危険な裏取引 ーカスタニア公爵視点
もう一つの物語で名が出てきた“カスタニア公爵“側の話です
「余計なことを!!」
届いた手紙をクシャリと握り潰すと、それを力任せにゴミ箱へと投げつけた。
「どういたしましょう」
「氏族から外す。今から書状を認めるから先方に届ける準備をしておけ」
「承知いたしました」
無表情の侍従は低頭すると部屋から静かに出て行った。
「…………カスタニアの名を汚しおって」
苛立ち、手に持つペンが軋む。
なぜリトス候の領地でそのような愚行を犯したのか。私はリトス候の領地を掌握しろと伝えたのだが、これではリトス候が敵に回ってしまうではないか。全く使えない駒だ。せっかく上位まで引き上げてやったが、無駄な徒労でしかなかったな。
簡素に書状を書き上げると、机にあったベルを鳴らす。先ほどの侍従がやってくると、私から封蝋の押された書状を受け取った。
「返事はもらってくるな」
「はい」
再び侍従は低頭すると、部屋から出て行った。
「くそっ! どいつもコイツも」
拳を叩きつけた机を睨みつける。
何でこんなにも使えない奴等しか我が家の周りにはいないのか。
それでなくとも我がカスタニア公爵家の流れを汲むクリュスタロス侯爵家もラリス侯爵家も、あの胡散臭い子爵の娘を妃に推したものだから、その悪影響は当家まで及んでいる。
あんな小娘のせいで。
他の令嬢よりも少しばかり魔力が強かったとはいえ、やはり成金の娘では妃という大役など出来なかったではないか。それどころか国の金を浪費するだけで、教養のかけらさえも見えない振る舞いだった。
恥をかいただけでも腹立たしいのに、自分の子を皇太子にさせるためにアフトクラートに手をかけようと愚行を働いた。それが今後どんな影響を及ぼすのかも考えずにだ。直接ではなかったとはいえ、一族の人間が推挙した人物が蒔いた種なのだから、今後の人事にも関わってくるだろう。
近しい親族に年頃の娘がおればそんなことはさせなかったのだが。
重いため息と共に目を瞑る。
……ただ、あのメディアン公爵家の娘がトルス皇子の妃にならなかった事だけは褒めたいがな。
うちには男子しか生まれない。
それはそれで良いが、やはり娘は欲しかった。
流星のごとく現れたリトス侯爵にはまだ婚約者はいない。
どこもかしこも彼の妃の座を狙っているが、うちにはその駒がいない。
少し下層にはなるが、氏族の家から娘を引き上げて養女にするしかないだろうか。
どうにかして、我が血筋を本流に入れたい。
現皇后にクリュスタロス家の娘がなったは良いが、アフトクラートが出てきてしまったのだからカスタニアの血はまた本流からは外れてしまうだろう。
「……なんとも長い呪縛だ」
そう言って自分の手の平を見つめる。
700年近く前に、たったの50年も王朝として君臨出来なかった我が公爵家は、何度か没落と再興を繰り返し、怨念のように長い間国の主権を狙い続けているが、いまだそれが叶わない。
つまりは、アフトクラートが当家には生まれてこない。
もしそれが出来たのならば、あっという間に帝国の盤はひっくり返る。
皇女にご降嫁いただき、その血を濃くしたかったのだが、ロクサーナ皇女はポース家に盗られてしまった。
あれほど皇女を望んで皇帝には多くの寄付も贈り物もしてきたのだが。
「先代は扱い易かったのだがな………」
父は皇族の秘密を知っていた。
それは皇族の歴史にあってはならない秘密。
だから父はそれを利用して逆らえない先帝を良いように使い、我がカスタニアと縁故の深い人間を数多く帝城へと送り込めたのだ。それなのに、現皇帝のレクスタ皇帝はそれが通じない。何事にも動じる事がなく、かといって争いもせず、静かに我が一族の人間を帝城から弾き出していっている。
それは皇帝だけではなく、あのクシフォス宰相補佐官が静かに動いているからでもあるのだろう。
「全く、侮れん子息だ」
消してしまいたいところだが、現皇帝の甥でもある宰相補佐官の暗殺がバレてしまえば、こちらの家の存続に影響してしまう。それだけは認められない。
だが、どうにかして潰したい。
「バシリッサ公爵は奴らの北城か………」
公表はされていないが、どの公爵家もそのぐらいの情報はもう耳に入れているだろう。帝城はもとより、強力な騎士団を従える北城で囲われてしまえば苦言は難しい。
将軍はこのままバシリッサ公爵を子息の嫁にとでも考えているのだろうか。だが、クラーディ家が密約の権利を行使すると宣言しているこの状況では、いくら皇帝の弟とはいえ、容易にそれは出来ないはずだ。
