合法ロリの困った姉貴 ひげ剃り!! 前編
「弟くん!弟くん!起きるのデスゥ〜!!」
アァ〜 辛い。2日間、徹夜でレポートを仕上げ、さっき寝付いたばかりなのに。
「お姉ちゃんを助けるのデス!!ホラ、早く起きるゥ〜」
毛布が跳ね除けられ、小さな両手で揺すられる。またか…………仕事で行詰ると弟の元に飛んで来て、助けを求めるのは勘弁して欲しい。
仕方がなく、パジャマのまま姉貴に手を取られ階下に降りると、ソレの用意は準備万端に整えられていた。
「さぁ、ソファーの肘掛けに頭を乗せて寝るのデス!」
歯ブラシを口に咥えたまま居間に行くと、待ちきれない様子で腰に抱き付いて来た。
「モゴ、モゴ、姉貴ファ、ファタバッ!!!」
「キャ〜〜ッ!!汚いデス!!服に付いちゃたデスョ〜!」
歯磨きをしながらの会話攻撃で、空きあらば弟にスキンシップを仕掛けてくる、姉貴を引き剥がすと洗面所に戻った。
弟のひげ剃りでストレス解消って、特殊過ぎな方法じゃないのかナ〜。口をゆすぎながら寝惚けた頭でボ〜ッと考える。
居間に入ると、ガラス天板のローテーブルの上には、姉貴のストレス解消方セットもとい、ひげ剃りセットがズラリと並んでいた。
姉貴は、1度のめり込むと極めないと気が済まない性格なので、用意されてる道具は、ひげ剃りと云ってもT字カミソリなどでなく、本格的な折りたたみ式西洋カミソリを使うのだ。
「やっぱり、止めようかナ〜 まだ、そんなにヒゲ生えてないし」
やはり、此の手のカミソリは専門職じゃあないと……。一抹の不安を超えて恐怖しか感じないのだが。
「ムム〜〜ッ、チクチクでゾリゾリです!!」
姉貴は背伸びをして頬を撫でながら、ジト目で睨んでくる。いつもの事だが俺に拒否権は無いらしい。
諦めてソファーに寝つ転がると、軟化液を小さな手で撫でる様に顔に塗り込まれ、蒸しタオルが掛けられた。
「フフッ、弟くん!気持ち良いデスか?」
黙ったまま頷くと、カシャ、カシャ、カシャとひげ剃りクリームを掻き混ぜ、泡立てている音が聴こえてくる。
こちらも本格的で、ひげ剃り用の粉石鹸を、お湯に溶いてクリームを作ってるのだ。使うブラシはアナグマの毛を使っていて、値段もそれなりにするらしい。
「フフフン❣ 用意が出来ましたョ〜、猫ニャ〜ン頭を上げて下さいニャン❣」
蒸しタオルがどけられ、ブラシを持った姉貴は、満面の笑みで言ってくる。
また始まったか………。余程、猫に未練があるらしい。
姉貴は、手の届く範囲に全ての道具をセットし、ソファーの端に腰掛けた。
「お膝の用意が出来ました!!頭を乗せるニャン!」
もう、この時点でストレスが解消されてるんじゃあないかと思える程の笑顔だ。
仕方なく仰向けになり、姉貴の膝枕に頭を乗せて目を瞑った。
小さく柔らかでスベスベな5本の指が、顔の全体を優しく撫で回し、その確認?作業が終わると、柔らかなブラシで温かナひげ剃りクリームを塗っていく。
姉貴の柔らかな太股と、ブラシでクリームを塗られる感触が心地良く、静かで涼しい環境も伴って眠たくなってきた。
「ニャン❣ ニャン❣ 剃り、ソリですニャン❣」
イカン!!眠っちゃあダメだ!!!俺は、姉貴の可愛い手に握られている、冷たく光る肉厚なカミソリから恐怖を感じ、徹夜続きの睡魔と必死に戦うのであった。
つづく