序章 悪夢
人生初の小説執筆、そして投稿です。ユーザー登録の際に掲載されている小説の数が星の数ほどあることに驚きを隠せませんでした…。こんなにいっぱいある中読んでもらえるのか不安で仕方ないです。どうか優しい目で見てやってください。
世間はあの事故を『悪夢』と形容した。
テレビ中継を見た誰もが、後日新聞を見た誰もが、評論家・専門家を交えたクローズアップ番組を見た誰もが口を揃えて、やはり言った。
「凄惨な悪夢だった」と。
ー高坂西中学修学旅行生一向飛行機墜落事故ー
学校を巡る事件では、教師の杜撰さがフューチャーされ責任転嫁が勃興するのが通例だが、この事件ではそんな人間らしい生々しい演出が起こることは一切無かった。というより、しようがなかった。
789便機長、副操縦士等航空会社関係者、修学旅行客である中学3年生216名、携わった教師18名が死亡。総計245名が2時間のうちにこの世を去った。
原因は旅客機に使われていた部品が発火したことにあったと言われている。禁止されている素材を内側のコーティングに使ったのだという。発火原因である素材は隠蔽工作でもしたかのように綺麗に燃えて跡形もなかった為専門家の憶測で留まり、真相は灰となり空に昇華されてしまった。ただひとつだけ言える事実は、ー凪坂蘭ー彼ただ1人が生き残ったということだけだ。
こんなふうに約2年が経った今でも特番でたまにこの事件について放映している。そもそもテレビなんかでは事故を事件という字面で報道しているらしい。事件だと言ってしまうあたり事件性の線を切れずに追いかけまわしているのは簡単に見てとれる。
やはりただ1人の男子生徒が生き残ったっていうのが引っかかったのだろう。その生き残った彼に事情聴取を試みるテレビ主催の企画もあったらしいが、遂に接触は叶わず企画はお蔵入りになったとの記事が新聞に掲載されていたりもした。
「悪夢、悪夢五月蝿いんだよ。僕からしてみれば、それまでの日々の方が悪夢だったんだ…」
彼、凪坂はテレビに向かって吐き捨てた。




