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真緒パーティー VS 街の住人

今回は街の住人達との戦いになります。

そしてラストには衝撃の事実が明かされます!!

 突如館へと押し寄せて来た街の住人達。二階へと続く階段上からメユに見下ろされる中、真緒達は街の住人達との戦いを余儀無くされていた。


 「「「殺す……殺す……殺す……」」」


 「やぁあああああ!!」


 迫り来る街の住人達に対して、真緒は純白の剣で次々と切り伏せて行く。


 「こ、これは……!!?」


 その時真緒は、自身の体に違和感を覚える。いや、違和感を感じないというのが正しいだろう。


 「“純白の剣”の能力が発動しない!?」


 それは純白の剣に備わっている“斬り付けた相手のステータスからランダムに一つ奪う”能力。街の住人達を手当たり次第に斬り付けているのにも関わらず、一向に強くならなかった。


 「あら? その様子を見るに、その剣には相手を斬れば斬る程、強くなる能力があるみたいね……でも残念、あなた達が今相手にしているのは私が生み出した空想よ? 本来現実にはいない存在……つまり、あなたがいくら斬ったとしても、強くなる事はあり得ないのよ!!」


 「そ、そんな……」


 本来現実にはいない存在。それは体の基礎となるステータスも持ち合わせていない。全てはメユの空想から生み出されている。真緒達とは別の概念で動いているのだ。


 「“スネークフレイム”!!」


 リーマの魔導書から蛇の形をした炎が生み出され、街の住人目掛けて放たれる。


 「ごわぁあああああ!!!」


 魔法を食らった街の住人は全身が火だるまとなり、もがき苦しみながら仰向けに倒れた。


 「……さぁ、起きなさい。そしてまた私の為に戦いなさい!!」


 「……うっ……うがぁあああああ!!!」


 「う、嘘!!?」


 メユが夢の絵本のページを撫でると、先程まで全身火だるまになっていた街の住人が途端に起き上がり、リーマ目掛けて襲い掛かろうとした。


 「“ス、スネークフレイム”!!」


 「ごわぁあああ……」


 慌ててリーマは、魔導書から蛇の形をした炎を生み出し、迫り来る街の住人目掛けて放った。それにより、街の住人は再び全身が火だるまになる。


 「…………ぁあああああ!!!」


 「そ、そんな!!? さっきまで効いていたのに!!?」


 全身が火だるまになった街の住人だったが、何事も無かったかの様にリーマへと襲い掛かる。


 「こ、このままじゃ……」


 「“ブースト”!!」


 「!!!」


 手が届く範囲まで迫られたリーマ。街の住人がリーマ目掛けて拳を振り落とそうとした瞬間、何処から途もなく目にも止まらぬ速さで矢が飛んで来た。そして見事、街の住人の頭を吹き飛ばした。


 「大丈夫か、リーマ?」


 「フォ、フォルスさん!!」


 声のした上空に顔を向けると、そこにはいつもの弓矢を構え、空中を飛んでいるフォルスの姿があった。


 「ありがとうございます。お陰で助かりました」


 「間に合って良かった……それにしても、倒しても倒しても切りが無いぞ」


 「えぇ、確実に数を減らしている筈なんですが……「どわぁあああああ!!!」……こ、この声は!!?」

 

 二人が頭を悩ませているその時、二人の間にハナコが土埃を巻き上げながら、吹き飛んで来た。


 「うぐぐ……」


 「ハ、ハナコさん!!? 大丈夫ですか!?」


 「大丈夫かハナコ!!? 確りしろ!!」


 「リーマぢゃん……フォルスざん……ずまないだぁ……オラ一人じゃ、対処じぎれながっだだぁ……」


 「「!!!」」


 そう言うハナコの目線の先には、数十人程の街の住人が迫って来ていた。

 

 「くそっ、休む暇も無いのか……」


 「……うっ……がぁあああああ!!!」


 「「「!!!」」」


 三人が迫り来る街の住人に対して武器を構える中、先程頭を吹き飛ばした筈の街の住人が、何事も無かったかの様に平然と起き上がり、前後挟まれる形となった。


 「これは……本格的に不味いぞ……」




***



 

