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飲み物

作者: ギャギャイギャス

 二階の窓辺に座り、七杯のミルクティーを飲んだ。

 外の景色は穏やかで、人は動き続けている。

 私はバックからペットボトルの緑茶を取り出して飲み込んだ。

 このカフェのこの席はいつもあいていて、もっぱら私の指定席だと勝手に解釈している。

 ステキな眺めを感じながら、コップに満タンの野菜ジュースがのどを潤す。

 いつもならば本を片手に好きなだけこの場所にいるものだが今日は違う。昨日の不思議な、そして非現実的な出来事の事を誰かに話したくてしょうがないのだ。

 私はカップに半分以上残っていたココアを一気に飲み、カフェを飛び出した。

 道を歩く私は、知り合いがいないか周りの人々を見ながら歩く、が、そんな偶然は滅多にあるものではない。

 季節は寒さを運んできていた。ポケットの中の熱い缶コーヒーがぬるくなったので、蓋を開け飲み干した。

 私が昨日見たあれは一体なんだったのか。

 分からない、まったく分からない。だからこそ誰かに話さなければならない。しかし話したとして信じてもらえるような事でもない。

 わたしは一リットルの牛乳パックの蓋を開け、それを一気に飲み干し、二百ミリリットルの牛乳瓶の蓋を開けそれも飲み干した。

 昨日は昼間でも電灯の光が必要なほどのどんよりとした曇った日だった。誰もが雨を予感していたがしかし雨は降らず、日が沈むと星の光の届かない漆黒の空間になった。

 そんな夜だからこそ、不思議な事というのは起こるのだろう。

 私は紙パックのオレンジジュースにストローを刺して一気に飲み込んだ。

 しかし私は迷ってもいた。あの不思議な出来事を話したところで、その事象について説明してくれるわけも無く、それ以前にあたりまえのように信じてさえもらえないだろう。

 サイダーが喉を通る爽やかな感覚が過ぎる頃、私は昨日の不思議について語ることはしないと決めた。おかしな人だと思われたくはないし、危険があるわけでもない、そのうえ楽しい話でもないのだ。

 私はそう決めた後、両手に林檎ジュースとコーラを持ち、交互に飲みながら帰り道を辿った。私だけかもしれないがこの二つは意外と合うのだ。

 しかしそれにしても喉が渇いた。私は麦茶を飲んだ後、最後に一杯の水を一気に飲み干した。

 うまいっ!

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