表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dance with The Weapon  作者: まっしー
83/133

第5章 第6話

「ドリッピー。あなたは私を全力で守ってね。」

作戦会議のさなか、Seregranceが仕切って進めて行く。


「えっ、でもスピさんが間違いなく狙われるよ?」

「分かってるわよ。でも、そろそろ私のスキルも伝えるべきだと思って。

 その為には、たとえスピが倒されたとしても私が死ぬ訳にはいかないの。」


『…今更セレに聞くことではないと思うけど、

 俺たちが先に進むために必要なことなんだよね?』

「もちろんよ。」


『よし、じゃぁリッピー。セレを頼む。

 セレが生き残る事を最重視するべきなら、俺は単独で闘技場の真ん中で戦おう。

 リッピーはセレと一緒に、なるべく闘技場の端に寄って、

 壁を背にしながら戦って欲しい。』


「えぇ…スピさん、本気で言ってんの?

 最新エリアでバリバリやってる連中が何人もいて、1対15もありえるんだよ?

 いくら僕が守りに強いスキルだと言っても、

 スピさんが集中攻撃でやられちゃったら、守り切れる自信は全く無いよ?」


『その時はその時だよ。ただ、Seregranceだって十分強いからね。

 いい勝負できるように頑張って頭数は減らすさ。』



そしていざ闘技場。

公開決闘なので、おそらくHoneySwordは観客席にいるのだろう。

作戦会議通り、闘技場の中央に陣取った後、

Seregranceとドリッピーと別れる。


「スピ。たとえ死んだとしても、相手から目をそらさないで。

 今後もこういう強い相手との多勢に無勢な戦いはあると思うわ。

 だから、たとえ幽霊になったとしても相手を見続けて。

 隙を、攻撃できるチャンスを探し続けてね。」


別れ際、Seregranceが意味深な声をかけてくる。

彼女は、頭の回るプレイヤーだ。

わざわざこんな回りくどいやり方をするという事は、

俺が事前にスキルを知っていることで出来る油断を

連中に見られたく無いのだろう。


2人にうなずき、闘技場の真ん中に立つ。

相手は15人。

取り囲むように3重の輪を作っている。

1列目には片手剣とメイスが6人。

2列目には両手剣と槍が6人。

最後方には弓が3人。


多分こういう戦闘に慣れているんだろう。陣形の組み方が素早い。

という事は、おそらく戦闘時の連携もできているんだろうな。

やれやれ、一筋縄ではいかなさそうだ。


「おい、仲間はあんなとこでいいのかよ?

 あんだけ威勢の良かった女は、盾持ちの後ろに隠れてやがるし、

 お前が倒れたら即降参、とか勘弁してくれよ?

 こっちはイライラが頂点なんだからよーっ!」


『そりゃ奇遇だな。俺もイライラが溜まってたところだよ。

 チートチートと連日濡れ衣着せられてな。

 いい機会だ、お互い発散しようじゃないか。』


「ちっ!減らず口を!

 てめーが倒れたところで、降参ってのは認めないからな。

 残り2人もこの場に来たことを後悔させてやる。」


『ふー…あんたの言う決闘ってのは口喧嘩のことなのか?

 いいから、さっさと始めろよ。』


普段であれば相手を煽るようなことは避けるのだが、

今回はさすがに敵が多い。

しかも装備がそれなりに強く、連携も取れているとなると、

多勢に無勢でやられる可能性も十分ある。


であれば、頭に血を上らせて連携を乱し、

少しでも早く頭数を減らすことが重要だ。


『それともHoneySwordが居なきゃ開始の合図すら出ない烏合の衆か?』


「っ!始めるぞぉぉぉぉ!」


[公開決闘を始めます。準備はよろしいですか?]

躊躇なく [はい] を選ぶと、すぐにカウントダウンが始まる。


[3]

『command equip』

[2]

『wepon slot』

[1]

『no2』

[Start!]


カウントダウンに合わせ音声コマンドを入力。

開始の合図とともに先ほど挑発した相手とは真逆、後ろ方向に飛びのく。

『end』


そのまま装備を大剣に切り替え、振り向きざまに全力の横薙ぎを叩きこむ!

1列目は片手装備ばかり。防御態勢で待ち構えられると面倒だが、

不意打ちで大剣の攻撃を繰り出せれば、モーションを止められることは無い。

2~3人倒せれば儲けもの。この不意打ちの為に、さっきの男を煽ったのだ。


ザザザシュッ


狙い通り、横薙ぎが綺麗に決まる!

2人が崩れ落ち、幽霊となって立ち尽くす。


「なっ、一撃だと!?」

くそっ、やっぱり1撃じゃ倒せない相手がいるか…

慌ててくれてる間にもう少し突破口を広げたい!


そのまま奥の2列目に向かって突進しながら突きを繰り出す。


ガキンッ


繰り出した突きは、2列目で今にも振りかぶられようとしていた敵の大剣と激突。

お互い武器が弾かれ硬直が発生する。

その硬直をキャンセルし、再び体当たりの様に体を預けながらの突き!


ザシュッ


正面の敵を大剣が貫くと同時に、両脇から飛んできた攻撃がヒットする。

くそっ、不意打ちの動揺から立ち直るのが早い。

しかもたった2発でHPが5%程度も減っている。

今倒した相手を含めて、まだ3人。残りは12人。

相手が落ち着くまでに、もう2人くらいやっておきたかった。


さっきみたいな不意打ちは、いくつもネタがある訳じゃない。

出し惜しみ無く出し切って、後は悪あがきだ。

『command shortcut one end』

装備をメイスに変え、今開いた2列目の穴から囲みを脱出するフリをする。

予想通り、穴を塞ごうと2列目の相手が横にずれて詰めてくる。

連携が取れているがゆえに、取り囲む輪を小さくして穴を埋める、というのも

いつもの行動パターンなんだろう。

そうして波が伝搬するように次々に出来る小さな隙間を埋まっていく。


隙間を埋めることに注意がそれたであろう瞬間を狙って、反転してダッシュ!

先ほど挑発した男の盾を殴りつけると、その硬直をキャンセルし

素通りするように再びダッシュする。

狙いは囲いの真後ろ。ここから一気に乱戦に持ち込んでやる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