 「うぅ……ぁあああああ!!!」


 三人が街の住人達に挟まれ、追い込まれている中、真緒はある人物と対峙していた。目は虚ろで、口からは涎を垂らすアレリテが叫び声を上げながら、真緒目掛けて襲い掛かる。


 「アレリテさん!! 正気に戻って下さい!!」


 「あぐがぁあああああ!!!」


 真緒が必死に呼び掛けるも既に意識は無く、両手の爪を立てながら真緒を引っ掻こうとする。その爪は人とは思えない程に鋭く伸びていた。


 「アレリテさん!!」


 アレリテの引っ掻きに対して、真緒は純白の剣で受け止める。鋭い刃物が爪に当たったのにも関わらず、アレリテの爪には傷一つ付いていなかった。


 「す、凄い力……あの時よりも数段強くなっている!!」


 「当たり前でしょ? その男は既にこちら側の住人……容姿や強さは思いのままよ」


 そう言うとメユは、開いていた夢の絵本のページを撫で始める。


 「ごっ!? がっ!? あがっ!!」


 するとアレリテの様子が変化した。骨が外れ、中の肉が盛り上がる。次第に骨格その物が変化し、猫背で背骨が異常に発達した生物が生まれた。それは正に“異様な見た目をした生物”が誕生した瞬間であった。


 「こ、これは……」


 「おーほっほっほ!! 良かったわね、愛らしい姿になれて……とてもお似合いよ。さぁ、早くマオを殺しなさい!!」


 「ごっ……がっ……」


 人成らざる物へと変化したアレリテ。メユの命令を聞き、真緒目掛けて凄まじい跳躍力を用いて襲い掛かる。


 「ぐっ……きゃあ!!!」


 アレリテの攻撃に対して、咄嗟に純白の剣で防ぐも、威力を殺し切れずそのまま吹き飛ばされてしまった。


 「マオさん!! “フレイムテンペスト”!!」


 「「「「「ごわぁあああああ!!!」」」」」


 風と炎、二つの魔法が混じり合い部屋全体に炎を纏った巨大な炎の嵐が巻き起こった。


 「っ、手間を掛けさせてくれるわね……」


 巨大な炎の嵐のせいで、街の住人達は身動きが取れなくなってしまった。そんな様子に、メユは軽い舌打ちをならすのであった。




***




 「マオさん!!」

 

 「マオぢゃん!!」


 「マオ!! 大丈夫か!!?」


 真緒が吹き飛ばされた事を目撃した三人は、その安否を確かめる為に急いで側へと駆け寄る。


 「は、はい……何とか……」


 「良かった……だがこのままじゃ、遅かれ早かれ殺られてしまう……」


 「倒しても倒しても蘇る……まるでゾンビですね……」


 「あぁ、しかも今回は頭を吹き飛ばしても元通りなってしまう……こうなったら残されている手は一つ……」


 「メユちゃんが持っている“夢の絵本”を水で濡らす……」


 そう言うと真緒は、懐から給水袋を取り出す。


 「アレリテさんから受け取った給水袋……」


 「この中には二杯分の水しか入っていない……つまりチャンスは二回……」


 「確実に掛げられる瞬間を狙わないどいげないだぁ……」


 「だが問題は、どうやって階段上まで上るかだ……」


 「側にはあのエジタスさんが控えていますからね。容易に近づくのは難しいですよ」


 「……それなんだけど……」


 「「「?」」」


 すると真緒はハナコ、リーマ、フォルスの三人にヒソヒソと耳打ちをする。階段上でふんぞり返っているメユに近付く作戦を。


 「そ、そんなの無茶ですよ!!」


 「マオぢゃん、無理だよぉ!!」


 「二人の言う通りだ。マオ、その作戦はあまりにもリスクが大き過ぎる」


 「……確かにそうかもしれません。でも、他に方法が無いんです。お願いします……」


 「マオさん……」


 「マオぢゃん……」


 「…………よし、分かった。やってみようじゃないか」


 「フォ、フォルスさん!?」


 「考えても見ろ。このまま何の策も起こさないでジワジワと追い詰められ、殺されるのを待つのと、一か八かの作戦を実行して殺される……どちらか一方しか選べないのだとしたら、俺は迷わず作戦を実行する……」