しかし、先々帝の密約がどこまで効力を発揮できるのかも甚だ疑問だ。
もしリトス侯爵が皇帝となり、その約束を反故にすると言い出せば、そんな約束など消せるかもしれない。アフトクラートならこの帝国においては絶対的な存在で、ましてやライラ皇女にそっくりな彼らに対してクラーディ公爵が強気に出られるとも思えない。それは兄のリトス侯爵だけではなく、妹のバシリッサ公爵に対しても同じなわけで。
「………何とかなるやもしれないな」
妹であるバシリッサ公爵自身もアフトクラートだ。リトス侯爵は毒を盛られて倒れたのだから、今後彼が逝去したり身体的に不適任と見なされれば彼女が次の皇帝となる。
そしてうちにはバシリッサ公爵と年齢の近しい息子が一人いる。彼女に上手く取り入ったのなら、我が野望は現実を帯びるかもしれない。
ましてや現皇帝が国にも言えない秘密を抱えている状態で、さらにあんな無知な子供が帝位につけば操るなんて事は容易かろう。
ともなれば………。
「ははは! そうだな。最高だ!!」
これほどまでに面白みのある未来像などあるものか。昂揚していく思考に私は高笑いをした。
バシリッサ公爵を手に入れれば良いだけではないか!
それだけで長年の望みは成せるのだ。何とも簡単な話ではないか!
そう体に力が入った時だった。
部屋に小さなノック音が響く。
「……誰だ?」
「旦那様、ウォルベットでございます」
「何の用だ?」
「その、今お客様がいらっしゃっておりまして…」
「客だと? 今日は訪問の予定などない」
「それが、カンデリア侯爵様からのご紹介だとおっしゃる方が」
「カンデリア侯爵?」
「侯爵様からの書状をお持ちになっていらっしゃっています」
カンデリア侯爵とは地方侯爵の一人で、クラーディ公爵の手が入らない北部の地方統括である。今はちょうどカンデリア地方の国境付近にてアトミス王国とサウンドリア王国の戦争が勃発している最中で、その戦況を固唾を飲んで見守っているはずだ。
どうしてそんな地方からの書状が届けられたのか疑問を感じたが、もしかしたら防衛用の軍の派遣依頼かもしれない。
………クラーディが陣取る北部になかなか手が出せないのなら、カンデリア地方に恩を売っておいても良いだろうか。
「応接室にお通ししておけ」
「承知しました」
私は立ち上がると、部屋を出る。
廊下にいた執事にどの応接室に通したか聞けば、奥まった場所にある冬の間だと言う。
「冬の間? どうしてそこへ?」
「それは………人目につかない方が良いと執事長からの指示でして……」
「そうか」
言いづらそうな執事の顔に疑念を抱きながらも足を進める。冬の間の前にいた執事長が私の姿を確認すると、扉を開けた。
その先にいた人物。
それは足のくるぶし近くまである長いローブを着た人間。その見た目から訳ありと判断した執事が奥の部屋に通したのだろう。
男は私を見るなりフードを下げる。フードからは銀にも近い金髪が溢れた。
「…………あなたが、カンデリア侯爵からの書状を?」
「はい。紹介状をお預かりしております」
綺麗な顔をした青年は封蝋のされた封筒を私に差し出した。私はそれを訝し気に持ち上げるとまじまじと見た。
「………確かに、カンデリア侯爵の印ですな」
封筒に押された封蝋は見覚えのある印。さらに封を開けて見れば、便箋の下部には二つの印が押印されていた。地方侯爵の印章は、国の位置を示す記号とその家の紋を並ばせて押印するか、一つの印章の中にその二つのデザインが納まっている印章を押印するかが通例だ。だから方角を表す記号が入っている時点で地方侯爵の印章なのは確かなのだ。
それに、署名もカンデリア侯爵の名前が記されている。
私は書状を確認すると目の前の男性に視線を向けた。
書状にはカンデリア侯爵が手紙を持参した人間を紹介するとの旨が記載され、話を聞いてやって欲しいとも書かれていた。だけど、目の前の人間の正体はわからない。
とてもじゃないが、騎士兵士やカンデリア侯爵に支えている人間には見えない。
私は指で顎を撫でると、目の前の男を値踏みする。
佇まいからして平民では無いのはわかる。所作を見るに、貴族で高位の人間ではなかろうか。しかし今まで彼とはどの社交場でも顔を合わせたことはない。これだけ印象的な青年ならば、女性達の間で噂にもなりそうなのだが………。
一体この男は何者なのだ?
