たとえばこんな小テストの珍回答~四字熟語編
たとえばこんなシリーズ。今回は相方のクーネル寺林の方です。
エレベーターの四字熟語クイズで「上□下□」に「上司下僕」と思い浮かんでつい泣けた。残業で一人で乗っててよかったと思った。
「あ~最初にいっておくけど弱肉強食の穴埋めに焼肉定食とか、五里霧中のふりがなにバナナとかは見飽きてるからやめろよ。絶対にやめろよ。やったら進学指導で親に見せるからな!」
「それ絶対にフリじゃん! じゃあもし先生を笑わせたらポイントくれる?」
「無理無理。先生を笑わせられたらたいしたもんだ」
「よーし、みんな、やってやろうぜ!」
「「「「おーっ!」」」」
「だからやるなって言ってるだろ!」
オレの名前は寺林強。田舎の地方都市で学習塾の講師をしている。
こうなった理由はオレがちょっと前までお笑いをやっていたのを子供らに知られてしまったからだ。モヒカンで顔にペイントもしていたのに何でバレたんだろう(答:馬面の上に死んだ魚の目をしているから)。
そのせいで子供らは何かにつけオレを笑わせようとしてくる。一発ギャグにはじまり物ボケやショートコントまで。そのたびにオレは「冷徹なボケ殺しマシーン」と化して返り討ちにしていたのだがそれが更に子供らを無駄に燃え上がらせてしまったらしい。
そして今日の四字熟語の小テストである。一人がひとつ珍回答をぶっこんできているのだ。タイキを中心にして子供らが変な結束力を見せるのもいったい何なのか。
1.空白を埋めて四字熟語を完成させなさい。(各5点)
「九□一□(正:九死一生)」→「九州一帯」
……シンイチくん、何で君まで一緒にこんなことやってんの? 小さい字で「すみません」とか書かなくていいから! 「九州のおばあちゃんを思い出しました」とかもいいから! ああ確かに集中豪雨とか大変だったし。
「□耳□風(正:馬耳東風)」→「木耳炒蛋(風に×)」
……キョウコちゃん家は中華屋さん「東京事軒」だったか。それでメニューの木耳炒蛋を思い出した? でも自分で問題直したら駄目でしょ! まあお父さんは誉めてくれるかも知れないけど。
「□肉□食(正:弱肉強食)」→「羊肉朝食」
……タイキはあえてこれを選んだってことか? はぁ、わざわざジンギスカンモーニングとかルビ振ってあるし。いやどんだけ大食いでも朝からジンギスカン食べる人はいないだろ! あれ? でも北海道の人なら……って、そんなわけあるか!
2.次の四字熟語によみがなをつけなさい。(各5点)
「一粒万倍(正:いちりゅうまんばい)」→(いちまんばけん)
……ナルミちゃん、数字は合ってるけど意味は逆だし。お馬さん大好きなのは分かるけどお父さんにはもう少し控えるように言っておいてくれ。「先生、また勝ったんだろ?」ってからまれて酒を奢らされるのもかなり迷惑なんだけど。
「無理難題(正:むりなんだい)」→(クレーマーの田所のババア)
……ノリアキくん、田所のババアはいらない情報だよ! クレーマーでいいんじゃないの? いやクレーマーでも不正解だけど。パートのお母さんも大変なのは分かるけど、外であんまりこういうの言わない方がいいぞ。誰が聞いてるか分からないし。
「曖昧模糊(正:あいまいもこ)」→(I’m a 妹子)
……サオリちゃん、ちゃんと読めてるのにあえてボケる必要ある? その上英語も歴史も頑張ってますって、そういうアピールもいらないから! ……ポイント付けとくか。
「厚顔無恥(正:こうがんむち)」→(ご・ほ・う・び・はぁと♡)
……ジュリアちゃん、これ別の意味で相談案件だろ! それとはぁと♡はやめろ!
ぶたれてるのはまさかお父さん? いま思い出したけどジュリアちゃんのママは会員制高級クラブ「エルヴァイラ」のオーナー? そういえば名刺もらってたような……いやいやオレは絶対行かないから!
あれ? だったらこれすでに英才教育始まってるのか? ジュリアちゃんがオレに「先生って理想のタイプなの」っていうのはそういう意味なのか!
え~ジュリア様。ポイントは差し上げますのでどうかご勘弁を。ガクガクブルブル。