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大量の死体

今回、真緒達とフェスタスの初対面となります。

果たして、真緒達はこの危機から抜け出せるのか!?

 「だ、誰ですか? あなた達は……?」


 真緒達はミルドラと和解し、ミルドラを供にロストマジックアイテムを回収する仲間にした。そんな真緒達が洞窟の入口へと向かうと、そこにはショウ達の無惨な死体が転がっており、洞窟の入口はフェスタス率いるヘッラアーデの教団員達に取り囲まれていた。しかし、フェスタスとは初対面な真緒達。突然の出来事に理解が追い付かず、いったい何者なのかと問い掛けた。


 「おやおや~、お忘れですか~? 可笑しいですね~?」


 すると最前列にいたフェスタスが、わざとらしく首を傾げ、人差し指を顎に当てる。


 「確かに~、私とあなた達が顔を会わせるのは初めてですよ~。でもでも~、この“紋章”は~覚えているんじゃないんですか~?」


 そう言いながらフェスタスは、側にいた兵士に近付き、兵士が持っていた盾に描かれている不気味な笑みを浮かべている仮面が縦半分、もう片方には骸骨の紋章を両手の人差し指で、強調する様に指し示した。


 「「「「ヘッラアーデ!!!」」」」


 それは真緒達がこの村に入った際、村人とは違う全身鎧に身を包み、死に絶えた兵士が持っていた剣や盾に描かれていた紋章と同じだった。忘れる筈が無い。真緒達は、咄嗟に武器を構える。