疑問は残るが侯爵からの紹介ならば雑にも扱えず、彼に席を薦めると私も向かいの席に座った。
「して、貴殿は?」
「私はマルクと申します」
「家名は?」
「家名ですか…………。家名は遠い昔に捨てました」
「………捨てた?」
「もし必要でしたら、そうですね。私のことは“プロスターレ“とでも」
「プロスターレ?」
帝国にそんな名の貴族はいない。いやしかし、今しがた家名は「捨てた」と。
ではどこかの貴族の子息かと悩むが、やはり何度見ても彼に似た人物に会ったことはない。公爵位である自分が知らぬならば、下層の貴族かもしれん。そう結論づけると、もう一度彼に視線を向けた。
「それで、プロスターレ殿はカンデリア侯爵とはどのような関係で?」
「カンデリア公爵とは協力関係…………と答えるのが適切でしょうか」
「協力? では、軍事的なご支援でも?」
そう聞けば、マルクは何やら考え込む。
「いえ、どちらかと言えば、彼の困りごとにご助言を申し上げていたと答えるのが適切でしょうか」
「困りごと?」
「ええ。例えば領地の事でしたり、周辺国の事。それに国内の事ですね」
「ほぉ」
胡散臭そうな話に私の目は細くなる。
「領地の事とは?」
「昨今彼を悩ませていた砂漠化についてです」
大して影響のなかったカンデリア地方でも、昨今では少しずつ砂漠に侵され始めていた。
「砂漠ですか。あれはどの地方も頭を悩ませている。して、プロスターレ殿はどのようにご助言を?」
「砂漠化の件に関しましては、助言ではなく解決を」
「解決?」
彼の言葉を訝し気に聞く。
帝国の砂漠化に解決方法などない。リトス侯爵が現れるまでは。
「それはどのように解決なされたのかな?」
「我らが崇める神の力により解決していただきました」
「……神?」
その言葉を聞いて、彼が何を求めて私に近づいて来たのかわかった。
相手の正体がわかると、私はフンッと体をのけぞらせてソファに体を委ねる。そのまま目の前の男を見下すかのような視線を向けた。
プロトス帝国では宗教概念は薄い。そもそも初代プロトス皇帝を神に近しいものとして崇拝しているからだ。帝国における全ての恵みはプロトス皇帝の力からくるものだと信じられている。端的に言えばプロトス教だ。その信仰の象徴が子孫である皇族でもあるのだが。
しかし私はそこまでそれを信じてはいない。信じてはいないが、その立ち位置への興味は大いにある。
それにしても、カンデリア侯爵は何を思って私にこの男を紹介したのだろうか。
「残念だが、私には信仰心というものは大して持ち合わせていない。信じるのはプロトス神のみで、それ以外は必要としていない。ご足労だったが、本日はお帰りください。寄付でしたら、少しばかりはいたしましょう」
「いえ、本日は宗教の勧誘ではありません」
「では、何を?」
「そうですね。貴方の希望を叶えに来ました、と言えば伝わりましょうか?」
その言葉に私は失笑する。
「ははは。やはり、宗教勧誘ではありませんか。どうぞ、お引き取りを」
そう言って執事を呼ぼうとベルを鳴らそうとした時だった。
「初代皇帝似」
その言葉に私の手は止まり、目はソファに座る男に向いた。
「…………何?」
「アフトクラート、………を手に入れたいと考えておいでですか?」
「どうしてそれを?」
「もしそれをお手伝い出来ましたら、我らの後ろ盾になっていただけますか?」
薄らと笑った男の目は細まり、気味悪く光る。血の気の薄い彼の白い顔が、余計にそれを不気味に見せていた。
体は細く、騎士にも見えない優男に見えるのだが、何故だか私の足はすくむ。
ぐっと唾を飲み込むと、肌に感じる妙な不快をそのままに私は彼に答えた。
「どういう意味だ?」
「深い意味はありません。ただ、我々は少し困っているのですよ。もし私共の手伝いをしていただければ、あなたには念願のアフトクラート…………に近しい人間をお渡ししましょう」
「…………近しい、とは?」
どういう意味だ?