 「フォルスさん……そうですね。どうせ後悔するなら、やらないで後悔よりも、やって後悔したいです!! 私も協力します!!」


 「オ、オラも協力ずるだぁ!!」


 「皆……ありがとう……」


 「よし、そうと決まれば早速作戦を開始するぞ!!」


 「「「おぉ!!!」」」


 最早リスクなど考えない。当たって砕けろ。真緒達は一か八かの作戦を実行する為、その時が来るのをじっと待った。




***




 「あーもう!! 目障りな魔法ね!!」


 「メユさん……何だったら私が消してきましょうか?」


 「……そうね、その方が待つより手っ取り早く済みそうね。任せるわ、エジタス」


 「お任せ下さい」


 メユの命令を受けて、エジタスは吹き荒れる炎の嵐の中、勢い良く飛び込んだ。


 「…………」


 そして次の瞬間、吹き荒れていた炎の嵐は掻き消されてしまった。


 「よくやったわエジタ……!!!」


 炎の嵐がエジタスによって掻き消されてしまったその時、階段下で息を潜めていた真緒達が、一斉に階段を駆け上り始めた。


 「突撃!!!」


 「「「「うぉおおおおお!!!」」」」


 「……成る程、炎の嵐が掻き消される事を予想し、その瞬間を狙って一斉に私の下まで駆け寄り、この絵本に水を掛ける……随分とお粗末な作戦だ事……」


 そう言うとメユは夢の絵本のページを撫でる。すると瞬く間に階段の段差が無くなり、急斜面に変化した。


 「なっ!!?」


 「「「うわぁあああ!!!」」」


 急に段差が無くなった事で、空中を飛んでいたフォルス以外の三人は、物理法則に従って下へと滑り落ちる。


 「フォルスさん、これを!!」


 滑り落ちる中、真緒は手に持っていた給水袋を空中にいるフォルス目掛けて投げる。


 「分かった!!」


 真緒から無事に給水袋を受け取ったフォルスは、座っているメユへと近付く。


 「食らえ!!」


 そしてそのまま、給水袋に入っている二杯の内、一杯分の水をメユ目掛けて勢い良く掛けた。飛び散る飛沫、大粒の水の塊がメユに迫る。


 「あらあら……どうやらこの勝負……あなた達の……」


 何かを言い切る前に、大粒の水の塊はメユを含めた夢の絵本に掛かる。


 「「「やった!!!」」」


 「…………ふふっ」


 「「「「!!?」」」」


 見事、夢の絵本に水が掛かり、勝利を確信した次の瞬間、夢の絵本ごとメユもドロドロに溶けてしまった。


 「こ、これはいったい!!?」


 「えっ、ど、どう言う事ですか!!? メユちゃんまで一緒に溶けてしまいましたよ!!?」


 「何がどうなっでいるだぁ!!?」


 「そ、そんな……まさか……まさかメユちゃんは……」


 「おーほっほっほ!!!」


 「「「「!!?」」」」


 一同が驚きの表情を浮かべ混乱する中、ドロドロに溶けてしまった筈のメユから高笑いが聞こえた瞬間、瞬く間に元の形へと戻り、そこには何事も無かったかの様にメユが椅子に座っていた。


 「この勝負……あなた達の……負けよ」


 「そ、そんな……どうして……」


 「何か勘違いしているみたいだけど、私は……“この理想郷の主じゃ無いわよ”」


 「「「「!!!」」」」


 頭の整理が追い付かない。目の前にいるメユこそが、この理想郷の主だとずっと思っていた。しかし、実際水を掛けても元通りになってしまった。今の今まで思い違いをしていたという事実が、真緒達の心に突き刺さる。


 「おーほっほっほ!!! 良いわね、今の表情!! 滑稽よ!! あなた達はずっと私の掌で踊り続けていたのよ!! おーほっほっほ!!」


 「「「「…………」」」」


 何も言い返せない。あまりのショックに真緒達は思わず俯いてしまう。


 「あー、笑った笑った……さて、それじゃあそろそろあなた達には、死んで貰いましょうかね!!」


 「「「「!!!」」」」


 メユが夢の絵本のページを撫でると、それまで動かなかった街の住人達が、一斉に真緒達に襲い掛かって来た。


 「くっ……“ライト”!!」


 「!!?」


 街の住人達に襲われそうになった瞬間、真緒は魔法を唱える。すると掌から目が眩む程輝く光の玉が作り出された。


 「…………」


 次第に光は消えて無くなり、ゆっくりと目を開くと、そこにいた真緒達の姿が消えて無くなっていた。


 「逃げたか……でも外に出ていない筈……となると、この館の何処かに隠れているわね。捜しなさい!! この館の隅から隅まで捜すのよ!!」


 メユの命令を受け、街の住人達は館内を捜索し始める。


 「エジタス……あなたは私の側を離れないで、分かったわね」


 「はい、分かりました」


 「必ず見つけてやる……」

何とメユは理想郷の主では無かった!!

貴重な水を使ってしまった真緒達。

果たして真緒達は何処に隠れたのだろうか?

そして本当の理想郷の主を捜し出せるのか!?

次回もお楽しみに!!

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