5.とりあえず…
前話に繋げるはずでしたが、長くなったために分けました。
そのため、2話更新としました。
春奈が知るマリアの最期は、国外追放エンディングか処刑エンディングの2択しかない。
ヒロインが皇太子ルートに進めば、光の神から加護を受けたヒロインを虐めるだけではなく暗殺未遂までやって、処刑される。他のルートであれば、虐めのみで国外追放だった。婚約破棄とボーフォート公爵家断絶はどのエンディングでも免れない。
一番良いのは皇太子と婚約せずにヒロイン編入を迎えることだったが、マリアが次代の皇太子妃に選ばれた避けられない理由がある。
ゲームの舞台、ヘイムダラース王国は光の神がお忍びで地上へ降りた時、その土地の娘に恋をして子を成し、その子孫によって建立した国家だ。王家は建立以来、世襲制で統治されている。
初代王は長子に王家を、王家を支えるために弟皇子達にそれぞれ公爵の爵位を与え、現在の4大公爵家の祖としたとされる。ボーフォート家はその一つだ。
更に初代王は神の血を色濃く残すため、王を継ぐ者は4大公爵家の娘達の中から相応しい者を后に迎えることとした。
長い王国の歴史の中で次代の王と釣り合う公爵家の娘が産まれず、他国の王女を娶った前例もあり、王家の血筋は厳密に継承されていない状況だ。
それでも公爵家に相応しい娘がいれば、優先的に皇后に選ばれる。
現在、4大公爵家の中で皇太子と同世代の娘はボーフォート家のマリアしかいなかった。数年後、婚約が決まるまで4大公爵家には娘が産まれることがなく、必然的にマリアが皇太子妃に選ばれることになる。
現段階では、マリアが皇太子妃候補から外される確率はほぼゼロの状況だ。今すぐ他の公爵家に娘が産まれ、なおかつ、その娘がマリア以上に優秀であれば別だろうが。
今日は一日、授業もレッスンも止めてゆっくり休むよう、母にお願いされたので、だらだらとベッドになりながらお菓子を貪る。
あー怠惰サイコー。このまま何もしたくない。今まで必死に仕事して、それで死んじゃってバカみたいだ、私。
現在置かれている状況とこれから起きることを整理していたマリアだったが、ふと気付いてしまった。
どうせ、皇太子との婚約を避けることは難しいし、無理に回避するために労力使いたくない。もう頑張るのは止めた。こうやって何もしないでだらだら生きたい。婚約まであと4年もあるし、ヒロインが現れるのも10年も先だし、とりあえず、どうでもいいや。