それはアフトクラートの双子の事ではないのか?
どう考えたって、今や双子のアフトクラートは帝城……いやクシフォスの手の中だ。それなのにアフトクラートを手に入れる事が出来るとはどういう意味なのか?
まさか見知されていない皇族を攫っているとでも?
だが、皇位継承権を持つほどの人間は事細かに記録されていて、住まいも把握されている。その中で行方不明となったのはライラ皇女だけだ。
先々帝のお子達のいずれかの隠し子だろうか?
だが先帝時代に実権を握っていた父ならば、そのような重要な話は耳に入れているだろう。
となれば、誰かと裏取引でもしているのか?
例えば、あの双子の側近を既に手中におさめているとか?
この私でさえクシフォスのガードは硬く、あの二人をどうにも出来ずに手をこまねいているのに、目の前の男はそれが出来たとでも言うのだろうか。
「おや、それをお聞きになりますか? ふふふ。お名前を出しては不敬かと思ったのですが」
そう言って男は不気味さを残した顔で微笑む。とてもじゃないが、不敬を気にしているような態度には見えない。
「貴様。プロトス皇帝一族を馬鹿にしているのか? 聖職者と言えど、聞き捨てならぬぞ!」
そう厳しく叱り付ければ、男の表情は一転する。気味の悪さを残しつつも眼光だけは鋭くなったのだ。
「ご心配には及びません。出自を教える事は出来ませんが、アフトクラートの力を受け継いでいる人間なのは確かですから」
「………それはリトス侯爵かバシリッサ公爵という事か?」
「ふふふ。それはお会いしてからのお楽しみということで」
そう質問すれば男はおっとりと微笑むだけだ。その様子がやはり不気味で、私の額には汗が伝い、警告するかのように脈は速まる。
もしアフトクラートのどちらかを手に入れられるにせよ、それは危険な話だ。誘拐などしたら国を敵に回すようなものだ。
「二人を誘拐をしようとしているのではなかろうな?」
「誘拐? いいえ。説得はしておりますが、そのような不躾な事は致しておりません」
「そうか、説得か……」
誘拐ではないと聞いて安心する。それならばと思うのだが、それでもどこかこの話を怪しく感じてならない。
「……もう一度確認するが、私を拐かそうとしてはおらぬまいな?」
「アフトクラートの血縁……その一点に関しては保証いたしましょう。ですが私の話に同意もいただいていない公爵閣下に、こちらの手の内を全てお話する事も出来かねます」
「何?」
「こちらも時間がありません。貴方が決断されないのであれば、次の宛てを探さねばなりません。ですので私はこれで」
「ま、待て!」
腰を上げた男を私は止める。
「貴殿の宛てというのは……」
「あなたの代わりに、後ろ盾になってくれそうな貴族を探すのですよ」
「まさか、さっきのアフトクラートの話を?」
「ええ。この国で後ろ盾になっていただくのですから、こちらもそれなりのものを提供しなくては」
「……どこへその話を持っていくつもりだ?」
「そうですねぇ……。高貴な方を預けるのですから、それなりの地位の方ではなくては。例えば、メディアン公爵家、……とか?」
「何?」
その名に私は動揺する。
メディアン公爵家だと?