 「その通~り、そして初めまして~、私はヘッラアーデ“幹部”、フェスタスと申しま~す!!」


 「幹部……だと!?」


 「そうですよ~、驚きました~?」


 ノーフェイスに続き、ヘッラアーデ二人目の幹部。ノーフェイスの強さを目の当たりにしている真緒達からすれば、同じ幹部であるフェスタスの強さは、想像を絶する物だろう。


 「それで……幹部の人がわざわざ何の御用でしょうか……?」


 「いやだな~、分かっている癖に~」


 そう言いながらフェスタスは、真緒達の方へと近付いて行く。真緒達は迫って来るフェスタスと距離を取ろうと、後退りを始める。


 「私の部下が苦戦したドラゴンが~、隣にいるって事は~、手に入れたのでしょ~“アレ”、今渡して頂けたら~命だけは助けてあげますよ~」


 「……ショウさん達を殺しておいて、命だけは助ける……何とも説得力の無い言葉ですね」


 「…………」


 真緒の言葉にフェスタスは、歩みを止めた。そして目線を真緒達から、死体として転がっているショウ達に向ける。


 「……彼らには悪い事をしました~、でも仕方が無かったんです~。マオ達を裏切れって頼んだのに~、それを拒んだのですから~」


 「拒んだだけで殺すなんて……あなたは……あなたは人の命を何だと思っているんですか!?」


 「えっ、消耗品としか思っていませんよ~? そんなの~当たり前の事じゃありませんか~」


 さも当然の様に答えるフェスタス。そこには殺人への葛藤や罪悪感は無く、命を奪うという純粋な想いだけがあった。


 「狂ってる……」


 「まぁまぁ、そんなのどうでもいいじゃないですか~。大事なのは、あなた達が持っているロストマジックアイテムを私に渡す事ですよ~」


 「……お断りします」


 「あれれ~、どうして~?」


 「これは師匠が遺した大切なアイテム……師匠との唯一の繋がりなんです。渡す事は出来ません。それに渡した所で、生かすつもりは無いんでしょう?」


 「…………」


 真緒の言葉に、フェスタスは興味無さそうに顎を掻きながら空を見上げる。


 「……言い方が悪かったですね~、これはお願いじゃないんですよ~、命令なんですよね~」


 そう言うとフェスタスは、周りにいる教団員達に目配せをする。すると教団君達は一斉に武器を構えて、真緒達に詰め寄って来た。


 「くっ……!!」


 「ほらほら~、早く渡して下さ~い。渡さないと~苦しんで死ぬ事になりますよ~」


 「どうすれば……っ!!」


 緊迫した状況が続く中、真緒が胸を押さえながら、地面に膝を付いた。


 「マオぢゃん!?」


 「大丈夫ですか!?」


 「マオ、大丈夫か!?」


 「はぁ……はぁ……こんな時に……疫病の余韻が……」


 「ミー……」


 ミルドラの“奇声”により、体調不良を起こしていた真緒達。一番至近距離で聞いていた真緒は、まだ完治していなかった。


 「あはははは~、殺す前から既にボロボロじゃないですか~。今なら楽に殺してあげられますよ~? 早く渡して下さ~い」


 「誰が……渡す……もんですか!!」


 ふらふらになりながらも、根性で立ち上がる真緒。


 「……はぁ~、往生際が悪いですね~。そもそもですよ~? そのロストマジックアイテムは、私が手にするべき物なんですよ~」


 「どう言う意味だ!?」


 「私は~、ロストマジックアイテムを手にするべき、正当なる“後継者”なのですよ~」


 「“後継者”……? いったい何を言っているんですか!?」


 言っている意味が分からないという顔をする真緒達。そんな真緒達にフェスタスは、得意気な表情を浮かべながら胸に掌を添え、声を張り上げる。


 「ふふん!! 何を隠そうこの私は!! あの!! 道楽の道化師!! エジタスの!! “息子”なので~す!!」


 「「「えっ……えぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?」」」


 高らかに宣言するフェスタス。その衝撃な言葉にハナコ、リーマ、フォルスの三人は驚きの声を上げる。


 「う、嘘……そんな……嘘……師匠に息子がいるだなんて……と、という事は……師匠には……お、おおおおお奥さささささんががががが……いるという事に……あっ……」


 「マオぢゃん!!」


 「マオさん、気を確り持って下さい!!」


 「くそっ!! さっきよりも重症だぞこれは!!」


 受け入れがたい言葉に、真緒の口はまともに回らなくなり、意気消沈してしまった。恐らくこの話をサタニアが聞けば、同じ状態になるであろう。


 「おやおや~、身だけじゃなく心までボロボロになってしまった様ですね~」


 「フェスタスとか言ったか……お前、デタラメを言うな!!」


 「デタラメじゃありませんよ~、その証拠に……ほら」


 「「「「!!!」」」」


 決定的証拠と言わんばかりに、フェスタスは自身の右腕を巨大化させた。


 「そ、そんな……あれは……」


 「師匠の……」


 「そうですよ~、エジタスだけが扱えていた“骨肉魔法”ですよ~」


 「そんな……あぁ……」


 「マオぢゃん!!」


 エジタスだけが扱えた“骨肉魔法”を、目の前にいるフェスタスが扱っている。それはフェスタスが、エジタスの息子だという事を決定付けていた。その現実に、真緒の意識は遠退く。


 「さぁ~、分かったら早く渡して下さ~い。エジタスが遺したロストマジックアイテムを!! このエジタスの息子であるフェスタスに!!」


 「絶対絶命だ……」


 フェスタスは、骨肉魔法で巨大化させた右腕を、真緒達に近付けようとした……次の瞬間!!


 「キシャラブラァアアアアア!!!」


 「「「「「!!?」」」」」


 フェスタスの目の前に、ミルドラが立ち塞がった。ミルドラは、真緒達を背にして守ろうとする。


 「ミルドラ……?」


 「……ミー」


 真緒が声を掛けると、ミルドラはすっと右手を差し伸べる。触れろという事なのか。真緒は差し伸べられた右手に触れる。


 『僕が時間を稼ぐ。その間にマオ達は逃げて!!』


 「そんな!? ミルドラを置いて行くなんて出来ないよ!!」


 『……僕、嬉しかった……』


 「……?」


 『マオ達が僕を仲間に迎え入れてくれて……家族とは違う……でもとても暖かい気持ちになった。こんな気持ち、エジタスと会って以来だよ。だから恩返しをさせて欲しい……罪を償うんじゃない……感謝の気持ちとして……受け止めて欲しい』


