合法ロリの困った姉キ 耳掃除デス!!
「弟くん!!煮詰まりました、もう限界デス!!!」
突然、洗面所に飛び込んできた姉貴は、そう言って小さな拳を握り締めながら俺を見上げてくる。
「ファ〜〜ッ、厶ニャ、ムニャ、この前、やったばかりジャン」
またか…………………。正直、少し面倒臭い。
「イイから、協力するのデス!!」
姉貴は、ゲームをやり過ぎて寝不足な俺のパジャマの袖を掴んで、無理やり引っ張り始めた。
姉貴はホームワークの仕事に行詰ると、こんな行動をよくして来るのだ。
「さぁ、弟くん!ココに寝るのデス!!」
居間のソファーを指差し、その片隅にちょこんと座った。
見てみると、ローテーブルの上には、ソレが準備万端に並べられている。
耳掃除セットと云うのか?それにしても凄いのだ。
多分、色々な種類の耳掻きが20本位あり、ポワポワの 梵天だけでも、大小5本が用意されている。
それに加えて、ピンセット3本、綿棒、LEDライト。いつ見ても不思議に思えるのだが、耳掃除一つで大袈裟過ぎなんじゃないか?
姉貴のストレス解消方法が、弟の耳掃除ってのにも問題あると思うのだけれど、こうなったらヤラれてしまうしかない。
ソファーに寝っ転がり、姉貴の小さな両膝の上に頭を乗せた。
「もっと頭を寄せるのデスョ〜〜。…………そう、いい子ちゃんデス!」
仕方がなく、頭を姉貴の身体に近い太股にスライドさせると、喜んだ声が上から降ってくる。
「猫ニャ〜ン❣ 可愛いデス!!ナデ、撫でデス❣」
何が嬉しいのか、毎回コレを言ってくる。まぁ、姉貴は猫好きなのだがアレルギーがあるので側にも寄れず、モチロン飼う事も出来ないので、その穴を埋める代替行為なのかも。
「動いたら駄目デスょ〜 ニャンニャンちゃん」
ウヒッ!!耳の穴に耳掻きが入って来ると瞬間、目を瞑っちゃうし首が竦まるのは俺だけか?
ガサガサ、ゴソゴソと音が耳の中で大きく響く。
小さな頃から姉貴にして貰ってるので、恐怖感はないのだがくすぐったい。
姉貴は鼻唄を歌いながら、色々な耳掻きを使って実に楽しそう。
耳朶をくすぐる様に、指先で撫でてくる。
柔らかで良い匂いがする太股と、耳掻きのくすぐったさが気持ちよくなり、段々と眠くなってきた。
目を瞑り眠りそうになっている俺の耳に、エアコンの静かな可動音と蝉の鳴き声が遠くから聴こえてくる。
「ガサガサ、ゴソゴソ、ニャ〜ン、ニャ〜ン、フ〜〜ッ」
勿論、この音は常時聴こえていて、お菓子を食べてたのか甘い吐息を時々、耳に吹き込んでくるのはヤメて欲しい。
それに、かがみ込み顔を近付けて来るので、サイドの長い髪が顔に当たってくすぐったいし、甘い息も間近から掛かって非常に心地良い。もとい、恥ずかしくなり、イヤ、眠たくなり……???眠くて頭が回らない…………もう、寝ます。
半分、夢の中に居る俺の耳に、誰かが言い争っている声が頭上から聞こえてくる。
まぁ、良いか。気持ちイイから。
「玲奈ちゃん、慎重かつ丁寧にヤルのデスよ!!」
「フッ、笑止。覚醒した我が力の前には、児戯にも等しい。黙って見ていなさい」
ムムッ、なんだ? 柔らかな太股から、更に大きく柔らかな太股に変わった気がする。
まぁ、良いか。気持ちイイから。
その時、寝惚けていた俺には、気付く事が出来なかった。
思いっきりが良く、大雑把な性格のレイナちゃんの手に 耳掻きが渡ったコトに。
そして、耳には迷走神経、鼓膜などの重要器官があったコトにも。
「 サクッ 」
鼻息荒く、レイナちゃんは俺の耳の穴に耳掻きを突き刺した。
「ハンギャーーーーーーーーーッ!!!!!!」
家の外まで聴こえただろう叫び声を残しながら、これから耳掃除は一人でやるコトを、俺は固く心に誓ったのだ。
終わり