突然ファーストキスを奪った先生からいきなり溺愛されているんですが  作者: 清見こうじ


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閑話休題~ワタシの知らない先生の事情 遊園地デート編~③

 観覧車に乗って。


 俺は自分の決意を示すために、あえてサホの隣には座らず。


 でも、あまりにも決意が固すぎたのか、表情に出てしまい、逆にサホを不安にさせてしまった。


「なんか、怒ってる?」


 なんて言われてしまった。


 俺がサホに対して申し訳ないと思っていることと、その反省を含めて、自制しようと決意したことを話す。


 自分からはサホに触れないこと。


 でも、手だけは繋がせて欲しいこと。



 サホからの接触はオッケーにしたのは、まあ、ちょっと逃げではあるんだけど。


 でも、サホのことだから、自分からなんて、ないよな、きっと。

 


「私からも、触らないって言ったら?」


 案の定、確認が入る。


 やっぱり、サホからはないよな。でも、自分で決めたんだ。



「……超ツラいけど……ガマンする」


 

 俺の決意はダイヤモンドより固いんだ!



「……私からは、恥ずかしいから、リクからしてほしいな、やっぱり」



 ……決意は、一気に軟化した。


 硬度がダイヤモンドから豆腐に急降下した。



 反則過ぎだろ!


 そんな、そんな可愛い顔でねだられたら、折れるしかないじゃないか、なあ? 



 仕方ないよな? サホのお願いだし?



「あ、だからって、やたら触っちゃダメだよ?! ハグくらいまで!」


「………ハグは、オッケーなんだ? 他のところを触るだけは?」


「ダメ! 触っちゃダメ!」


 サホ、気付いてる? 


 今、君は俺にハグのオッケーを出したんだよ?


 なのに、他のところ触っちゃダメとか!



 こういうのを、生殺しって言うんだよ?!




 ハグしたら、ついでにあっちとかこっちとか、触りたくなるかもしれないじゃないか?!


  いや、なる!

  

 なのに、触るな、なんて……俺の中の色々が、また暴走しそうだよ……ツラい。


 でも、サホにしたら、最大限の譲歩で、想定外の許容なんだよな。 だったら、それに甘えよう。


 サホの隣に移動して。さっそくハグする。


 

 ああ、サホ、柔らかいなあ。

 腕の中にすっぽり収まって、相変わらず爆弾級の弾力が一部あるけど、それ込みでホントに、ふわふわやわやわプルプルしてて。つい頬擦りしてしまった。

 ほっぺたも柔らかい。


 戸惑いながらも素直に腕の中にいるサホ。


 ……やっぱり、ツラい。



 これはある意味、さっきの自制宣言以上の罰かもしれない。


 うん、これを俺の罰、と言うことにしよう。

 ある意味、天国のような地獄のような罰なんだか役得なんだかって感じだけど。

 

 観覧車が頂上に到達し、夕陽に染まった街並みが見えた。サホも目をキラキラさせて景色に観入っている。夕陽に照らされたサホの肌が、頬が、唇が、とってもキレイで……色っぽい。


 一応断って、サホにキスする。

 サホは素直にうなづいて、目を閉じる。



 うわっ! 可愛すぎ! そしてエロい! その顔!


 俺を苦しめるために無防備にしてるだろ?!


 俺は夢中になってサホの唇をむさぼる。

 そうしたら?!


 サホ、舌を絡めた? 自分で?!


 無意識に舌を引っ込めたけど、たどたどしいながら、サホは舌を突き出して俺の舌を追ってきた。


 もう、ガマン出来ない!

 

 サホの口中をまさぐり、抱き締めた体をくしゃくしゃに抱き潰すくらいになで回す。


 パーカー越しに、下着の筋が触れる。これは、ブラジャーの、ホック?

 外したら、怒るかな?

 上からなら、触っても?


 手を思わずパーカーの裾に移動させようとした時。


 ガタン、という振動で我にかえる。


 俺は思わず、唇と手を離し。


 とろんとした潤んだサホと目が合う。


 ……ヤバかった!

 

 さっそく約束破って、触るところだった。


 ……でも、惜しかった。



 観覧車は、もう残り四分の一くらいの高さまで降りてきていた。


 サホは夕陽に染まってるわけではなく、顔を赤らめて。

「……景色、結局あのあと、見てなかったね………」

 恥ずかしそうに言った。



「まあ、お約束だし……もう、下に着いちゃうな」


 この時間が終わって欲しくないけど、ある意味助かった。

 サホの前に、俺の自制心は豆腐以下だ。


 分かってたけど、いつもいつも思うけど、さ。


「もう一回、乗る?」


 ………………サホ………………。


 俺の自制心も豆腐だけど、サホの無自覚の誘惑の方が、絶対始末に悪いよな!!


 


「……やめとく。電車に間に合わないと困るし。……色々困るし」


 時間制限を意識して、何とか自制心を建て直す。


 正直その制限がなかったら、とうに理性が崩壊している。


「また、遊びにこようね」


 無邪気に可愛く笑うサホの能天気さが羨ましい。


「そうだね……」


「どうしたの?」


「いや、名残惜しいなあ、って。もっと時間があったらいいような、ないから助かったような、複雑な気分」


「そうだね。時間制限があるから楽しいっていうのもあるかもね」


 俺の葛藤が全く伝わってないんだな。それが、サホのいいところだし。


 そんな無邪気で天使みたいに純粋で、全く俺の決意を疑ってないところとか、……泣くほど可愛いし、好きだし、だから、ツラい。


 


「ホントにサホは純粋で天然で、マジ天使みたいだよ……ホントに」




 無邪気な天使が、俺を誘惑しまくって、苛んでくる。



 やっぱり、これは、天国のような地獄だな。




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