 「ミルドラ……」


 「マオ……こんな奴等に負けちゃ駄目だよ!! 誰よりも早く、エジタスが遺したロストマジックアイテムを回収するんだ!!」


 「…………皆、行こう」


 真緒は静かに、ミルドラの右手から手を離した。そして側にいる三人に、出発を告げる。


 「えっ、マオぢゃん?」


 「ミルドラが……先に行けって……」


 「それって……」


 「マオ……分かった……行こう」


 それ以上は何も言わなかった。涙を堪え、辛いのを我慢しながら、真緒を先頭に走り出した。


 「!! 行かせるかぁあああああ!!!」


 突然走り出した真緒達に驚きつつも、フェスタスは行かせまいと、巨大化させた右腕で真緒達を殴り飛ばそうとする。


 「キシュシュシュ!!」


 「!!?」


 しかしその攻撃を、ミルドラが細長い前足を利用して食い止めた。


 「……この爬虫類野郎が……!!」


 フェスタスがミルドラに怒りを覚える中、真緒達は村の入口に向かって一直線に走って行く。


 「「「ここから先には行かせんぞ!!」」」


 そんな真緒達の行く手を、ヘッラアーデの教団員達が阻む。


 「いいえ、行かせて貰います!! 私達には、やらなければならない事があるんです!! スキル“ロストブレイク”!!」


 「スキル“インパクト・ベア”!!」


 「“ウォーターキャノン”!!」


 「“三連弓”!!」


 「「「ぐわぁあああああ!!!」」」


 真緒達が一斉に放ったスキルが、教団員達を吹き飛ばし、道を切り開いた。真緒達は振り返らず、真っ直ぐ突き進んで行くのであった。




***




 「はぁ……はぁ……随分と……手こずらせてくれましたね……」


 「……ミー」


 真緒達が走り去った後、ミルドラはフェスタスに戦いを挑んだが、残念ながら負けてしまった。


 「全く……理解に苦しみますよ……本来ならば、あなたは私の味方をするべきなのに……エジタスの息子であるこの私を!!」


 そう言いながらフェスタスは、倒れ伏したミルドラの頭を踏みつける。


 『……君がエジタスの息子? ふっ、冗談も休み休み言ってよ……』


 「何だと……」


 『君からは……エジタスの臭いが全くしない……君は嘘つきだ……』


 「黙れ……」


 『君は後継者なんかじゃない……君は……エジタスの息子じゃ……』


 「黙れぇえええええ!!!」


 感情的になったフェスタスは、ミルドラを踏みつけていた足を骨肉魔法で巨大化させ、勢い良く何度も踏みつけた。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も…………原型が分からなくなるまで、何度も踏みつけた。


 「……はぁ……はぁ……はぁ……」


 「随分と荒れているな」


 「!!?」


 声のした方向に顔を向けると、そこにはヘッラアーデ幹部のロージェが立っていた。


 「……何の用ですか……」


 「分かっているだろう。回収に失敗したお前を迎えに来た」


 「失敗などしていません!! 今から追い掛ければ、まだ間に合います!!」


 「駄目だ。エイリスに連れ戻す様に言われた」


 「エイリス様に……!?」


 「それでも追い掛けたいと言うなら、追い掛ければ良い。エイリスには、私から伝えておく」


 「…………はぁ~、分かりました……分かりましたよ~、戻れば良いんでしょう~」


 「分かったのならいい。行くぞ」


 フェスタスはロージェに連れられ、エイリスが待つヘッラアーデ本部へと戻って行く。後に残ったのは、大量の死体だけだった。

ミルドラ死亡!!

しかし彼に未練は無い。大切な仲間である真緒達を、逃がす事が出来たのだから……。

次回 第二章 完結です!!

次回もお楽しみに!!

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