あのメディアン家にだけは出し抜かれたくはない。
それでなくても今はアフトクラートの登場で、国内はかの家への支持に傾いていると言うのに。
私は机に置かれた紹介状に視線を落とした。地方侯爵の署名の文字に迷いはなく達筆だ。目の前の男に脅されて書いたとも思えない。
もしこれが本当の話で、他の家に……ましてやメディアン公爵家へ同じ話を持っていかれてしまえば?
忌々しい白髪のメディアン公爵の顔を思い浮かべると、私はごくりと唾を飲んだ。
「本当に、アフトクラートを手に入れる事が出来るのか?」
「ええ」
フードの男は涼しい顔で答える。それが不気味でたまらない。
手は小刻みに震え出しているのに、私はこの危険な話に乗ろうとしている。
「………まずは証拠を見せろ」
「実はその証拠が逃げてしまいましてね」
「は?」
「ですから、まずは私と一緒に探していただきたいのです。その“証拠”を」
「何を馬鹿げたことを!!」
やはり偽りだったではないかと、信じた自分に腹立たしくなった私は怒りに任せて席を立ったのだが。
「困りましたねぇ」
そう呟くが、目の前の男は全く困っていない。
「でしたら、その男が捕まるまでの間、保証金を払えば信じていただけますか?」
「保証金?」
「ええ。20万金貨でどうでしょうか?」
「20万だと??」
「もし期限までに捕まりませんでしたら、ご迷惑料としてそのお金は差し上げます」
「…………」
20万金貨といえば砦付きの城が買えるほどで、中堅の貴族でさえ易々と出せぬ金額だ。一体どこまで本当の話なのだろうか。さっきから真偽のわからない、だけど重大な話の応酬で、頭がクラクラとしてくる。
「保証金でしたら外の馬車に載せてきました。見ていただければ、こちらの誠意もわかっていただけるというもの。今から確認に行きますか? 一台に入り切らなくて、もう一台荷馬車が必要になりましたが」
そう言って男は笑う。
20万金貨を手形や小切手ではなく丸々馬車に載せてきただと?
私はその恐ろしい話にうんともすんとも答えられずにいた。
「疑われるのは好きではありません。見に行かれますか?」
目を伏せがちに無駄なく立ち上がると、こちらへどうぞと私を外へと誘う。
本当にこの男についていって良いのだろうか?
これで本当に20万金貨が馬車に積まれていれば、私は逃げ道を潰される気さえするのだ。それなのに彼の提案を強く拒否が出来ないのはアフトクラートへの欲が勝るからだろうか、それとも因縁のメディアン公爵家への対抗心なのだろうか。
その答えが出ないうちに、私は男に続くように立ち上がる。それは光を求めて彷徨う羽虫のように、ふらふらと男の後ろを歩き出したのだ。
<独り言メモ>
お気づきかと思うのですが、最近新規の投稿が遅くなっています。
さらにですね、前々からちょこちょこやっていますが今までの投稿済みを修正したく、新しい話を出すのが遅くなりそうです。すみません。
既出の投稿分を修正する意図としては、初めての小説なものですから前半文章が読みづらい、想像移入しずらいなと感じまして。
ストーリーは変えませんが、長ったらしくて必要なさそうな説明をカットしたり、書き換えで若干のニュアンスが変化する可能性はあります。
出来れば説明図等も修正したい(時間かかっちゃうのですが……)
一部定義を変更するかもしれませんが、その場合は別途活動報告などで連絡しようと考えています。
今後もご愛読いただけますと幸いですorz。
<人物メモ>
【カスタニア公爵】
もう一つの物語でケントが毛嫌いしていた公爵。
古い昔に王朝だった家だが、その後は何度かの滅亡と再興をしている。
どうしてか白髪のメディアン公爵家にライバル心がある。
【マルク(マルク・プロスターレ)】
サウンドリア王国でヒカリ達に宿を提供してくれたあのマルク。
どうやら今は帝国にいるようだ。